おはようヘミングウェイ

インターネット時代の暗夜行路。一灯の前に道はない。足音の後に道ができる。

わが友マハラジャ

2013-08-27 | Weblog
1度使った下着は2度と使わない。ティッシュと同じである。

命も空気もお金も、すべてもらいもの。これが信条だ。

1日が25時間。1年で365時間もの手持ちの時を過ごしている。

ビール、ウイスキー、ワインよりもラッシーを上位に位置づけている。

人脈はつくらない。一族と親戚がいればこと足りる。

印度発祥のもので好きなものはヨガ、そうでもないのが仏教。他者の崇拝より自分を崇拝する。

印度人でもスキーをすることを伝えたい。

印度人もゴルフが上手なことを示したい。

数学に強いのは当たり前と思っている。

先進国人がやるように猫を飼ってみたいと思う。

日本のカレーは絶対にカレーではないと断言できる。

クルタパジャマが世界で1番くつろげる衣服だと信じている。

トルコ石でできたガネーシャ像は家族の一員である。

ガネーシャ像と言ったのは、ガネーシャと象を掛けた洒落である。

印度産のワインをつくるのが夢である。

番犬の代わりを象にときどきしてもらう。

コブラを剥製にしたネクタイを持っている。 

カジュラホのミトゥナ像にあるようなことはほぼ体験済みである。

ガンジス川のほとりで朝陽を眺めながらミネラルウオーターを呑むのが好きである。

ベンツS600より印度象の方が乗リ心地と視界がいいと感じている。

タージマハルで霊廟内に入る時はもろびとと同じく靴を脱ぐ。

パリのレストランでブラックペッパーが欲しいと英語でウエイトレスに言っても通じない。英語嫌いのフランス人めと半ば感心している。

印度美人の特徴は官能と哲学を兼ね備えた風貌をしていることだと自慢したい。

金持ちぶる必要がない。使っても使っても、金が減らない人生だ。

ジョークで日本人を笑わせたい。「この話ここらでもう印度」。受けたかな?









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別次元もしくは、あなたの知らないもう1つの世界

2013-08-22 | Weblog
いきつけの床屋が定休日でもないのに閉まっていた。表のドアに張り紙がある。17日から都合によりしばらく休みます。車は置かれたままになっている。しばらくが日1日と長くなっていく。


いつも車で通る道路沿いにある酒屋が解体作業中だった。数日後、建物は跡形もなく消え失せて更地となっていた。かつてビールや日本酒を買い求めたことがあった酒屋だった。


左足の踵に痛みが走る。炎症を起こしている。ウオーキングのし過ぎではないはずだが、急傾斜で長い坂道を足早に上がっていく鍛錬を2日ほど続けたのが影響したのか。氷で冷やすと翌日に痛みが軽減し、その後に熱を取る湿布薬を張ると3日目にはほぼ全快した。


病院の敷地内に車を止めた。診察を終えて1時間後に戻ると、後部バンパーの一部にこすり傷が付いていた。他の車がこすっていったらしい。犯人不明のあて逃げ事件の被害者となる。


台所の戸棚に置いていた砂糖壺の中に蟻が10数匹入り込んでうごめいていた。砂糖壺を目指して蟻の行進が続いていた。


トレイルランニングに夢中の友人が本州の山中で鍛練中、草むらから熊の唸り声を聞いた。ツキノワグマだろうか。武術の経験がある知人は対抗して大声の気合を発し威嚇して遁走した。1つ間違えば、新聞の社会面に犠牲者として登場したかもしれなかった。


水代わり、お茶代わりに赤ワインを毎日呑んでいるが、夢の中に1度としてワインが出てくることがない。まだまだ呑み方が足りないようだ。


映画イージーライダーのDVDをパソコンで再鑑賞した。あるセリフが印象に残る。「神はいないんだ。だから人は神を創ったんだよ」


フレデリック・ルヴィロワの「ベストセラーの世界史」を読む。ベストセラーとなるのは奇跡であり、なぜそんなに売れるのかはよく分からないというのが結論だった。法学者の著者が真面目に論考して行き着いたのが、ふざけているような結果だ。後付けの説明はできても、こうすれば売れるというパラダイムがありそうで、実はない世界のようだ。


