或る「享楽的日記」伝

ごく普通の中年サラリーマンが、起業に向けた資格受験や、音楽、絵画などの趣味の日々を淡々と綴ります。

Never say Never again

2012-04-06 05:45:13 | 350 映画
遠距離出張で見たDVDの第2弾は、ショーン・コネリー主演の「Never say Never again」(1983年)。これをTSUTAYAでレンタルした理由は、第1弾と同様に音楽をミシェル・ルグランが担当していたから。おそらく過去に幾度かはTVのロードショーかなにかで見たことがあるはずだけど、悲しいかな全く記憶に残っていなくて。この作品は、有名な007サンダーボール作戦のリメイク。

こういう映画は自分にとってはストーリーとか、そういうのはどうでも良くて。とにかく適度なアクションと美女が大勢出てくればそれでOK。その意味では期待を裏切らない出来だった。今回も多数のボンドガールが出演していて、とりわけ相手役のキム・ベイシンガーがひときわ目立っていた。とにかくプロポーションが抜群。ドイツの血を引く角ばった顔と何故かマッチしていて。

改めて感じたのが、ショーン・コネリーの復活は、興行的にはミスマッチじゃなかったのかなと。撮影当時が52歳ぐらい。それ以上に老いぼれてみえたけど。でも逆にこんなジイさんでも若い娘といちゃつけるという希望を与えてくれていると考えれば、それはそれで良いのかなと。特にラストでリゾートのプールで楽しそうにしている2人を眺めていると、しみじみそう感じたかな。

嬉しかったのは、冒頭からいきなりメインテーマ[YouTube]が流れてきたこと。もちろんこの曲は昔から知ってはいたけど、どこか懐かしいなと。思い浮かべたのが1980年代のセルメンサウンド。そうか、ラニ・ホールが歌っているのかと途中で気づいて。調べると、彼女ってトランペッターのハープ・アルバートと結婚していた。なんか業界って狭いなと。まあどうでも良いことだけど。

しかしセルジオ・メンデスとミシェル・ルグランの関係って面白い。セルメンがルグランの"Watch what happens"をカバーしたり、逆にルグランがセルメンのヴォーカリストを使って"Never say never again"を歌わせたりと。その意味では1960年代から1980年代くらいまでは、素晴らしい曲が目白押しだったなと。その頃に青春時代を過ごせた自分は幸せだったなと。

ネバーセイ・ネバーアゲイン [DVD]ネバーセイ・ネバーアゲイン [DVD]
コメント (0) |  トラックバック (0) | 

The Thomas Crown Affair

2012-03-29 05:46:39 | 350 映画
遠距離の出張の場合、行きはたいていPCを利用して新幹線の座席で仕事をしていると何時間であろうとあっという間に時が経つのだけど、困るのは帰り。用事が済んだ後で疲れているのでゆっくりしたいし、逆に何もすることがないと時間がなかなかつぶれず退屈してしまう。その対策として有効なのがPCで映画のDVDを鑑賞すること。暇つぶしにもってこいって感じ。

それで先週TSUTAYAでレンタルしておいたのが「The Thomas Crown Affair」(1999年)。以前に記事にした映画「華麗なる賭け」(1968年)のリメイク。今回は主演のスティーヴ・マックィーンの替わりがピアース・ブロスナンで、相手役のフェイ・ダナウェイの替わりがレネ・ルッソ。実はフェイ・ダナウェイもチョイ役で出演しているのだけど、やめておいた方が良かったと思う。

投資会社の切れ者経営者、彼の裏の顔が美術品泥棒で、メトロポリタン美術館からモネの作品を盗み、それを捜査するのが、保険会社から派遣された女捜査官という設定。リメイクというのは、あまりにストーリーに忠実だと逆にシラけてしまいがちだけど、この作品は泥棒と捜査官、そして男と女というあたりまでは同じだけど、その他がまるっきり異なっていて楽しめた。

