傍聴絵日記

@さいたま地裁傍聴席

妻が出てゆく理由とは(浦和区)

2016年09月15日 | 刑事事件
平成28年(わ)第466号

松元 隆久(69)

殺人未遂、銃砲刀剣類所持等取締法違反(裁判員裁判)

【これまで】

【被告人質問】
被告人の言葉は日本語なのですが通訳が欲しいかも、話の中に「あれ」、「それ」が多く話の意味が全く理解出来ませんから、度々気絶してしまいました。(寝落ちとも言います)
また、質問の途中に答え始める事が多く、「他人の話を聞けない」被告人の性格が伺えます。

被害者(元妻)は昭和62年に離婚届(偽造)を出していますが、被告人にはその後何度か「離婚状態」に気付く切っ掛けたる出来事がありましたが、「離婚状態」を看過したまま、本件発端の離婚無効の調停&裁判まで放置していた様です。
他方、被告人は息子達に再婚する事を匂わせたことがありましたから、「離婚届」が提出されている事を知らなかったとも断言出来ない様です。
30年間にわたり、家出した妻を放置しておいて、今更の離婚無効申立ては解せません。

被告人の言葉に「家族ってこんな物なんだな(失望した風)」「私を蔑ろにした」「(妻と3人の息子)4人がグル」と仲間外れにされた駄々っ子の様な疎外感をにじませた、愚痴っぽいセリフが並びます。
(家庭の修復は不可能と知りつつも)離婚無効の訴訟を取り下げる意向は無いと頑に述べる被告人は、(妻に対する)腹いせをしている様にも見えます。
妻の行為の違法性をはっきりさせたい、と離婚無効の訴訟を取り下げない理由を説明しますが、判事が「元妻の行為は違法で有る旨」説明しても尚、被告人は納得出来ない様子です。(判事は違法であるとは言いながら、民事法廷でどの様な判決が出るかは分からないとも言います)

被告人を棄てて出て行った元妻が再婚し幸せに暮らし、息子3人と連絡を密にしていることに対して「ひがんでいる」としか思えない被告人の言動が散見出来ます。
少なくとも、不正な手続きと知りつつも、文書偽造を決心せざるを得なかった元妻の気持ちを思いやれない様です。

同居していたころに被害者が飲みに出かけ、帰宅が遅くなったことを被告人がひどく叱責したことが有った様です。一日中家事で働き詰めの被害者の「たまの息抜き」くらい自由にさせてあげられない被告人の心の狭さを感じます。(きっと、こんな些細な事の積み重ねが元妻に家出を決意させた理由の様な気がします)

被害者が家出をする発端となったとされる、夫婦喧嘩を犬も食わないと例えてみたり、その夫婦喧嘩の最中にウイスキーのボトル(ガラス製で取っ手がついた大きなヤツ)で被害者を殴ったことについて、夫婦喧嘩でのことだから、謝罪する気持ちは持っていない、とドヤ顔です(と言っても、傍聴席からは後頭部しか見えません)。
先述のとおり元妻の離婚届は執拗に追求して、自身の暴行は謝る気持ちすらない(あ、自己中ね)。
昨日の記事ではざっくりとDVが原因?と書きましたが、以上の様に自分の価値観を押し付けることしか出来ない被告人が「妻に愛想を尽かされた」ところがより正確な様です。
現在では、息子3人もそれぞれ独立して被告人との交流は密でない様ですし、家族全員から愛想を尽かされた状態です。
ですから、被告人は「昭和型お父さん」(たとえば星一徹)が家庭内で孤立した哀れな末路に見えます。

【私感】
懲役に行く気満々の被告人は件の「離婚無効」を代理人に託して行くと述べていますが、被告人の意にそぐわない判決の可能性が高い気がします。






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