車に搭載したナビは車内と車外の温度をデジタル表示してくれる。車内は空調が効いて25度、車外は38度で体温を超えている。「ゴキブリが熱中症で死んでましたよ」といった流言飛語を耳にした。


藤圭子が消えた夏。「圭子の夢は夜ひらく」は62歳で幕を閉じた。


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イチジクを食べて智恵に目覚める

2013-08-15 | Weblog
朝のラジオからフランス語が流れている。男がモンタージュについて語っている。ひと息つくと、日本語で解説が入る。語り手はフランソワ・トリフォーだった。当人は故人となっても声だけは生き続け、極東の日本の朝に電波に乗って他人たるわたしの耳の中に入って来る。「撮影したら映画の編集に入るのだが、編集する期間を長くすればいいというものじゃない」


確かに映画は編集の才によって傑作か駄作かの烙印を押される。1936年のベルリンオリンピックを素材にレニ・リーフェンシュタールがドキュメンタリー風映画に仕立て上げた作品がある。第1部は民族の祭典、第2部は美の祭典。前者は陸上競技を主に扱い、後者はヨット、ポロ、馬術、自転車、水泳、飛び込みなどの映像が使われている。ヒトラー政権下のオリンピックでヒトラーが開会宣言をする場面や、ゲッペルスやゲーリングらナチス幹部の姿や当時のドイツ国旗であるハーケンクロイツの旗が高々と掲揚される場面が織り込まれるなど、ナチスのプロパガンダ映画として評判は芳しくない。


ナチス色や西欧偏重色を削ぎ落して各競技場面を観ると、今日のスポーツ中継をテレビで観ているような感覚になる。スローモーションやズームアップなどカメラワークの妙もあるが、編集の巧みさによって競技が勝敗を争うアスリートたちの物語となって観る者の関心を引き付け、高揚させるような仕上げとなっている。日本をはじめ各国の応援団や観客の表情も差し挟まれて臨場感を増している。スポーツ中継や放送の基本が既に出来上がっており、それが今でも踏襲されていることに関心するばかりである。アスリートたちの隆々とした筋骨や伸びやかな四肢、流麗なフォームを観るにつけ、オリンピックが本質的に人間の可能性賛歌と平和の賜物であり、国威発揚は2の次、3の次であることをしみじみと感じさせてくれる。


それにしてもトリフォーの声で目覚めるなんて、なんとも粋な1日の始まりだ。8月15日、終戦、お盆、墓参り、白菊、精霊流し。さまざまな思いが、枕に乗った頭の中から溢れてくる。さてと、きょうをどんな風に編集していくか。まずは洗顔、続いて家の窓を開けて空気の入れ替え、それから、という風にすべき事柄が声を上げて主張しだす。おい、待て、待て。順番に1つずつ対応していくから。あせがらないでくれよ。こっちは体は1つしかないんだから。目玉と耳は2つで、鼻と口は1つなんだよ。


人間というのは面白いもんだ。目が覚めれば何かをしているか、何かをしたくなる。新聞を読んだり、ご飯を食べたり、誰かに電話したり、郵便局や銀行に行ったり、お金を使ったり、お釣りをもらったり、ネットサーフィンをしたりと、好き嫌いや関心のあるなしにかかわらず1日を編集していく。あるいは編集したことになっている。編集の才ってやつは映画人だけのものじゃないな。われわれの人生にも求められるようだ。手始めにイチヂクでも食べて頭の感性を起動させよう。この柔らかな果肉のとろける感触は夏の暑さをひと時忘れさせるような官能がある。イヴにも勧めようっと。
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Summer Dialogue

2013-08-07 | Weblog
ソムリエとの会話

このグラスワインの赤、ボルドーですよね。

そうでございます。

深く濃密な色調を持ち、芳醇で骨組みのしっかりした味わいだよね。

えー……。

シャトー・ダルマイヤックの、えーと、2008年あたりかな?