だけど1ヶ所だけ不満だったのが、唯一両者に共通だった2人でグライダーに乗るシーン。旧作では、この場面がひとつの見所で、ここで音楽を担当したミシェル・ルグランの名曲”風のささやき(Windmills of Your Mind)”が流れた。ところが新作では音楽は流れず。結局メインテーマであるこの曲が流れたのは、なんと物語が終わった後のエンドロール。おいおい、そりゃないだろとダメ出しをしてみたものの、スティングによるカバーのアレンジが現代風でシャレていたので良しとしたけど。

そうそう、フィクションだからしょうがないのかもしれないけど美術館に展示されていた作品がデタラメだった。ほとんどが他の美術館の作品の寄せ集め。特に盗まれたモネの「San Giorgio Maggiore at Dusk」(1908年)は、英国にあるカーディフ国立美術館の所蔵品。メトロポリタン美術館が保有している作品で雰囲気が近いのは、写真の「The house of parliament(effect of fog)」(1903年)かな。まあ美術館での撮影を拒否されて、セットで撮影したらしいから仕方ないか。

トーマス・クラウン・アフェアー [DVD]トーマス・クラウン・アフェアー [DVD]
コメント (0) |  トラックバック (0) | 

東京原発

2011-03-21 08:48:12 | 350 映画
この3連休の初日に独りで船釣りへ。独りなんてことはまずないのだけど、このところ予定していた釣行が2回連続で取り止めになったから。理由は、2月が海外出張、そして3月は東北地方太平洋沖地震発生。3月については、実は当日の朝までは行くつもりで準備をしていた。しかし地震の翌日で津波注意報が取り下げられず、船長から中止の連絡が入ってやむなく断念。

だけど結果として良かった。というのも地震が思った以上に大規模だったことがTV報道で分かってきたから。もしそのまま行っていたら、周囲から白い眼で見られていただろうし、自分自身も楽しい訳がなかっただろうから。その意味では被災者の方々にはあまりに気の毒な天災だったなと。あれから1週間。後ろ髪を引かれながらも我欲に勝てず遊魚船の予約をしてしまった。

2ヶ月ぶりの釣行の目的地は愛媛県の伊予灘で、狙いはハマチ。驚いたのは船長からポイントが原発の周辺にあると聞いた時。なんか背筋がやや寒くなったかな。原発と言えば、地震がらみの福島で今や大問題になっている真っ最中。なんかいやなつながりだなと。それに反して釣行の当日はこれ以上ないぐらいの絶好の日和。到着した魚場はまさに原発の真ん前だった。

だけど天罰が当たったのか結果はボウズ。やっぱりねえ、釣りなんかやってる場合じゃなかったんだなあと。それで記事を書きながら調べていると、この原発は四国電力の伊方発電所。写真の右から1号機、2号機、3号機で古い順。そのうち気づいたのが”プルサーマル”という言葉。簡単に言えば、原発で使用済みの核燃料であるウランとプルトニウムの原発での再利用。

現在日本でプルサーマルを実施しているのは、この伊方発電所3号機を含めて全国に4ヶ所あり、なんと福島第1の3号機もそのひとつ。専門家じゃないからよく分からないけど、プルサーマルで使用されるMOX燃料に含まれるプルトニウムの毒性がやけに強く、漏れるとヤバイらしい。なんて話に首を突っ込んでいると、かつてカミさんと一緒に観にいった映画「東京原発」(2004年)を思い出した。

東京原発 [DVD]東京原発 [DVD]
コメント (0) |  トラックバック (0) | 

ディア・ドクター

2010-02-03 06:15:19 | 350 映画
食わず嫌いだった映画「ゆれる」(2006年)が想定外の面白さだったので期待していたのが、売出し中の監督兼脚本家である西川美和の「ディア・ドクター」(2009年)[YouTube]。キャッチコピーは”その嘘は、罪ですか”。テーマは時節にピッタリの過疎地医療。主人公のニセ医者を演じるのが落語家兼タレントの笑福亭鶴瓶。俳優としの彼を見るのはこれが初めて。

