キネオラマの月が昇る~偏屈王日記~

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少女が夢みた美しくも悲しい王国 「パンズ・ラビリンス」

2010年03月27日 | 映画
ネタバレあり。ご注意下さい!

さすがサルバドール・ダリやレメディオス・バロを生み出したスペインの映画。
独特の感性を持った美しくも禍々しい美術が、とにかく素晴らしいです。
この映画からいちばん想起する画家は、実はダリやバロじゃなく、むしろヒエロニムス・ボスだったりしますが。
(ボスはネーデルランド出身)

内戦下のスペイン。
夢みがちな少女オフェリアの母親の再婚相手は、レジスタンス狩りの責任者である、残忍で冷酷な大尉。
その大尉が、出産は父親のもとで行われるべきという得手勝手な理屈で、身重の妻を山の中の基地に呼び寄せます。
オフェリアの頼みの綱の母親は妊娠中で、しかも体が弱っている。
二重にも三重にも逃げ場のない状況下で、彼女が夢の世界へ逃避するのもむべなるかな、と。

けれど、その夢の世界というのが決して明るく綺麗なだけの世界じゃない。
むしろ陰鬱で恐ろしい。
大体、夢の王国への道案内の牧神パンからして邪悪な風貌なんですね。
こいつを簡単に信じたら絶対駄目だろうってくらいの(笑)。

でもオフェリアには夢の王国しかないんです。
だからこそ、三つの大きな試練にも捨て身の覚悟で挑むことができる。
おぞましい物、禍々しい物の中から美しい物を必死で掴み取ろうとするオフェリアのその真摯さが痛ましい。

映像を見せたいだけの映画はとかくストーリーのほうはおざなりになってしまったりしますが(例「ザ・セル」等)、この映画は物語にきちんと一本筋が通っていて、感心すると同時に好感が持てました。
個人的にはやはりこの映画は一種のハッピー・エンドであると思います。
夢の王国自体が孤独な少女の夢みた「イマジナリー・フレンド」であったとしても。

《オマケ》
それにしてもオフェリア、あの見るからにヤバイ状況下でブドウ食うか、っていう(笑)。
まあ、こういったストーリにおいての「お約束」だからしょうがないか。
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