平和のつくりかた

「戦争のつくりかた」という絵本を読み(今の平和を守るためには、何かをしなければ!)とこのブログを始めることにした。 

生活の中で日々フェアな消費をするには!

2019年03月16日 13時28分21秒 | 平和のつくりかた(フェアトレード)
   さて、これまでチョコレートを中心にフェアトレードについて書きましたが、友人から、「チョコレートのことは少し分かってはきたけれど、他のものはどこで買えばいいの?」と聞かれました。
 
   確かに、フェアな買い物をしてみようという気持ちが実際の「買う」行為に結びつくことが大事なのに、その話をしないと片手落ちですね。

   チョコレートについては、イオンやセブンイレブンでも手に入る。普通の店でも「Beans to Bars」という生産者の立場に立った明治のthe chocoate シリーズについて書きましたが、今回は私の購入している生活クラブについて書きましょう。

   まずは、生活クラブで買ったバナナの袋の中に、下のような紙が入っていました。
バランゴンバナナという商品なのですが、これはATJ(オルター・トレード・ジャパン)が扱っているフェアトレード商品です。



   小さくたたんで入っていたので、ちょっと読みづらいかもしれませんが、左側には生産者の方の声として
   
   「先祖から受け継いできた土地。私なりに農業セミナーなどの研修にも参加しました。でも、高度な技術は実践が難しく、自分の地には適していないように感じた。その後、有機農業に出会い、これこそ持続的なものと思いました。化学的な肥料や農薬を使えば、一時的に生産量が増え、収入もよくなる。でも、それは一時的なもの。結果的に自分たちが損をする」

   と書いてありました。生活クラブのバナナは、このようなフェアトレードに基づいたバナナを扱っています。

   生活クラブのフェアトレードの取り組みには、「生活クラブは生産者と連携して、食べものの国内自給力を高めることをめざしています。しかしコーヒーやスパイス類など、国内では生産の困難な食品は輸入しています。海外産品であっても、消費材としての基準は国内品と同様です。組合員が生産地に赴き、生産状況を確認することを含め、トレーサビリティーを追求した食品を取り組んでいます。また、逆に海外から生産者を迎えて、組合員と生産者の交流を図っています。さらに、現地の環境破壊を引き起こしたり、食べものを奪うような輸入ではなく、海を越えて顔を見える関係を築き、生産者と私たちお互いが豊かになる提携をめざしています」と書いてありました。

   つまり、バナナやコーヒーなど国外産でないと入手できないものは、上のバランゴンバナナがそうであるようにフェアトレードで。国内産があるものは国内自給力を高めるために国内産を使うと言っています。

   国内産もでも生産者の顔が見えるように間に媒介者を入れずに生産者の立場も考え、安全な商品を消費者に渡すという意味では、広義のフェアトレードの範疇です。大事なのは、消費者と生産者が遠く離れすぎたことで起きる問題を距離をグッと縮めることで解消し、消費者と生産者が手をつなぎ合ってお互いに安心・安全な生活ができるような関係を持つこと。

   こうした視点に立って商品を扱っている生活クラブの商品は、ひとつひとつにこだわりがあるようです。例えば、餃子では長野のにらやキャベツを使った美勢商事の話、豆類の生産の北海道の農家の話にあるように、生産者を知った上で、取引をしているのがよく分かります。生活クラブのでんきも同じ考えに立って再生可能エネルギーを使って供給しています。私は、偶然私市醸造の工場見学をする機会があり、素晴らしい工場だと思ったら、生活クラブで自分が使っているお酢だったということがありました。丁寧に生活クラブが生産者を厳選していることが、確認できました。

   生協も、基本的に消費者にも安全、生産者にも安全な商品を考えていると思います。(参照:「コープはフェアトレードに取り組みます」)  

   大地の会とか、同じようなコンセプトで消費者と生産者にたった宅配サービス、是非検討してみてください。フェアな消費を進める中で、日本の内外に係わらず生産者と消費者がお互いに尊重し合って日々を暮らすことが平和につながる!

   自分の家の周囲の農家の小さい店、道の駅などでの地域の物品販売だってもちろんOKですよね。大切なフェアトレードの基本が身についてくれば、自分がどのような消費をすればよいのか、分かってくるのではないでしょうか?

   食卓も豊かで美味しい食事になり、楽しくなりますよ。
   

緊急)バレンタインには、フェアトレードチョコを贈ろう

2019年02月08日 10時10分48秒 | 平和のつくりかた(フェアトレード)
    さて、2月4日の記事から連続してフェアトレードチョコレートを巡る記事を書いてきましたが、今日は第3弾の最終報告です。
    どこで、フェアトレードチョコレートを買えるか、調査結果です。

    1番手軽なのは、何と言ってもコンビニ!
    そして、売っていたのは、私の家のそばでは、セブンイレブン!
    ローソン、ミニストップはダメでした。

    セブンイレブンは、キュービックチョコというのを売ってます。
    残念ながら、この1種類のみですが、値段は159円。
    フェアトレードマークもついていて、手ごろで安心です。

    

    ただ、セブンイレブンでもコンビニによっては、在庫がない時もあるようです。その時は、是非「注文」しましょう。
    このページの写真をみせればバッチリ! 

