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御朱印蒐集~京都 東寺(教王護国寺)五重塔初層内部 拝観~

2017-03-10 07:48:28 | 御朱印蒐集・仏像・磐座・巨樹・古墳・滝・登山
 東寺では昨年も参拝して御朱印を頂いたのですが、今回は五重塔の初層内部が特別拝観出来るということで再度参拝に訪れました。
以前に湖東三山の一つの西明寺の三重塔の内部拝観した時に非常に深い感銘を受けたことがあったのですが、東寺の五重塔の初層内部も大変素晴らしいものでした。

五重塔は826年に空海により建立に着手しましたが、費用・人手の不足から朝廷に勧進を願い出るなど奔走した結果、空海の入定後に完成したとされています。
その後、落雷などにより4回焼失してしまいましたが、その都度多くの僧が奔走して再建を果たしてきたようです。
現在の塔は1644年に徳川家光によって再建されたもので国宝に指定されています。



五重塔は高さが55mとそびえ立つ様な高塔で、京都駅の反対側に建つ京都タワーとあわせて京都のランドマークタワーとなっています。
これは京都の景観ガイドラインによって高さ規制をされていることが大きいと思いますが、平安時代と昭和が共存している不思議な景色でもあります。
余談ですが、京都タワーは1964年の東京オリンピックの年に竣工した建物ですので“京都に行った時には既に建っていた”という方も多いかもしれませんね。



東寺の周囲を取り囲む壁には5本筋壁が見え、南大門の外からも五重塔の姿を拝めます。
元来、塔には釈迦の仏舎利を納め、遠くからでも仏を拝むことが出来るという目的がありますから、平安時代の昔から京の人々の心の拠り所になってきたと言えるのかもしれません。
五重塔はその高さゆえ、近くまでくると遥か見上げることになりますが、初層内部にはこの裏側から入ることになります。



入る前にガイドの方から説明を受けて内部でもまた詳しく説明してくださるのですが、初層の内部には東西南北の位置に4尊の如来像・八尊の菩薩像が心柱を囲むように並んでいます。
東に阿しゅく如来(弥勒・金剛蔵の両菩薩)、南に宝生如来(除蓋障・虚空蔵の両菩薩)、西に阿弥陀如来(文殊・観音の両菩薩)、北に不空成就如来(普賢・地蔵の両菩薩)で、心柱を真言密教の中心仏である大日如来に見立てています。

五重塔の構造は心柱によって地震がきても倒れない耐震設計が施されているとされ、心柱の立つ心礎の部分を見ることも出来ます。しかし塔の大黒柱は大日如来というセンスは凄いですね。
初層内部に極彩色に描かれた絵は既に色あせた部分もありますが、充分にその姿をとどめていて見ごたえがあり、想像していたより広い空間になっていました。
また、壁に描かれた真言八祖像には中国における空海の師である恵果の姿を見ることができるあたりは興味津々です。


(看板より)


(パンフレット)

塔の初層の屋根で塔を支えているのは4鬼の邪鬼でした。
鳩よけのネットが邪魔ではありましたが、その姿を確認することが出来ました。4鬼それぞれの支え方や表情が違いますね。









五重塔から金堂への道では金剛茶の振る舞いがあって楽しみにしていますが、今回は“本日最後の一杯です”ということもあって金剛茶を購入して帰りました。
“茶”と名前が付いていますが、お茶の葉ではなく焼き梅の梅茶で金箔まで入っていますので高級感があります。



この後、金堂・講堂・御影堂(工事中のため仮設のお堂)と参拝しましたが、何度見ても金堂・講堂には凄すぎるくらい凄い仏像が並んでいます。
国宝・重文の仏像が並ぶ姿に圧倒されてしまう感が強いのですが、昨年初めて見た時よりは冷静に見ることができたと思います。
しかしこれだけのものが残っているというのは奇跡のような話ですね。

ところで東寺にはいろいろな鬼瓦があるので瓦見してみました。
金堂の屋根には、鬼の顔の瓦の他に龍の鬼瓦があり、堂の守護をしているようです。



夜叉神堂の屋根には魔除けの鬼瓦がのせられています。
桃は鬼や悪霊が怖れるとされていて、イザナギノミコトの神話にも登場したり、童話の桃太郎にも主題となっていたりしますから「桃=魔除け」の信仰は古代からあったようですね。



夜叉神堂に祀られている“夜叉神像”は空海の作とされていて、かつては南大門に祀られていたそうですが、現在は夜叉神堂に安置されています。
雄夜叉(文殊菩薩)・雌夜叉(虚空像菩薩)は別々の祠に祀られていましたが、南大門に祀られていた時は阿吽の仁王像のような祀られ方だったのでしょうか。

 

屋根の軒丸瓦は新旧あるようでしたけど、夜叉神と彫られている軒丸瓦の方が古いもののように見えました。
菊の花(花びら16枚)のような鬼瓦もありましたが、これは皇室との関係があるのかもしれません。







御朱印蒐集だけを目的にすると、一度参拝した神社・仏閣には行かないかもしれませんが、何度か同じ寺院(神社)に参拝することで以前とは違った感想を持つことがあります。
その時の自分の感情的なことや取り巻く状況的なことからの影響もあって、受け取り方が変わるのでしょう。
特に仏像を前にした時に感じる想いは、毎回違うように思えてなりません。



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