
著者は山形県米沢地方のアマチュアカメラマン。地元で110人の軍隊経験者を訪ね歩き取材したルポ。プロのライターでないこと、そして、地元ローカル紙で発表するために文章量を絞り込んだことが、余分な贅肉のないヘタウマな文章となって冴えている。(地名や方言などには、もう少し注釈があっても良かったかも) 本文中に並行して登場する元兵士たちを撮った写真もヘタウマ。
110人という多くの人の戦争体験談から、多くの発見をすることができる。 まず、今の価値観では簡単には想像することすらできない当時の人々のおかれた生活環境が垣間見られる。ラジオもない生活、新聞や本を読んだことのない人たち、小作で現金収入がなく軍隊の方が楽だったという人も。
また、元兵士のひとりが「軍隊は『運隊』だ」と言うように、その人の所属した部隊によって従軍環境は著しく異なる。
毎日が戦闘だったという人もいれば、戦闘は従軍期間に1回だけとか、敵と面と向かい合って戦うことはなかったという人。上陸と同時に、武器・食料の補給も途絶え、戦うことはおろか、ジャングルの中を迷走しただけという人。
現地の人に悪いことはしていないという人もいれば、現地人に対して罪なことをした兵隊を見つける「首実験」や、古参兵による新兵への「度胸験し」という名での中国人殺害の証言。
ストレス解消のために新兵をビンタしまくる上官もいれば、「この戦は負け戦だ。死なずに家に帰れ」と言った中隊長。
「死体の山」という人もいれば、「鉄砲の弾なんて当たるものではない」という人。
食うものには困らなかったという人もいれば、排泄物を洗って食べる状況まで追い込まれた人。敗走途中に手榴弾で自決した人。
天皇陛下のため、国のため死ぬのが怖いことなどなかったという人は多くいるが、天皇陛下万歳なんて言って死ぬ負傷兵なんていなかった、特攻隊員が青ざめブルブルと振るえ無言のままで出撃していったという話も。
戦死者が出なかった部隊、全滅に近い部隊。
終戦に関しても、悲しむ人、喜ぶ人。
フランスの捕虜になった人、ソ連の捕虜になった人。蒋介石軍に合流した人。
「戦争なんて正常な人間のやることでないよ」「勝っても負けても悲しみだけが残る」と言い切る人もいれば、「総理が靖国神社へ参拝するのは当たり前」「日本の国を日本人が守らないなんて」と、きっぱりと言う人もいる。
そして、そろそろ「お迎え」が来る頃だからすべてを話そうかという人、やはり話せないという人。
虐殺という表現はないが「言うことを聞かないと中国人を殺した」「生きているものは全部殺した」「女子供以外は皆殺し」と言う証言。 盗みとは言わず「徴発」と表現するいう行為の実態。慰安所に関する証言。特攻志願兵の本音や、特攻兵の遺書の真実もわかる。何よりも戦争経験者の戦争認識のズレの原因がわかる1冊。もちろん、彼らの証言はあくまで生きて帰れた人のものであり、異国の土と化した多くの人の無言の思いも忘れてはならない。
110人という多くの人の戦争体験談から、多くの発見をすることができる。 まず、今の価値観では簡単には想像することすらできない当時の人々のおかれた生活環境が垣間見られる。ラジオもない生活、新聞や本を読んだことのない人たち、小作で現金収入がなく軍隊の方が楽だったという人も。
また、元兵士のひとりが「軍隊は『運隊』だ」と言うように、その人の所属した部隊によって従軍環境は著しく異なる。
毎日が戦闘だったという人もいれば、戦闘は従軍期間に1回だけとか、敵と面と向かい合って戦うことはなかったという人。上陸と同時に、武器・食料の補給も途絶え、戦うことはおろか、ジャングルの中を迷走しただけという人。
現地の人に悪いことはしていないという人もいれば、現地人に対して罪なことをした兵隊を見つける「首実験」や、古参兵による新兵への「度胸験し」という名での中国人殺害の証言。
ストレス解消のために新兵をビンタしまくる上官もいれば、「この戦は負け戦だ。死なずに家に帰れ」と言った中隊長。
「死体の山」という人もいれば、「鉄砲の弾なんて当たるものではない」という人。
食うものには困らなかったという人もいれば、排泄物を洗って食べる状況まで追い込まれた人。敗走途中に手榴弾で自決した人。
天皇陛下のため、国のため死ぬのが怖いことなどなかったという人は多くいるが、天皇陛下万歳なんて言って死ぬ負傷兵なんていなかった、特攻隊員が青ざめブルブルと振るえ無言のままで出撃していったという話も。
戦死者が出なかった部隊、全滅に近い部隊。
終戦に関しても、悲しむ人、喜ぶ人。
フランスの捕虜になった人、ソ連の捕虜になった人。蒋介石軍に合流した人。
「戦争なんて正常な人間のやることでないよ」「勝っても負けても悲しみだけが残る」と言い切る人もいれば、「総理が靖国神社へ参拝するのは当たり前」「日本の国を日本人が守らないなんて」と、きっぱりと言う人もいる。
そして、そろそろ「お迎え」が来る頃だからすべてを話そうかという人、やはり話せないという人。
虐殺という表現はないが「言うことを聞かないと中国人を殺した」「生きているものは全部殺した」「女子供以外は皆殺し」と言う証言。 盗みとは言わず「徴発」と表現するいう行為の実態。慰安所に関する証言。特攻志願兵の本音や、特攻兵の遺書の真実もわかる。何よりも戦争経験者の戦争認識のズレの原因がわかる1冊。もちろん、彼らの証言はあくまで生きて帰れた人のものであり、異国の土と化した多くの人の無言の思いも忘れてはならない。
(個人的評価:★★★★★)
(おすすめ度:子供たちにぜひ読んでもらいたい1冊!)
(おすすめ度:子供たちにぜひ読んでもらいたい1冊!)










エルミタージュ図書館のお奨めご本拝見しました。
柔軟な本選びと、柔らかで的確な書評感心しました。
早くトラックバックして友好図書館になって欲しいと願っています。
とりあえず 連帯のご挨拶を。
本のことはいろいろ知っているようでもやはり偏りがあるので,
こちらの紹介のものも参考にさせて頂きます。
その日は本当に戦争があった事を認識させられる。
出来る事ならなかったことにできないだろうかと思ってしまう。今まで目をそむけてきたけど、この本読んでみようと思ってる。
でも戦争は「人の殺し合い」。
恐ろしいことです。
どんな思いがあっても「戦争は止めよう」ということでは皆が一致してほしい、と切実に思います。
読ませて頂くと真実は一つではないようですね。
その人にとっての其々の真実が存在する。
“その時代”に生きていなかった私は何を真実と・・・?
考えるためにまたお邪魔させて頂きます。