    ローソンは、ナチュラルローソンでないとフェアトレードの扱いはありません。そして、ナチュラルローソンの店舗は少ない。
    ミニストップも、前回の記事でコーヒーは少なくともあるような書き方をしてしまいましたが、高速の休憩所にある、しかも一部の店舗だけのようです。初めの時の業界初のプレスリリースはインパクトありましたが、それ以降は特に何もしていない?何だか、これでは持続可能な生産を目指して生産者を支えるフェアトレードらしくないですね。がっかりしました。

    あなたの家のそばのコンビニはどうでしょう?コメントに、ご報告いただけるとうれしいです。
 
    ただ、諦めるのは実は早いです!フェアトレード商品は、認証マークがなくてもあるのです!これまで話したのはマークのある商品のこと。普通に売っている明治と森永の商品に注目してみました。

    森永は、最初の記事に書いたように、今の時期「1チョコ for 1スマイル」というキャンペーンをしていて、対象商品1個につき、1円をカカオ生産国の生活援助に充てています。いつものおなじみのチョコですが、それでフェアトレードについて考えるチャンスを作っています。
    因みに、セブンイレブンのフェアトレードのキュービックチョコは、森永が作っています。

    

    バレンタインには是非、対象商品を買って「1チョコ for 1スマイル」とは何かを話しながら、フェアトレードを広める力になりましょう。

    そして、明治についても、最初の記事を書いた時には分からなかったのですが、追伸で書いたように、フェアトレードの考えに沿ったチョコレートが発売されていました。シンプルなパッケージが印象的な meiji the chocolate シリーズです。

    

    ”Beans to Bar” (カカオの)豆から、チョコへに明治が直接かかわって作ったフェアトレードのチョコです。値段は、ちょっと高めですが、面白さや工夫も詰まったチョコです。
 
    

    だから、コンビニで「フェアトレードチョコレートは取り扱っていません」と店員さんに言われても、がっかりすることはありません。上記の製品を買えば、生産者とも幸せを共有できる力にあなたも私もなれます。

    スーパーでは、イオンの話は書きましたが、イオンは早くから上記以外の独自のフェアトレード商品を扱っています。成城石井では、外国のフェアトレードのチョコレートが多種類揃えられて並んでいました。

    あなたの家のそばのスーパーはいかがですか?でも、明治や森永のチョコはどこのスーパーでも入手可能ですね。
    こう見て考えると、案外簡単にフェアトレードチョコは手に入ることが分かりました。

    もちろん、調べればまだまだフェアトレードの精神に根差したチョコレートが販売されているはずです。ゴディバだって、以前世界の批判を浴びたので、ココにCSR(coperate social responsibility=企業の社会的責任)活動に頑張っていると表明しています。

    さて、最後にここまできて、尚も(ゴディバも変革され、大手チョコレートメーカーも改革された?と言い切れない)疑問が、実は私に残っていることを告白しなければなりません。というのは、こんなサイトも見つけたからです。「チョコレート産業のダークサイド

    チョコレートに限らず、企業が社会的責任を果たすとして公表しているCSR活動が、本当に実施されているのか、公表をそのまま信じていいかの問題です。そこには、必ず消費者の監視の目が必要だし、生産者の訴えも必要だし、その企業で働く人たち自身が常に良心に従って仕事をしていることが大事です。正式な公文書の改ざん、統計資料が手順通りでなく不正操作されていたことが次々と明るみに出ている日本。
    小規模生産者と手を組んで、大きな消費に対処することは、上記の文章を読んでも本当に実現されているかを疑う要因もあるのです。

    ただ、これだけは確実です。
    正しく、常にフェア(公正)に生きていく姿勢。それが、何よりも大事!
 
    フェアトレードを通じて、自分たちの利益の追及から、もっと皆で幸せになろうとする人間の精神を広めていくこと。
 そこが、まさにバレンタインにあたって、多くの人に考えてもらいたいところ。伝えたい大事なメッセージなのだと。

    なぜなら、すべての人が幸せになる社会、それが本当に平和な社会だからです。

       

 
    

緊急)コンビニでフェアトレードを味わう!

2019年02月05日 10時06分50秒 | 平和のつくりかた(フェアトレード)

   バレンタインに合わせて、昨日フェアトレードのチョコレートについて記事を書きました。

   それに合わせて、コンビニのフェアトレード商品取り扱い情報についても調べて(追伸)として掲載しましたが、他にも追伸項目がでたことから、今日、急きょコンビニについての情報は、ここに別記事で独立させました。ご覧ください。
   この記事についても、どんどん追加の記事を書けるといいなぁ~と思いながらアップしていきます。
   
   ・セブンイレブン でも、フェアトレードのカカオを使ったチョコレートが買えるようです。しかも、組織の中にフェアトレード部会というのをちゃんと作っているみたいです(ココから)。
    
      

追記) セブンイレブンで、このフェアトレードのキュービックチョコレートを店に常において販売しているところは少ないようです。ただし、8個まとめてなら注文することができ、注文すると意外と簡単に取り寄せられます。リピートして買えば、そのうち店に常においてくれるようになるかも?それは、あなた次第です。

   ・ミニストップ 2008年から、老舗のピープルツリーのフェアトレード商品を全店展開の話がココにみつかりました。
     でも、実際に今売っているのかは不明。そのかわり、コーヒーの宣伝には、フェアトレードのコーヒーがラインアップしていました。

       

     追記)*実際にミニストップに行き、ネットを再度調べて、在庫が終わって数か月でチョコの販売は終了。フェアトレードコーヒーも高速の一部の休憩所での販売に限定されているようでした。残念。

   
   ・ローソン ミニストップと同じく、フェアトレードの老舗ピープルツリーの商品を取り扱っている話がココにありましたが、ただのろーそんではなくて、「ナチュラルローソン」とありました。我が家のそばにはみつからず、まだみたことない!ちょっとどこかへ行った時に偵察してきます。

      追伸)店の数が限られていて、いまだに偵察にいけていません。普通のローソンで売ってくれればいいのに・・・

          

      さあ、コンビニで簡単に買えるのはいいですね。これは、知らなかった!
      ちょっと気楽にあちこちコンビニによって探してみましょう!!!

