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「素敵な日本人」 東野圭吾

2017-04-19 | 本と雑誌


光文社 278ページ 1300円+税
東野圭吾さん 68冊目。9編の短編集。

2011年から2015年にかけて光文社の「宝石 ザ ミステリー」「SF宝石」「小説 野生時代」に掲載された短編 9作品。
東野圭吾の技巧、発想そして腕力を再認識した本です。機知に富み、臨場感あり。登場人物の動きが速く、これについて行くのが精一杯というような感覚。そして一編終えると、心地よい疲労感、嬉しい「またやられてしまった」という敗北感、暖かな余韻に浸る時間がやってきます。

SF宝石で発表された「レンタルベイビー」「サファイアの奇跡」は掲載誌どおりのSFもの。東野圭吾の最近の長編で使われる最新の科学を題材としつつ、これによる人間、心を描いた作品。「レンタルベイビー」は2015年作品「人魚の眠る家」の表裏、もしくは姉妹関係のような短編です。これは好きですね。最後のどんでん返して 断崖絶壁から突き落とされてしまいました。この落下感がたまらない。

「十年目のバレンタインデー」「今夜は一人で雛祭り」「クリスマスミステリ」この3編は怖い女性が登場します。東野圭吾さんが描く女性は本当に怖い。「今夜は一人で雛祭り」は女性の強靱さに恐れおののきました。

秀作ぞろいの短編集。お奨めです。

素敵な日本人 東野圭吾短編集
クリエーター情報なし
光文社
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