結論を先に言えば、イマイチだったかな。派手さはないものの脚本は悪くないし映像的にもまずまず。問題は役者の演技。まずは失踪した主人公の行方を追う警部補役の岩松了。自分としては少なくとも表面的にはシリアスな雰囲気を期待したけど、なんか深夜のTVドラマの「時効警察」の演技そのまま。チャラけた分、場面場面で浮いていた。同僚役の松重豊が良かっただけに惜しまれる。

次が主人公の笑福亭鶴瓶。やはり俳優としての経験不足を暴露したって感じ。セリフが早いし流れる。相手役が百戦錬磨の八千草薫や余貴美子だけによけいに目立ってしまって。時たま渋い表情を見せたりするのだけど、とにかく節々にシロウトさが出てしまう。オマケにないほうが良かった逃亡後のシーンで出てくるからどうしようもない。前作とはえらい違いだったなあ、ラス前ぐらいからの出来は。

加えて劇伴の音楽。ハーモニカを使ったカントリー調の部分はまだ許せるとして、どうにもこうにも稚拙さが目立ったのがピアノによるソロの部分。音数を少なくして場面を浮き立たせようという狙いは分かるのだけど、あまりに音の使い方に芸がない。プロなんだから。もう少し場面によって変化をつけるとか。まあ、このあたりは好みの領域と言われればそれまでだけど。

文句が多い中で救われたのが八千草薫の娘の女医役で登場した井川遥。上手くなったなあと。表情の作り方といい、セリフの喋り方といい、肩の力が抜けて自然体で演技をしている。結婚して役者としてひとまわり大きくなった感じ。まあいろいろ好き勝手に言わせてもらったけどそれはそれとして、前作もだけどこの監督ってカワイイ顔して人間の内面の影を描くのが上手いなあと。

ディア・ドクター [DVD]ディア・ドクター [DVD]
コメント (0) |  トラックバック (0) | 

ゆれる

2009-11-05 06:15:15 | 350 映画
少し前にお気に入りの小説「きのうの神さま」を記事にしたけど、今日はその作者の”西川美和”つながりで、彼女が脚本・監督を務めた映画「ゆれる」(2006年)の話。小説が面白かったので、すかさずTSUTAYAでレンタルしたけど。いろんなところで主演男優賞、助演男優賞、脚本賞、監督賞等の各賞を総なめにしていて、この年に最も評価が高かった作品のひとつ。

だいぶ前から知ってはいた、評判が良いことも。それでも食指が動かなかったのは、なんか暗そうだったから。それと「ゆれる」という題名もちょっと。単なる食わず嫌い。でも観終えて思った、ピッタリだったと。橋がゆれる、登場人物の心がゆれる、そして観客の思いもゆれる。これだけいろんなものが”ゆれる”とは。今思えば、これって監督の仕掛けなんだろうな。

ストーリーは、実直で田舎に残って父のガソリンスタンドで働き地味な日々を送っている兄と、わがままで田舎を飛び出し東京でたまたまカメラマンとして成功し、そこそこ羽振りの良い生活を送っている弟という、対照的な兄弟の物語。母の葬式にも参列しなかった弟が、兄の誘いで一周忌のために帰郷する。そこでガソリンスタンドで働いている女をめぐって事件が起る。

それにしても西川美和には感服。映画は全くのシロウトだけど、各シーンでのカメラワークの意図がこれほどまでに伝わってきたことはなかった。最初から最後まで画面だけを追っかけても飽きない。冷静に考えれば派手なシーンもなく、中味はほとんどがオダギリジョーと香川照之の心理描写だけ。しかしどうしてこんなに微妙な人間の心の奥底を描くのが上手いのかなあと。

面白かったのがネットの情報。やはり場面、場面で登場人物の心理がどうだったのかに皆さん興味があるみたいで、深読みのオンパレード。最終的には作者の本当の意図はどうだったかに議論は集中するのだけど、映画の公開後にノベライズされた小説を読んでも分からずじまいらしい。まんまと作者の術中にはまっている。ラストシーンにそれが象徴されているような。