    
      また、調査結果をお届けしますね。
       ・セブンイレブンについては、常には売ってない店が多いようです。ただ、注文すれば簡単に入手できました。
       ・ミニストップについては、フェアトレード製品の扱いについて、上に色を変えて追記を入れました。


      
 
  

緊急)バレンタインは、フェアトレードで!!!!

2019年02月04日 20時00分16秒 | 平和のつくりかた(フェアトレード)
   バレンタインの日が近づいていますが、私は今年ちょっといつもと違った視点で、チョコレートを選びます!
   そして、是非、今このページを開いてくださった方にも、できたら一緒に考えて頂きたいと思います。

   それは、チョコレートが、途上国の児童労働によって収穫されたカカオによって作られていたという現実です。
   彼らは、学校にも行かずに生活のために収穫をし、そのカカオの豆が美味しいチョコレートになることも知らず、ましてチョコレートを食べるような余裕のない生活を日々送っているのです。なぜ?それは、消費者と直接取引できないために、中間に仲買人や、輸出入業者や、商社などなどが入って、100円のチョコのたった3円分しか生産者に回してもらえないからだそうです。

   そんな取引を、フェアトレードでは間に介在する組織が、NGOや、生協、企業も社会貢献活動として、むやみな利益を追求せず、カカオの生産農家の人や働く人が生活できる収入を確保できるように、適正(フェアな)価格で長期にわたって安定的に買うのです。これによって、子供が労働から解放されて、教育を受けることもできます。
   詳細については、ココを参照してください。

   この中に、「森永製菓は2006年7月に、明治製菓は同年9月に(零細なカカオ農家を助けるための)世界カカオ基金へ加盟しました。2007年現在、カカオ産業における児童労働について森永製菓では、すでに組織内での認識を高めているとのことです」と書いてありますが、特に、森永製菓では、下記のようなキャンペーン中のようです。しかも、今年で10年目。

      

   実は、フェアトレード協会のHPのココにフェアトレードのチョコの認証をしている企業名が挙がっていました。

   

   ここを見たら、確かに森永は入っていましたが、明治は見つかりませんでした、グリコも、不二家も・・・
   そして、イオントップバリュが入っていました。実はイオンがフェアトレードを後押ししている話は知っていました。ネットでみると、今はこのチョコレートを掲載していました。
   
    

   でも、これ以外にも実は先日イオンに寄った時に、「フェアトレードチョコレートって売ってますか?」とお店の人に聞いて、これ以外の袋に入ったミルクチョコレートがたくさん入った別のチョコもあり買いました。美味しかったですよ。他に何があるか、探してみてください。

   そして、あとこのリストで近くで寄れそうな成城石井もチェックしてみました。すると、こちらも

    

   ありました!

    という訳で、今年はこのいずれかのチョコを大人買いして、たくさんの人に配ってみたいなぁと思いました。
    
    因みに、ゴディバを含む7つのチョコレートの大会社について、「子どもの奴隷を使っているチョコレートブランド7社」という題で、ココの英語記事を訳したとありましたが、日本語訳がでていました。ネスレー、ハーシーなどの名前が入っていましたが、このサイトについて初めてみるので、その真偽はわかりません。

    でも、すてきな愛の気持ちを伝えるバレンタイン。ここは、本当に人間として、児童労働などに反対を表明している企業のものを支援しようと私は思いました。

    *ただし、フェアトレード製品であっても、ここに挙げた商品についた国際認証のフェアトレードマークがついていないものあるそうです。
     というのも、組織は大きくなると問題も起こってくるようで、認証基準が零細農家やNGOには厳しすぎたり、認証代が高すぎるなどで、ラベルをつけてないからと言ってフェアトレードの価値がないわけでなく、逆にそういうフェアトレード商品こそ支えるために買いたいと思わせるものもあるようです。
     それでは、NGOを通して買えばどうだろうと、このリストの最後の、フェアトレードの老舗であるオックスファムの日本組織のHPを覗いたところ、2018年10月1日付で経営悪化で解散のお知らせがココに載っていました。どうして、もっと早く気付いて、もっと皆が応援できなかったのか、とても残念に思いました。

     通販サイトでも、フェアトレード商品で検索すると、Peopleとか、老舗のフェアトレードの商品がみつかりましたよ!
     
 
    正直、聞いてはいたことがあっても、私は非常にこれまで不勉強で熱意に欠けていました。
    反省して、、今年はひとりでも多くの人にフェアトレードについて知ってもらい、支える活動をしてみたいと思っています?
    あなたも、あなたのやり方で、フェアトレードを応援してみませんか?

    たとえば、イオンのフェアトレードがひとりの主婦の「フェアトレード商品を扱ってくれませんか?」の声で始まったように、あなたのそばのスーパーでフェアトレード製品がおいてなければ、ちょっとお店に声をかけてみませんか?

