シネマ歌舞伎「喜撰/棒しばり」

2017-09-06 00:38:49 | 映画感想
シネマ歌舞伎「喜撰/棒しばり」


社会人になって初めて夏休みというものを申請。おかげで5回行けました(達成感)

もともとは三津五郎さんを偲んでということで2016年に上映されたものだけど、
歌舞伎座が納涼をやってる時期に、このお二人の踊りを観られるのはとても嬉しい。

踊りのことは全く詳しくないんですよ。
詳しくないんだけど、結局は三津五郎さんと勘三郎さんが好きだから二人の踊りも好き。
劇場で観てたときだって、ずっとそんな目線だった気がする。

「棒しばり」はとにかく楽しい!
太郎冠者も次郎冠者も大名も、中の人がみんな楽しそう(笑)
三津五郎さんと勘三郎さんの踊りの技術や表現力が素晴らしいのはもちろんだけど、
彌十郞さんも含めて幼馴染みだからこそ生まれる阿吽の呼吸が観る人を幸せにするんだと思う。
観てる間、顔がニマニマしちゃうんですよね・・・
大名が帰ってきて、いつの間にか3人でニコニコ踊っちゃうところの幸福感たるや。

松竹の社員さんが上映前に作品解説をしてくれるという企画にも参加してきたんですけど
これが結構面白くて。手作り感溢れるパワポ的なスライドが好感度高かった。←
それぞれの作品の初演の話や豆知識、役者さんのエピソードなどなど。

二人の「棒しばり」が面白いのは“技術が伯仲していて、なおかつ個性が異なる”から
という話には本当にそのとおりだよねーと。二人ともうまくて、それぞれの魅力がある。
愛嬌に溢れる次郎冠者と、確かさが光る太郎冠者。
初演を務めたのがご先祖様ということもあるけど、お二人もまるで当て書きみたい。

あと、これだけは言いたい。
「やんや やんや」が大好物です(笑) 萌えの極み。かわいいが過ぎる。

そして「喜撰」については、清元の歌詞の由来とか、お梶の着物のお話などなど。
時蔵さんのお梶の着物は家紋が入ったデザインなんだけど、三世時蔵丈の写真と並べると
着物も同じだし、それ以上にシルエットが本当にそっくりで、なんか、いいもの見たぞ感。

それから、三津五郎さんの葬儀で棺の中に納められた花錫杖のこと・・・
これは確か演劇界の追悼特集号に載ってて印象に残ってた。
歌舞伎座で「喜撰」を務めたとき、自分が死んだらこの花錫杖をお棺の中に入れてほしいと
お弟子さんに頼んだというエピソード。その頃はまさかその日がこんなに早く来るなんて
誰も思ってなかったんだろうなあ・・・もちろんご本人だって・・・
きっと天国でも喜撰を踊ってらっしゃると思う。

「喜撰」は華やかさが好きです。清元と長唄のダブル体制が豪華だし。
坊主を踊るときは上半身は男、下半身は女だそうで、確かに動きがとっても柔らかい。
でも、お梶の柔らかさともまた違うんだよね。不思議。

解説の方曰く、平安の歌人が江戸の町に現れること自体、ありえない設定なんだけど
そういうところも全部ひっくるめて楽しんで見てくださいとのこと。
現代の感覚だと平安も江戸も「昔」っていうひとくくりだけど、もともと演出的には
お坊さんがタイムスリップしてきたよ的な面白さもあったということなのね。

で、時蔵さんへのLOVEが止まりません。きーれーいーだーーーーー♪
足がね、足の指がね、女なの!これ結構な衝撃でした。
手とか目線とか口元とかは舞台でも見えるけど、足先までこんなに嫋やかだなんて!
シネマ歌舞伎だからこそ見えた部分よ。松竹、マジでありがとう。
(“たおやか”って漢字だと“嫋”って書くのか。初めて知った)

いいところで「ご両人!」の大向うまで掛かっちゃって。プロ観客。

所化たち、若手精鋭勢揃いの図。わらわら出てくるところ和むわー。
この浄念坊さんもいつかは「喜撰」を踊るのかな。まだ想像つかない。

三津五郎さんはほぼ踊りっぱなしなのに、むしろ余裕すら漂うのが本当にすごいなと。
体の見せ方から小道具の扱いまで舞台上のすべてを把握している感じっていうのかな、
喜撰の世界が劇場全体に広がって、観客がすーっとその場に誘い込まれるような感覚。
収録されたのは新しい歌舞伎座のこけら落とし公演。
こうして集大成的作品を残せたのはよかったですよね。
でも60代、70代の喜撰も観たかった。。。

このときのインタビューを改めて読むと、今でも胸がざわざわする・・・

松竹に掛け合って納涼歌舞伎をスタートさせたお二人。
その舞台を8月に見られる。粋ですね。

公式サイト


【配役】
「棒しばり」
次郎冠者:中村勘三郎
太郎冠者:坂東三津五郎
曽根松兵衛:坂東彌十郎

「喜撰」
喜撰法師:坂東三津五郎
祇園のお梶:中村時蔵
所化栃面坊:坂東秀調
同 阿面坊:坂東亀三郎
同 解面坊:坂東亀寿
同 戒面坊:尾上松也
同 雲念坊:中村梅枝
同 慈念坊:中村歌昇
同 観念坊:中村萬太郎
同 浄念坊:坂東巳之助
同 真念坊:中村壱太郎
同 無念坊:坂東新悟
同 楽念坊:尾上右近
同 東念坊:大谷廣太郎
同 西念坊:中村種之助
同 光念坊:中村米吉
同 寂念坊:大谷廣松
同 市念坊:中村児太郎
同 青龍坊:中村鷹之資
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