      ゆれる [DVD]ゆれる [DVD]      ゆれる[文庫]ゆれる[文庫]
コメント (0) |  トラックバック (0) | 

おくりびと

2009-07-03 06:16:26 | 350 映画
近所のTSUTAYAにいって新作コーナーを眺めていると、映画「おくりびと」(2008年)のDVDを発見。即レンタルしたけど、棚の中央に数十ケースはあった。おいおい、もうレンタル開始かよと、嬉しいような少し悲しいような。この映画は超有名ですね。第32回日本アカデミー賞最優秀作品賞と第81回アカデミー賞外国語映画賞の受賞作品として大いにメディアを賑わせたから。

ネットでだいたいのストーリーを知った時点から興味を持っていて。というもの本木雅弘演じる主人公、小林大悟の、いわゆる”音楽家くずれ”という設定に親近感を持ったから。マイナーなオーケストラのチェロ奏者が経営難の楽団の解散により解雇されるのだけど、このご時勢だけにリアル。辞めて仕方なく故郷に帰るというところも、何かしら自分に重ねたのかも。

リアルと言えば、他にも印象に残った場面がいくつか。主人公の「自分の才能の限界に気づいた時...」というセリフがあるのだけど、これも腕がそれなりに上達した音楽家が必ず直面する話。音楽で飯を食うというのは、クラシックやジャズを問わず、どのジャンルでもたいへんだなと。極めつけは主人公がチェロを演奏する場面。オーケストラの一員としてベートーヴェンの第九を演奏するのだけど、本木自身が実際に弾いていた。なにげに運指やボーイングが合っていたから。これにはビックリ。

その後も何度か演奏シーンがあるのだけど、細かく映像を見ていてカラクリに気がついた。つまり実際に彼が弾いてはいるけど、再生されている音は別のプロが弾いたもの。弾き始めと弾き終わりやヴィブラートのかかり具合等が微妙にずれていたから。本木の映像を見てプロが合わせたのか、プロの演奏を聞いて本木が合わせたのか、どちらかだろうけど。別にけなしているのではなくて、本木の努力に脱帽したということ。音楽物って演奏場面が吹き替えミエミエでシラけることが多かったから。

脚本が十分に練られていたのに加え、山崎努 余貴美子といった配役もピッタリで演技も的を得ていた。とにかく最初から最後まで違和感なく観続けることができたかな。全編を包む久石譲の音楽も素晴らしかったし、エンドロールの曲調を除けば。

おくりびと[DVD]おくりびと[DVD]   おくりびと[CD]おくりびと[CD]
コメント (0) |  トラックバック (0) | 

勝手にしやがれ

2009-06-11 06:14:15 | 350 映画
今回のパリ旅行をするにあたり、行きの飛行機の中で久しぶりに観たのが、ジャン・リュック・コダール監督の映画「勝手にしやがれ」(1959年)。原題は「息切れ(A bout de souffle)」。超有名ですね、この映画は。ヌーヴェル・ヴァーグの決定版として、その斬新さは今でも古さを感じさせない。興味があったのは、映画のラストシーンの舞台となったパリのモンパルナス。

主演のジャン・ポール・ベルモンド演じるミシェルと恋人のジーン・セバーグ演じるパトリシアが、警察の追跡を逃れて隠れたのがカンパーニュ・プルミエール通り(Rue Campagne Premiere)の11番地にある知り合いのアパート。実際に行ってみると、確かに身を潜めるにはちょうど良さそうな、小さくて地味な裏通りだった。車の通行も割と少なくて、とても静か。

映画ではアパートから出てきたミシェルを警察が見つけ、大通りに向かって逃げるところを後ろから拳銃で撃つ。ミシェルはよろけながら歩くが、最後は大通りに出る直前で倒れてしまう。ラストで死に際につぶやくセリフが、「最低だ(degueulasse)」、これに対してパトリシアのセリフは、なんとカメラ目線で「最低って何?」。ポール・ベルモントのにやけた表情が印象的だった。