    一人の力は小さくても、その力が誰かを動かせたら、水面に落ちた一滴の水のように波紋を広げていけるかもしれません。


(追伸) 今朝テレビをみていたら、偶然にも昨日このブログを書きながら、明治のフェアトレードの取り組みは分からないと書いていた答えが分かりました!キーワードは「宇都宮洋之 カカオサポート」でした。詳細は明治のさいとのココから見て頂くといいと思いますが、明治のthe chocolate シリーズが宇都宮さんを中心に現地の生産者と手をつないで作り出しているチョコレートのようです。これも、まさにフェアトレードの生産者に配慮したチョコのようです。

     

    企業が、利益だけでなく社会の人々への思いやりやサポートをして社会的責任を果たすこと、とても大事ですね。

    当然ながら、人の生命にかかわる危険な兵器や原発を広めるような会社にも、この視点をしっかり取り戻してほしいと思います。

  
*最初、この追伸にコンビニのフェアトレードチョコレートなどの扱いについて書いていたのですが、あまりに長くなったので、それは別記事に掲載しなおしました。そちらも是非参考にご覧ください。



  


「フェアトレードの時代」(長尾弥生:著)から学ぶ

2019年01月20日 16時29分17秒 | 平和のつくりかた(フェアトレード)
   フェアトレードについて、実例がたくさん載っている「フェアトレードの時代」という本を読んでみた。
   フェアトレードについて、少し見えてきた。そこで、ここに文字化して皆さんと共有してみたい。

  * 「フェアトレードの時代」を読み進め、その中の内容を紹介しながら、そこに私の感じたことも入れて書いていくので、本とは少し違う表現も入ってしまうことをご了承ください。

  ・ 「安い」ってなんだかうれしい。でも、「こんなに安くて大丈夫?」と思うことはないだろうか?

    「安い」と思った商品の表示に中国、インド、バングラデッシュ、ベトナム・・・などの発展途上国の名前が入っている。途上国では、日本に比べてずっと安い賃金で働いている人がいるから、たくさんのものを安く作れるのだ。

     安いことは悪いことではない。でも、それが厳しい労働条件のもとで働いた人が作った商品だったら・・・「安くてラッキー!」と考えていいのだろうか。

     資本主義のビジネスでは、企業の目的は利益を生むことだ。儲けを大きくするには、安い原料で安く作れるのが1番。世界中にネットワークが広がった今、世界のあちこちで物が作られ、貿易も盛んだ。昔と違って機械や農薬の進歩で大量の食品が作られ、保存技術の向上で長く商品を保存でき遠くまで運べるようになった。
  
     豊かで便利になったように見えて、でもその豊かさが1部の人にとってはむしろ生活を苦しくするものだったらどうだろう。そこに生まれたのが、「フェアトレード」だ。
 
     フェア(公正)な貿易で、同じ地球に住む、生産者も幸せになれる貿易のやり方。実は、消費者のためにも、生産者が安全で良質なものを手に入れる有効な手段にもなりうる貿易がフェアトレードだ。生産者が健康を害するような薬品や農薬を使わないのは、消費者にもいいことなのだ。
    
     
   ・ フェアに取引するには、どうしたらいいの?

      生産コストや将来への投資分を考えられる価格を支払う。市場の情報や資金へのアクセスを可能にし、長期的な生産計画が立てられるように、生産者に長期取引を保障する。途上国の特に弱い立場の人や、小さな生産者たち、貿易拠点から離れている人たちに注目していく。

      今は、消費する側が強い影響をもっているけれど、フェアトレードで生産側が消費する側に向かって行動を起こせる流れを作る。フェアトレードは、消費者である私たちが買う時にモノの背後にある人や社会を考えようというところからスタートしている。

まとめてみると・・・
  ・ 顔の見える貿易 
      
      個人対個人の取引は難しいので、実際の取引は、生産者たちで構成される生産者組合や、団体をまとめるNGO法人との取引が多いが、メリットを享受したら、生産者が暮らす地域全体がよくなるようにと考えるのがフェアトレード。生産者の暮らす地域が向上して、それが生産者たちの手で維持されていくように目標が立てられる。地域で病院や学校、技術研修もできるように。
      大事なのは、顔が見える。生産者の様子を消費者が知ることができること。
       *生産者と消費者の間に、NGO法人や、団体や、フェアトレードショップは当然ながら入るが、情報を共有できる距離感が近いこと。

  ・ 環境にも配慮

      「持続可能」を目標にしているので、短期で大量生産とかで環境を破壊することのないように、土壌や健康に配慮し、農薬や肥料についても過度に使わない。

  ・ 認証の問題
  
      フェアトレード商品の普及のために、国際基準を作ってFLOの認証があれば「フェアトレード・ラベル」を貼れるようにした。
      ただ、ラベルを管理するためのコストや体制の問題もあり、経済的に苦しい生産者にはコスト面や書類作成がむずかしいといった声もでている。スーパーでの大量なフェアトレード商品の流通とかが、小さな専門店などの営業を危うくする・・・でも、フェアトレードの普及を進めるメリットもある。

      大きな企業では、2002年スターバックスが日本で初めてフェアトレードコーヒーを販売。2003年にイオンが続いた。  *イオンのフェアトレードについては、このブログのココで紹介したように、一人のお客さんの声から始まったという話が印象に残る。

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  さて、ここからは具体例です。

  ・一橋大学 ラポンテの2003年から始まった「まちづくり」というオリジナル実践型授業から生まれた、学生が始めたチョコレートのフェアトレード。
   国立市制40周年の記念チョコとしてフェアトレードのチョコを作った(2007年)

