僕はびわ湖のカイツブリ

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“男のためのガーデニング”改め

NO-MAミュージアム展覧会『HELLO 開眼』~カネ吉別邸~

2017-05-23 19:55:55 | アート・ライブ・読書
 NO-MAミュージアムから歩いて10分足らずの日牟禮八幡宮の大鳥居の近くに『HELLO 開眼』の第2会場であるカネ吉別邸がありました。
第1会場のNO-MAミュージアムとこのカネ吉別邸ではそれぞれ各5人のアーティストの作品が展示されていて、両会場とも突き上げてくるような心の衝動を刺戟する展覧会となっていました。 



カネ吉邸宅へ入ってすぐの吹き抜けの土間には不統一な多種多様な像が展示されていて、まず目に入ってくる光景に驚くこととなりました。
Tの字の形に像が並べられているのですが、正面には板彫りの悟りを開いた釈迦の像があり、Tの字の交差する一番奥の部分には修行中の釈迦の苦行像があるという興味深い展示になっています。


宮崎甲子男「喫茶ブルボン」

福島県の喫茶店「喫茶ブルボン」のマスターの宮崎甲子男さんが、造られた作品を自身の喫茶店や店ガレージ一杯に展示されているということで、地元ならず有名なお店なんだそうです。
ネットで検索するとお店の様子が分かりますが、奇妙で珍奇で異様な感じのする喫茶店でした。


宮崎甲子男「喫茶ブルボン」

室内へ上がると各部屋に作品が展示されていて、祭礼や民俗などを撮影されているカメラマンの辻村耕司さんの部屋がありました。
主に滋賀県の自然を撮影されているカメラマンのようで、美しい写真が何枚か展示されていました。
祭礼・民俗の写真ではありませんが、彦根・宗安寺に祀られている石田三成の念持仏とされる千体仏の写真があり関心をひきます。宗安寺は井伊家の菩提寺でありながらも石田三成由来の仏像が数点祀られている寺院です。


辻村耕司 宗安寺 石田三成「千体仏」

第2会場となっているカネ吉別邸にも蔵があって、蔵の中には木村賢史さんのお面が展示されていました。
蔵の入口から見ても一瞬でその異空間に対しての緊張感が走ります。


木村賢史(蔵の入口から内部を見た様子)

木村さんは30年以上かけて数多くの面を製作され、伊豆熱川温泉に製作した面を展示する「日本仮面歴史館 福福和神面 」という施設を開館されているそうです。
蔵の中へ入ってみると龍?を被った人面があり、左右後方の棚に面の展示がされています。


木村賢史(蔵の中の様子)

狂言面・能面を中心とした展示になっていましたが、気になったのはやはり「毘沙門天(多聞天)」「増長天」「金剛力士」の面です。
四天王に数えられる毘沙門天も増長天も非常に怖い顔をしており、阿形の金剛力士も力強い顔になっていました。お面で見る天というのは初めてのことで興味津々になります。


毘沙門天(多聞天)


増長天


金剛力士

宮崎県の高鍋市には岩岡保吉翁という方が開山し、自ら刻んだ石像が700体以上ある場所があるそうです。
同地には持田古墳群があるそうなのですが、盗掘に心を痛めて古墳の一角を購入。古代の人の霊を慰めるため半生をかけて石像を彫られたといいます。
さすがに巨大過ぎて展示は出来ず、写真での紹介となっていましたが、とてつもない規模の聖地になっているようです。



「HELLO 開眼」と名付けられた今回の展覧会もNO-MAミュージアムらしくとても刺戟を受けるものとなっていました。
これも毎回のお約束になっている図録ですが、会場で見る作品とは違ったイメージの写真が掲載されているので違った視野からも楽しめるものでした。



ボーダレス・アートミュージアムNO-MAへ行くと、近江八幡市の重要伝統的建造物群保存地区(文化庁)に指定された近江商人の商家が並ぶ一角の小さな美術館から強い光が放たれているといった思いがします。
次の企画展が楽しみになりますね。


カネ吉別邸



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