うーん、クールだなあと。全編に漂う刹那的雰囲気の中に、ゴダールお得意の哲学的なセリフがちりばめられている。途中、パトリシアは文学の話をしたいのにミシェルはセックスをしたがるというシーンがあるのだけど、この埋まらないギャップが結局ラストにつながっているような。表面でカッコイイことを言いながら逃げ回るだけの男は単に最低だったてことか。しかし女って冷静だよなと。警察に電話してチクったくせに、それを男に告げるなんて。その八方美人的自己中性格は根性悪すぎ。

さりげなく素晴らしいと思ったのが、マルシャル・ソラールの音楽。いわゆる当時のヨーロッパ風ジャズで、これが映像にピッタリ。彼自身がジャズピアニストだけにレベルも高い。またいつか観たくなるだろうなと思いながらエンドロールを眺めたけど。


            勝手にしやがれ [DVD]勝手にしやがれ [DVD]
コメント (0) |  トラックバック (0) | 

男はつらいよ

2009-04-09 06:19:45 | 350 映画
つい先日配信されたメルマガに、長年続いた邦画の人気シリーズ「釣りバカ日誌」が次回作で終了するとの情報が。時代の流れを感じるなあ。こういった長寿映画というのは歴史が長いだけに終わるとなるとなんとなく感慨深い。映画館に出向いてまで観ることはなかったけど、TVの再放送で機会があればちょくちょくと。というのもテーマが釣りだから自然と親近感が湧いた。

原作の漫画が1979年からビックコミックに連載が開始され、1988年に山田洋次の脚本で映画化され、それ以降は毎年1本ずつ公開されていたとか。だからなんだろうなあ、主人公のハマちゃんのキャラが思いっきりバブルっぽいのは。いわゆるのんきなサラリーマン。植木等の”無責任男”がルーツだと思うけど。観る度にハマちゃんって人生が楽しいだろうなと思ったっけ。

それで人気シリーズつながりで思い出したのが、同じ山田洋次が脚本・監督の「男はつらいよ」。岸恵子がマドンナ役で出演している作品「男はつらいよ 私の寅さん」(1973年)のDVDを借りて観たけど記事にしてなかったなと。調べると、こちらのシリーズは1969年から1995年までの全48作。主演の渥美清が1996年に亡くなったのでシリーズは終了。もう10年以上も前か。

この作品はシリーズの12作目。全体では割と最初の部類。それにしても歴代のマドンナ役は有名どころばかり。彼女より前が、新珠三千代、栗原小巻、若尾文子、池内淳子、吉永小百合、浅丘ルリ子、...。後が京マチ子、大原麗子、桃井かおり、松坂恵子、...。思うに「男はつらいよ」のマドンナに選ばれるのが、その頃の女優のステータスだったのだろうなと。

それで肝心の岸恵子だけど、なんかパッとしなかった。いつもの演技でけっして上手くはない。まあマニアとして一応チェックしたという感じ。彼女にはこういう庶民的な作品の雰囲気が似合わないのかな。当時はイヴ・シャンピと結婚し長女を出産してフランスに住んでいた頃だから、おそらく撮影のために帰国していたはず。役どころもそのせいか洒落た女流画家だったけど。

男はつらいよ 私の寅さん男はつらいよ 私の寅さん
コメント (0) |  トラックバック (0) | 

Dinner with friends

2009-02-13 06:22:20 | 350 映画
家族が外出している隙を狙って男が1人でDVDを鑑賞すると言ったら、おそらくアダルト系なんじゃないかとヘンな誤解をされそうだけど、そうではなくて。このあいだ見たのが「Dinner with friends」(2001年)。きっかけは、フュージョン系のピアニスト兼アレンジャーであるデイブ・グルーシンが音楽を担当した割と最近の作品だと知ったから。確か1年ぐらい前だったと思うけど。

その時にまずサントラ盤を購入。本来なら映画を観た後が良いのだけど、当時日本ではDVDが発売されていなかった。音楽は期待通り極上だった。彼の得意パターンのひとつであるソフトで洗練されたジャズが中心。音楽だけでも十分に納得できる内容。だからこそよけいに早く映画を見たいという欲求にかられて。DVDの新譜をTUTAYAで見つけたので即レンタル。