  ・NGO シャプラニール 1974年からフェアトレードに取り組む バングラデッシュで女性対象の手工芸品の生産活動を支援のため、フェアトレードを始めた。ネパールにも取り組みを広げて、「手工芸を通じて、作り手と買い手がつながり、笑顔になれる」の思いを込めて「クラフトリンク」と呼ぶ活動で、今はインターネット楽天市場でも販売。

  ・第3世界ショップ 生産者の顔が見えない既存貿易に対して、対案(オルタナティブ)として、フェアトレードを推進した。コーヒーから、カレーペーストの「カレーのツボ」販売など。日本のカレールーの文化を自国に逆に持ち帰り工場を作ったマリオさんから買う。

  ・オルター・トレード・ジャパン フィリピンのネグロス島の砂糖、バラゴンバナナを扱う民衆交易機関として、生協や、生活クラブの出資を受けたりしつつ設立。生産者と消費者が顔を合わせる貿易。

  ・ ピープルツリー
 フェアトレードだから買うというだけでなく、「かわいいから買ったらフェアトレードだった」とフェアトレードの認知を広めていく。自由が丘や表参道に店を持ち、有名デザイナーのデザインの服を、現地に行って指導をしながら作っている。生産者の技術向上や働く環境支援もしている。

  ・ ネパリパザーロ ネパールに学校を作って支援しようとしたが、学校に通えない子の現実を知り、親の就労を考えてフェアトレードを始める。教育を受けたことのない生産者に教えるのは大変だが、長い時間をかけ手工芸品や日本伝統の紙布服の生産まで取り組んでいる。小規模生産にこだわって、顔と顔が見える関係を続ける。
    「ひとりひとりが世界を意識する。そのわが広がれば、世界を変える力にもなるはず。同じ地球に暮らす者同士、これからは助け合っていく時代だと、感じている」(代表、土屋春代さん)

  ・ぐらするーつ 最初は、手織りや手刺繍など手工芸品を直接取引してスタートしたが、「売りたいけれど仕入れられない」との声に、卸しをする中で、他のフェアトレード団体のを中継ぎしたりし、やがて様々なフェアトレード団体からまとめて仕入れて全国のショップに卸すようになった。大きなスーパーのフェアトレード販売については、認知を広げてもらう意義を評価。小さなフェアトレードショップは、それとは違う、地域の活性化にもつながる「フェアトレードの魅力は顔が見える生産者のストーリーが聞ける」専門店としての魅力を広げていけば十分生き残っていけると考える。300店と関係をもっている。

   スイマセン。これ、最後まで追っていくとこの倍以上の量になりそうなので、ここらで止めにします。後は、本で読んでみてください。

   でも、最後にスローウォーターカフェの方が、自分たちの活動のたとえに使っているハチドリの話だけはお伝えしたいと思います。

   アマゾンに伝わる神話で、アマゾンの森が燃えた時、強い動物は我先にと逃げたのに、小さいハチドリだけはそこに残って、くちばしに1滴ずつ水を含んでは、飛んで燃えている森に水をかけた、というのです。
 それを見て、「そんなことをして、森の火が消えると思っているのか?」と笑うモノに、小さなハチドリは「私は、私に出来ることをしているの」と答えたというのです。 さあ、私たち1人1人には何ができるのでしょう。


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   読み進んで、フェアトレードについて、分かったこと、大切にされていることを最後に書き留めておきます。

   売り手の生活も、自分の生活のように大切と思える感性を大切にし、互いに持続可能な生活ができるように配慮できること。高いけれど、寄付のような気持ちで消費者が買うのでなく、良質で、消費者に愛されるもの、胸を張って売れるものを生産者も作ること。

   本来は、すべての商品が作り手の心がこもったモノであったはず。でも、今は生産者と消費者の間の距離や、流通ルートが長く離れていて、自分がほしいと思った商品が、地球環境を破壊したり、他人を犠牲にしてできたものであっても自分の目には見えない。

   市場にはいろいろな品物が溢れている。その中で、私たちは商品を選択できる。生産者も幸せに生きられる。効率を重視した貿易とは違う「もう一つ」の貿易のカタチを示して、消費者の選択肢を広げたフェアトレード。この貿易が力を得てきたら、世界は変わるかもしれない。

   確実に、その道は世界の人々がお互いの命や生活を尊重し、仲良く平和に暮らせる世の中へと続く道だろう。

   フェアトレード、少しずつ分かってきましたね。
   ちょっと高めだけれど、私自身は生活クラブで食品を買っています。地産地消も含めて、作り手の話を聞きながら会員の代表が消費者と生産者の双方の立場を大切にしながら選んだり開発してきた商品が売られています。
    
   買い物の選択肢の中に、今日からでもフェアトレード製品を入れてみませんか?何事も、まずは小さな一歩から!
    