こちらは別のものでございます。

なるほど(ソムリエは「いいえ」と言って客に恥をかかせない)。

シャルム・ド・キルヴァンでございます。

えーと、それは……。

シャトー・キルヴァンのセカンドラベルでございます。

何年ものなんだろう?

2007年でございます。

こんなにおいしいのは、もしかしたらヴィンテージだったのかな?

お客さまがヴィンテージと思われるほどに、おいしい味わいでございます。

なるほど(頓珍漢なお客にも絶対に恥をかかせない立派なソムリエであった)。



歯科医師との会話

きょうは奥歯の詰め物を削っていきますね。

よろしくお願いします。

削っていって神経に触れる場合がありますので、そのときには合図をしてください。

合図? 口を開けて治療中にはしゃべれないので、どんな合図にしようかな。

そうですねえ。

じゃ、指ぱっちんで合図します(ここで左手の指でパチーンと高らかに鳴らす)。

すごい音ですね!

でも、神経に触れて痛くて指に力が入らないかもしれないなあ。

そうですねえ。

指ぱっちんはやめて、左手を挙げることにします。それではお願いします。

キィーン、インインイーン(歯科医院ならではのスクリュー音が口内に響く)。

はい、口を閉じてくださーい。はーい、口を開けてください(1作業毎にこの言葉を繰り返す)。

はが、はが、はが(口を開けっぱなしというのは結構疲れるし、作業の角度によっては息が苦しくなる)。

むず、むず、むず(神経にいつ触れられるかと懸念しつつ、左手は痛みが走ると同時に挙げる態勢を強いられている)。


キィーン、キュイキュインキュイーン(回転数が上がり詰め物を掘り下げていくのが分かる。いつ神経に触れるのか。心中でカウントダウンしていく)。

はが、はが、はが(痛みはないが、咳をしたくなってきた。苦しい)。

キキイーン、キキ、キキ、キキーン(いよいよ歯の神経に触れるに違いない)。

ははが、ははが、ははが(咳が出るのをこらえるのが臨界点に達しそうだ!)。

サクッ(左手が素早く上がり)、ゴホッ、しーん(咳が出るとと同時に詰め物を取り除く作業が終わった)。

終わりました。口をお水でゆすいでくださいね。

グィーン(診療用の電動椅子が起き上っていく。歯科医院で最もホッとする瞬間である)。



眼鏡屋との会話

ローデンストックの眼鏡を持っている友人が自慢するんですよ。フレームとレンズで10万以上した本物のドイツ製だって。

そうですか。フレームにメイド・イン・ジャーマニィとあればドイツ製でしょうね。

友人にはライセンス生産の日本製じゃないのって言ったんですがねえ。

お客さん、ローデンストックは今じゃ、日本でも作っていますよ。

ライセンス生産でしょう?

いいえ、ローデンストックジャパンの生産ですよ。日本の眼鏡生産技術は世界トップクラスですよ。

本家本元が日本で現地生産ですか?

そうですよ。トヨタがアメリカで現地生産するのと同じですよ。

今はそうなっているんだあ。

だから中国製のローデンストックもあるんですよ。

え、えー!

ほら、こちらが日本製のローデンストック、あちらが中国製のローデンストックですよ。値段は日本製が少しばかり高いですけどもね。

うーん、なんとなく有難味を感じないなあ。ブラジル製のベンツを買うようなもんだ。

有難味と言ってもねえ、今じゃレイバンのサングラスも中国製ですよ。

え、えー! わたしの青春時代はアメリカ製のレイバンを掛けるのが格好よかったんだが。

時代は変わりましたよ。

ところで、オークリーのサングラスあります?

うちじゃ扱ってないねえ。この辺りじゃオークリー掛ける人なんかいないよ。

そうですかあ。オークリーを掛けて自動田植え機を操縦するなんて粋だけどなあ。

そんなこと考えるのはお客さんぐらいなもんだ。
















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