その時に宣伝用のコピーやネットの情報から、これは内容的にカミさんと一緒じゃまずいなと。というのも倦怠期にさしかかった2組の夫婦が主人公で、そのうちの1組の離婚を通して夫婦の愛情とは何かを考えるというのがテーマだったから。

見終えた感想だけど、自分のカンも捨てたものじゃないなと。映画の完成度は極めて高かった。脚本も演技も堅実で隙がなかったし。グルーシンの音楽の絡み方も絶妙、とくにラストで主題曲の"I'm in the mood for love"が流れてくるあたりはグッときたし。そうそう、自宅の居間で主人公の男性がしみじみとグランドピアノを弾くシーンが、アップライトしか持っていない自分には羨ましくて印象に残った。だけど問題なのは映画のテーマ。こんなのをカミさんと一緒に観たら、それこそ針のムシロ状態。

夫婦は長い年月を経ても、互いに愛し合い思いやる中で絆が深まると言いたいようで、どこかのお寺で住職から法事の後の道徳教育として聞かされたと思えば、それは別にどうってことはないのだけど、映画ではその前提として妻への献身的なセックスと完璧なまでの夫の浮気の否定が女だけの立場で語られているのがどうも。自分的には、いわゆるクーリッジ効果に対する動物としての男と女の意識の違いを単に映画化しただけの作品だと理解したけど。なーんて口が裂けても言えないか。

DVD/Dinner with friendsDVD/Dinner with friends  CD/Dinner with friendsCD/Dinner with friends
コメント (0) |  トラックバック (0) | 

闇の狩人

2009-01-23 06:22:40 | 350 映画
かなり久しぶりの岸恵子オタクシリーズ第5弾は五社英雄監督の「闇の狩人」(1979年)。DVDがTSUTAYAに置いてあったのをみつけたので。実は別の店にビデオが置いてあるのを知っていたけど、どうも躊躇していたなあ。何故かって?血みどろ系らしかったから。苦手なんですよ、前から言っているけど。でも岸恵子モノで他にレンタルするのがなくなったから今回は仕方なく。

ストーリーはどうでもいいかな、この手の映画の場合。とどのつまりは組織と組織の抗争と、それによる殺し合いだから。この映画も例に漏れず、最終的にかなりの登場人物が死んでしまう。それくらいほとんどの場面が殺し合いというしろもの。

それは置いといてスゴイと思ったのが役者の顔ぶれ。仲代達矢、原田芳雄、千葉真一、いしだあゆみ、丹波哲郎、ハナ肇、梅宮辰夫、成田三樹夫、藤田まこと、大滝秀治、東野英治郎、夏木勲、等等。なにせチョイ役に若き日の役所広司が出ているくらいだから。当たり前だけど皆が若い。一番脂が乗っている時っていう感じで、演技もはつらつとしていてなかなか良かった。中でも群を抜いていたのが松尾嘉代。殺された対抗組織の元締の妾役。復讐の鬼と化した女の執念が凄まじかった。

それと五社監督のカメラワーク。いかにも映画の撮り方という感じ。専門的なことはよく分からないけど、派手なシーンでも細かい工夫が凝らしてあって見応えがあった。それでなんとなく気づいたのが、この映画って昔TVで見たことがあるなと。というのも岸恵子演じる元締の女房が、成田三樹夫演じる子分を絞め殺すシーンをぼんやりと憶えていたから。無意識が意識に転じたとでも言うべきか。

その岸恵子だけど、まさにハマリ役。気配りの利く笑顔の絶えない女将の表の顔と、気性が激しく色仕掛けで男を手なづける裏の顔との使い分けが上手い。こういう悪女役が実によく似合う。当時40代後半の熟女の色気が存分に漂っていて素晴らしい。自分ぐらいのオジさんだと無理があるけど、若ければこんなオバさんにたぶらかされてみたいだろうなあ。

DVD 闇の狩人DVD 闇の狩人
コメント (0) |  トラックバック (0) |