マスコミの大方の予想を覆して、アメリカの大統領選挙はトランプ氏が勝利しました。政治経験も軍務経験もない人物の大統領は初めてです。つまり、ただの一企業家が大統領にまで上り詰めたのは、そういう時代が来たんだなという気もします。
彼が、何故あれだけの放言にもかかわらず大統領にまで上り詰めたのかについては色々な理由があると思う。まずは相手だったヒラリー・クリントン氏が、夫の財団絡みでその地位を利用して不正を行ったという疑惑があまりにも酷かった事。それと、あまりにも頭が良くて華麗なる経歴に加えてあのルックスで、どうしても親しみを持てないというか嫌悪感を感じた人も多かったのではないだろうか。
そして、マスコミのクリントン贔屓も目に余ったという判官びいきでトランプという面もあったかもしれません。世論調査で不利を喧伝されていた終盤に、トランプ氏がマスコミへの不満を訴えましたがそれも当たり前な気もしました。いくらなんでも、10年以上前の楽屋の盗聴音源で人間性否定報道はやりすぎだ。ならば、クリントン財団の黒い噂についてももっと報じるべきだったのに。アメリカでは旗色を鮮明にしての報道が普通なのである意味フェアではあるのですが。そういうメディアの総叩きを乗り越えた当選は、既存メディアの限界も露呈させたのでは。
しかし、トランプ氏が当選できた一番の理由は、やはりある程度の本音を話したことから生まれた、彼が今までの利権やしがらみに囚われない政治がやれるんではないかという期待にあったと思う。特に移民問題では、建前的には移民は受け入れるという方向が正しいのだろうけど、本音ではこれ以上低賃金で働く人が増えて職を奪われたり英語も話せない人が増えたりするのを好ましく思わない人がいて普通だし、世界全体の経済の安定も大事だろうけどアメリカ自身の経済が一番大切だを考えるのも普通だと思う。中東への介入も馬鹿げてるとトランプはずっと言っているが同感だ。
トランプ政権になって、世界が大混乱になるという報道が溢れるはずです。しかし、私はそこまで悲観ばかりはしていません。議会は彼のストッパーになるだろうし、彼も馬鹿だけであれだけの企業家になれた訳でもないだろう。日米同盟についても、自国の防衛は自分で考えろという彼の発言は当たり前といえば当たり前の事。必要な基地には必要な経費を支払って、過剰な基地は撤退してもらえばいいのであって、そういう面も含めて自分で守るという事を真剣に考える時期がやっと来たというだけの話なのだ。
TPPについても、全体GDPの65％を占めるアメリカが離脱したら成立はしませんが、残った国でそのまま別協定として成立させるとか中国を入れてアジアで自由貿易圏を作るなり、日本が能動的に動くチャンスではないでしょうか。っていうか、そもそも日本のマスコミ左派はTPP反対ってところが多かったんじゃなかったっけ。
まあトランプ政権は報じられているほど悪い事ばかりじゃないと思うようにしよう。 金には厳しいだろうから日本には大変だとは思うけど、逆に金で解決できると思えばいい。4年は彼が大統領なのは確定したのだから。