コーヒーを通してみた「フェアトレード」(清田和之)

2019年01月11日 22時40分53秒 | 平和のつくりかた(フェアトレード)
   フェアトレードについても書きたいと思いながら、なかなか機会がなく、ずっとフェアトレードのカテゴリーの記事が1つだったのが気にかかっていた。ちょっと、ここで、気合を入れて、少しフェアトレードについても記事を増やしていきたいと思う。

   まずは、フェアトレードを始めた実体験に基づいた清田和之さんの「コーヒーを通して見た『フェアトレード』」からえられた情報を共有したい。
 
   1946年生まれの清田さんは、幼稚園の運営の傍ら有機無農薬専門のコーヒー販売店を経営。コーヒーの農園や生産者の視察として、ブラジルに友人も住んでいたのでガイドを頼んで訪れた。1997年のことだ。市場価格と、現地のコーヒーの価格のあまりの格差に驚き、コーヒーの生産者たちの貧しさに問題を感じた。それが清田さんのフェアトレードにつながるスタートとなったようだ。

   5年後の2002年に再びブラジルを訪ねるが、この年コーヒーは世界的にコーヒー豆の値段が大暴落、7分の1にもなったと言われ、生産者の苦境を目の当たりにすることになる。

   ミナスジェライス州南部のポッソフンドという有機農法で小規模でコーヒー生産しているところを見学。自分では彼らの暴落に見舞われた苦境を助ける術がないが、彼ら自身から「フェアトレードをしてもらえないか」と希望されたことから、逆にそれまでの貿易が公平といえない実態であることに気付かされ、「フェアトレード」というワードを覚えて帰国した。

   そして、2004年に再び同地を訪れると、驚いたことにその村の生活は非常に改善されていた。
   前回の訪問後2002年2003年とドイツのフェアトレード団体が良い値段で豆を買ってくれ、さらに先の生産買取の約束もしてくれた話を村人から聞く。村人たちの生産意欲は向上しており、人々の笑顔があった。教育にお金を回そうとか、未来をも見つめる力のある明るい顔がそこにあった。そして、実はこのフェアトレードの実現には、そこより大きい中規模コーヒー農園主の有機栽培法の指導や助けがあったことを知った。
    
   訪ねたその中規模農園では、15歳以下の子供の労働を禁止、労働者の子どもにも教育の配慮をしていることも知る。そして、その農園主から、「フェアトレードは、小さな農園にこそ必要と応援している」と聞かされ、自分の利益だけでなく、困っている隣人を助けようとする姿勢に大いに学んだ。ブラジルにこのような篤農家が他にもいるかは不明だが、この篤農家の言葉が心に残り

   フェアトレードは単に適正な取引で小規模な生産者を支援するだけでなく児童労働の禁止や男女の性別による待遇差別も禁じる。
   フェアトレードの根本は「働く人の権利を守ること」なのだと学んだという。

   ブラジルから帰った2002年に「日本フェアトレード員会」を熊本市で立ち上げ、経営するコーヒー店でフェアトレード商品の販売を始めた著者は、やがて紅茶の生産国とばかり思っていたスリランカ(昔のセイロン)に昔コーヒー貿易が盛んだった話を耳にする。
   そして、どうにかまだそのコーヒーが残っていないかと、スリランカを訪ね歩くことになる。

   コーヒーには、アラビカ種、ロブスタ種、リベルカ種と3種ある。ロブスタ種はインスタントコーヒー用で、訪ね歩いた最初はこのロブスタ種のコーヒー栽培ばかり。その内に、飲料コーヒー用のアラビカ種は高地で栽培されるものだと気づいて、行くのには不便で大変だが高地を訪ねるようになる。

   アラビカ種のコーヒーを栽培している村をやがて見つけるが、そこは高地で交通の便も悪い場所。小規模で貧しい農民が多く、お金もないので肥料も農薬も使わず、腐葉土による有機栽培でコーヒーを作っていた。
   有機栽培の品を求めていた清田さんにとっては、もってこいの豆と思えた。そのパプカンダの農民と、コーヒーを買い取る約束をした。だが、作ってもらったコーヒーは彼の思ったようなものではなく、がっかり。農民の生産意欲は低く、青い実ではなく実が赤くなってから収穫してと頼んだのに、赤いのはサルが持って行ってしまったとかで「欠点豆」ばかり。製品としては使えないコーヒーだった。

   他の村も訪ねてみたが、ある村で村人を集めて
   ・ブラジルから輸入したきれいな生豆
   ・焙煎した豆
   ・一杯ずつカップで入れられるドリップパックのコーヒー

   を用意して、集会をする。
   市場で要求される品質を、生豆をみせて村人に知ってもらおうとしたのだ。
   だが、カップで飲む最高級のオーガニックコーヒーに農民たちは集まった。美味しいコーヒーを味わったことが、彼らにはなかったようだ。

   本格的に腰を据えてやるには資金が枯渇してきて、JICAの協力をお願いして、開発援助活動費をもらえることになり、技術協力も得られるようになった。そこで、2007年に、ラヴァナゴダ村というところで、164世帯580人の小農民集落でプロジェクトをスタートさせた。

   2007年から2010年に1000万円の資金を得られることになり、豆を乾燥させる機会を入れ、豆の選別などもできる小屋(工場)も作ることができた。

   コーヒー業界は寡占で4社くらいが世界を市場の4割を握り、相場を動かしていた。コーヒーの豆を買うのには、会社が巨大であるために、農園で働いている人間が1日1ドルにも満たない収入であることを考えることもないのだろう。(大会社は直接生産者に触れ、「生産者の生活」について考えるという、そういう思考回路はない。利益と消費者しか見えないでコストを考える。)

   あるレポートでは、生産者価格1.54ドルが、小売りでは26.40ドル。焙煎、加工、流通の経費は掛かるだろうが、儲けが多すぎて、コーヒーがおいしい飲み物だと、生産者は飲み方すら知らずに労働してコーヒーを作っている現実がある。

