前日は韓国ドラマ「ミセン」について書いたのですが、このドラマは日本でリメイクされています。そのドラマも配信で見てみました。割と忠実にリメイクされていて、エピソードも出来る範囲ではそのままや少しだけ変えて追われています。それを見ると、日韓のドラマの違いが何となく見えてきた気がしました。
まず思うのが放送時間の違い。韓国版は1時間半×20回で初回と最終回は30分ずつ延長。日本版は1時間×9回で延長が30分が1回というもの。総放送時間で言えば約1/3でしかない。日本版を見ていてあっさりしてるというかスカスカな感じを受けるのもある意味仕方がないだろう。
この差は極端ですが、韓国ドラマは大体が短いものでも16話ぐらいあって、日本では10話から長くて12話がせいぜいだ。やっぱり放送回数が短いとどうしてもじっくりとした脚本とかは難しいだろう。そうなるとドラマの質や内容がどうしても浅いものが多くなるのでは。
次に思ったのが、配役の分かりやすさです。前日にも書いたのですが、ミセンは特にそうだったのですが、演技力もあったのですが顔というか見た目と役のキャラが本当にどんぴしゃりでした。韓国版の主役も日本と同じく男性アイドルがやっていたのですが、役との同一化が本当に凄かった。髪型で彼の成長を示してもいたのですが、髪を分けていないときは頼りなさや弱さも感じさせながら、初回と最終回に登場した髪を分けた彼は正に韓流アイドルのイケメン全開でそこまでの弱さは消えていました。
逆に日本版では、ずっとそこそこ以上にかっこよくて弱さをあまり感じません。スーパーウーマンの同期も日本版ではどうみても仕事が抜群に出来るようには見えませんでした。
そして、もう1人の主役であるオ課長役は日本版では遠藤憲一さんが演じていました。確かに韓国版の見始めの頃には日本版なら遠藤さんかなとも思いましたが、見ているとやはり遠藤さんでは貫禄ありすぎるというか少々歳が上過ぎる気がしました。エネルギッシュさも違う気もしますね。課長というよりは、部長や重役です。
日本でも昔の時代劇では、パッと見て正義か悪かが分かりやすかった配役だったはずなのですが、それが今の日本のドラマではそういうのが古臭いとされているのでしょうか。日本でもヒットしているドラマでは、割と分かりやすい配役だと思うのですけどね。
最後にセットの豪華さというか金の掛け方が日韓では違うなという気もしました。放送回数が長い方がセットに金を掛けられるのは当たり前だし、最初から中国やアジア諸国など世界に売るというドラマには金が掛けられるのも当たり前。このドラマの日本リメイク版なんかたった9回で終わりですからね。
あとはストーリー的にも、韓国ドラマの方が割と過激な展開やとんでもない差別的な人物なんかも登場させられる。あくまでドラマだし、そういう人物は結果的に災いを受けるということで出してもいいのだろう。
また音楽にも韓国ドラマは力を入れていると思う。曲とドラマの展開のシンクロ具合がなかなか半端ない。日本のドラマは主題歌こそタイアップも多いけど、曲中歌があまりないような気がします。韓国ドラマは何曲も曲中歌がありますからね。その辺も海外展開や放送回数の多さから力を入れられるのかもしれません。
いずれにしても、1クール(3か月)にこだわった短いスパンでドラマを作りつつける限り、日本のドラマがそのクオリティで韓国ドラマに対抗していくのもなかなか難しいのではないでしょうか。また、海外輸出も念頭に置いたドラマ作りも必要な気もします。なかなか大変だな。