矢野(五味)晴美の感染症ワールド・ブログ

五味晴美の感染症ワールドのブログ版
医学生、研修医、医療従事者を中心に感染症診療と教育に関する情報還元をしています。

Hib ワクチン接種の推奨・定期接種化につきまして

2009-06-03 16:06:06 | Weblog
日本人初の米国小児感染症科専門医で、

現在、成育医療センター感染症科医長の斉藤昭彦先生らが、

Hibワクチン(インフルエンザ菌 Haemophilus influenzae type b)のワクチンの定期接種化について、座談会をされています。

1980年代の終わりから1990年代はじめに欧米で導入されたHibワクチン。
疾患自体がほぼ「消滅」したといわれるくらい高い有効性と、その安全性が証明されています。

日本では、2007年1月に欧米先進国に遅れること20年、やっと導入されたHib ワクチンです。まだ、任意接種で、その普及には経済的障壁、国民の意識改革など課題が山積しています。


医学界新聞 2009年6月1日号
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02832_01

日米のワクチン接種の現状を比較し、日本でも、ワクチン予防可能な疾患(Vaccine-preventable diseases, VPD)による感染症を防ごう、と呼びかけています。

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02832_02


ぜひ、ご一読ください。


(ご参考まで)
私自身も2003年に日本の予防接種行政に関して、医学界新聞に寄稿したことがあります。
http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2003dir/n2547dir/n2547_03.htm#00



上記のようなVPD の制圧が日ごろから、いかにできているかは、今回の新型インフルエンザ対策でも、その対策が現場で確実に実行されるかどうかの指標となりうると私は感じています。

「日ごろできていない対策」は、やはり「一夜漬け」や「付け焼刃」レベルで徹底させるのは非常に困難です。

従いまして、「平常な状態」で、感染対策を確実にできるようにしておくことが、今後、いかなる「感染性疾患」の対策を立てるうえでも、大前提となるのです。


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