  フェアトレードの認証があれば、フェアトレードかという問題について。
  日本でフェアトレードの紅茶として販売されているスリランカのスタッセン紅茶は、巨大な農園で、スリランカ最大手。貧困国の中でも貧困でもっとも困っている中小の農園を支援するはずのフェアトレード。たくさんある中の1つとしてそうしたフェアトレード品を売り買いするだけでフェアトレードと言えるのか。生産地の実情を目で見て、話を聞いて現地と実際にトレードして日本に流通する直接の「顔と顔」で互いが理解しあって交流することが本当のフェアトレードと清田さんは、考える。

  「顔が見え、心と心が通い合う。そんな交流があれば、世界にあるいろんな問題も解決していく。『ほんとうのフェアトレード』の実践は、そんな希望を秘めている

   JICAの援助は2010年に終わってしまった。まだまだ買い支えて豆を買っても、日本で売れて収益を上げるレベルに達していなかったスリランカのコーヒー。もう軌道にのったと思われたのか、援助が打ち切られてしまったことで、もう、止める潮時かと思う時もあったそうだ。

   だが、コーヒーには裏と表があること。「消費国での顔」と「生産国での顔」と。その裏の顔を知ってしまった自分には「たかがコーヒー、されどコーヒー」。生産者から、強く「フェアトレード」が求められているということ、山岳部での貧困の現実を知ってしまったことから、清田さんは頑張り続けることになる。

   どれだけ儲けたかではなく、どれだけ役にたったか。それこそが、私たちの得たいもの。だから、フェアトレードの実践を諦めるわけにはいかない。

*上記の記述は、本の文をそのままコピーするのではない書き方になっているが、大切な要の記述は変更していない。

   
   さて、この本を読んで私は、去年の11月に書いた「平和のつくりかた」まとめ1とこの清田さんが進めた「フェアトレード」の道が、一致していることに心を強くした。

   やはり、平和を作るのは「自分以外の他者の苦しみや痛みを分かる」人なのだろう。同じ人間として、心と心で交流しあい、互いの役に立ち会う関係を築ける人間。そうした人たちの間には、話し合いや議論はあっても、「争い」は起こらない。
   
   また、消費するだけのコーヒーでなく、それを作るコーヒーの裏の現実を知ってしまった清田さんが、(他の人が苦しんでいる事実を知った以上、そこから手を引けない)と努力して流した汗には、「人として生きる」喜びのお返しもたくさんあったからこそ、清田さんはここまで続けてこれたのだろうと推察する。儲けるためだけに仕事をしているだけでは、絶対に得られない喜びだっただろう。

   清田さんは、あとがきで「障碍者施設の商品を紹介する情報誌を年4回作っている女性。好きでないとやれない、儲からない、そんな骨の折れる活動をしているある女性との出会いが、この本の出版につながり、編集作業も手伝ってもらった。不思議な縁だった」と言っている。
   たぶん、このような心をもって、人に役に立ちたいと歩き始めた道の途中には、同じ思いで歩く人々が楽しく交差していく人生に導かれるのだなぁ~と思えた。

   清田さんは、自分でブラジルやスリランカに行き、気付いた。そして、1歩ずつ道を切り開きながら歩いた。
   さあ、今度は「他国の人も幸せに生きる権利があり、他者の権利を尊重できる生活をすることで、私たち自身も平和で幸せな生活が送れるのだ」というフェアトレードの精神を受け取って、私たちが、私たちなりに自分のできる1歩を踏み出して歩いていこう。
   素敵な生き方だなと共感できたら、それで終わりにするのでなく。自分は何ができるのか、そこで一歩を踏み出すことこそが、平和な生活を人が送るために大切なことなのだ。
   黙って、生産者の見えないコーヒーを飲むのか、自分の生活の足元をちゃんと見て生きる努力をするのか。
   清田さんのメッセージをしっかり、一緒に受け止めてほしい。

  (他国に銃口を向ける高額兵器を買うことが自国の安全に大切)と思うか、(生産者に正当な代金を払って、安全で美味しい食品を作ってもらい、互いに幸せに暮らすことこそが大切)と考えるか。どちらが人間として正しい選択なのか。どちらが、恐ろしく無駄で危険なことなのか。
   まっすぐな心で考えれば、答えは考える時間もいらないほど簡単なはずだ。

   もし、「そんなに簡単ではない」とあなたが考えたなら、あなたの目を曇らせるものが何なのか、しっかりその正体を見つめ考えてほしい。
      

イオンのフェアトレードは、ひとりの客の声から

2017年05月24日 09時04分17秒 | 平和のつくりかた(フェアトレード)
 
  「フェアトレードは、途上国などの立場の弱い生産者に、寄付ではなく、商品を適正な価格で継続して買い取ることで、生産者が自立できるように支援する貿易の仕組みです」イオンのフェアトレードについてのこの説明はホームページのココからとりました。

  イオンと「フェアトレード」、正直に言ってイオンは商品が一般的には他の店より安く設定されており、お弁当の安さなどが話題になったりもしたので、真反対の立場にいると思っていました。もちろん、すべての商品にこの考え方が貫かれているかというと、これはわかりません。

  でも、フェアトレードについて、平和のつくりかたについて考えて調べていくうちに、イオンもフェアトレードを進める部署をもって、積極的に活動をしていることを知りました。たとえば、千葉で今週フェアトレードのフェスタがあります。

