続続続 みんなが待ってた春が来た

春を感じるなら、春風になるのが１番。さあ、桜を求めてさすらいのひと時へ。

すーい、すーい、すいたら、らったー、すらすら、すい、すい、すーい。
水面を颯爽と流れるように吹いていく。
両岸に咲き誇る桜並木が目に入ってくる。



上昇気流に乗って、一気に山頂へ。
山林の向こうに緑地と街並みが広がっている。
桜はどこかだって？
右上に梢が見えるかな？



山頂より高く舞い上がろう。
盆地があり、道路があり、家々がある。
人々の暮らしが浮き上がってくる。
桜はどこだ？
中央の赤い屋根の家の左側に咲き誇っている。



噴水のように
花火のように
砕け散る波のように
花吹雪が凍りついたように
変幻自在の姿となった満開の枝垂れ桜




枝垂れ桜の全景、それは生きた美術品だ。
私有地にあり、家人が拝観無料の粋な計らいをしている。
樹齢数百年。歳月を重ねても色気と元気さを失わない。
凛とした佇まいは、人もかくありたいと思わせる。
花見客らはみな無言で眺め、カメラのシャッターを押している。
花開いた姿に敬意の念さえ湧いてくる。
今春も桜の開花を見ることができた。
幸せが桜色に染まっていく。

宵過ぎて桜尽くしで開く夢　　　思惟友