    
  ここでも、イオントップバリュが協賛に名を連ねています。この8年目をむかえる「フェアトレードフェスタちば」、そもそも最初の1回目の会場を提供したのも、印西市にあるイオンモール千葉ニュータウンのようです。その後もいろいろな形で、このフェスタの力になって支えてきているようです。

  今回も、チラシに書いてあるようにフェアトレードチョコをイオンが来場者にプレゼントするとありますね。

  さて、イオンの宣伝を目的にこの取り組みをフェアトレードの1番目の記事に私が取り上げたかというと、それは違います。
  さきほどのホームページにも書いてありましたが、大事なのは、このイオンの取り組みが、ひとりのお客の声からはじまったということです。

  
  <2002年にお客さまから「日常生活を国際貢献と結びつけるパイプ役になって欲しい」との要望をいただいたのが始まりです。お客さまを主役に、イオンだからこそできる国際貢献の形として取組んだものが「フェアトレード」です>

  と書いてありますが、たったひとりの人の声掛けで、このように大きなフェアトレードへの支えが可能になったということ。

  自分ひとりの力なんて・・・と思うこと多いですが、そのひとりでも動き出すことの大切さ。
  これについては、2年前に結局安保法制は強行採決で通ってしまいましたが、Sealdsの運動、様々な人々が自分の力を信じて立ち上がり、運動が大きく広がった時にも多くの人が認識したところです。

  私の尊敬する女性・市川房江さんが、その細い体で成し遂げた大きな活動、尊敬する男性・イチローの成し遂げた数々の偉業。かれらが人々に与えた影響を、考えてみましょう。凄いです!!! 私も日々ちからをもらっています。

  ここで、澤地久枝さんの言葉をちょっと長いですが、引用させてもらいます。

「自分1人では何もできないと思っている人は多いのですが、実は1人1人は大きな力を持っています。選挙の結果がどうだろうと、1人1人が持つそうした力は消えていません。たとえば偏向報道と1部から批判されたキャスターが降板されたら、なぜおろすのかとテレビ局にはがきや電話で問い合わせればいいのです。新聞の記事に対してもこれはいい、これはおかしいと思うことを投書することができます。少しの手間でできることですが、制作する側には大きな励みになるし、経営側にも影響します。行動はデモをするだけではないのです。誰も何も言わなければ、このまま時代が逆戻りしてしまうかもしれません。
   1人1人が持つ力をどう使うかが今、とても重要です。絶望せず、沈黙せず、行動していくことがなによりも必要だと思っています」  
( 生活と自治」2016年12月号より抜粋)
 
  ひとりの力は小さいけれど、その小さい力が、楔のように打ち込まれて大きな力になること。それを信じて動く大切さをこのイオンのフェアトレードにも感じられました。

  フェアトレードについては、私は入門書として「フェアトレードってなんだろう?」(こどもくらぶ:著)「こどもくらぶ」とあるように児童書ではありますが、大人にも非常に満足できる情報がつまった、フェアトレードの本質を伝えている本です。
  渡辺龍也という監修をしている大学の先生が、日本のフェアトレードの中心に頑張っている方のようです。

  「買い物」という日々の生活の中で、それを作っている人のことを考えることができる人が増えたら、きっと平和な世界が訪れる。
  先進国と途上国が、フェアな貿易によってお互いに豊かに生活できる道をみつけて歩んでいけば、人を殺戮することを目的とした兵器に無駄なお金を使う必要はまったくありません。

  今朝読んだ新聞に、13歳の中学生が「戦争がなぜ起こるかわからない」という投書をしていました。
  「小学生が、話し合いが進まないから殴り合いで勝った方の意見を採用しよう、なんてことがあるだろうか。国と国の関係は小学生の例とは規模が違うが、根は同じだろう。話し合いを放棄し、大量殺人を開始するのは非人道的だ」(1部抜粋)

  「人を傷つけないように、人の命を大切にしよう」と教える大人たちが、軍備を進めたり、いろいろな口実で戦争に加担する愚かな行為をしている。大人は子供たちに、自分たちの行為を正しい行為と説明できるでしょうか。

  一人一人が、しっかり行動していくことの大切さ、しっかり胸に刻みながら、今日も1日を過ごそうと思います。

*余談:これも宣伝ではないので、参考にしていただくのでよいのですが、私は娘から薦められて、「生活クラブ」というところで食品を買うようになりました。正直、お肉とか値段が高くて驚きましたが、この宅配のコンセプトが「正当な対価」だと感じます。良い商品を作る生産者には、正当な対価を払い、外国とのフェアトレードとは違うけれど、ここにもフェアトレードの精神が貫かれています。実は、フェアトレードの本の監修をしている渡辺先生もその考えを広めているようで、フェアトレードを海外との貿易と狭くとらえる考えは今変化しているようです。

  実は、それは最初に書いた「フェアトレードフェスタちば」にも貫かれていて、海外のフェアトレード商品だけでなく、地産地消製品として、この5月28日のフェスタでも、千葉の県産品のお店も並ぶようです。千葉にお住いの方、ぜひ立ち寄ってみましょう。

 5月はフェアトレード月間だと聞いています。きっと千葉でなくても、あなたの家のそばでもいろいろなイベントをしているところが調べるとあるはずですよ~。

 最後にさらに余談(笑):さきほど引用した澤地久枝さんの文章を見つけた「生活と自治」はこの生活クラブの会員のための機関紙で、生活クラブにいたから出会えた言葉でした。生産者の様子もこの機関紙を通して知ることができ、いい情報源となっています。