わたしは真悟 1/22

2017-02-09 02:25:02 | 舞台感想
ミュージカル「わたしは真悟」 1/22(日) at新国立劇場 中劇場


3 3 3のてっぺんから♪ リターン!

おもしろかった!

できることならおかわりしたかった。(ト、イイマス。)

舞台写真

いや、原作がね、私あまり得意な見た目ではなかったので未読のまま観たんですけど
普通にストプレでやったらたぶん相当に難解で荒唐無稽な印象なんだと思うんですよ。
それが、ドゥクフレさんのコンテンポラリーダンスを中心にした振付のおかげで、
逆に「あ、こういう世界なんだ」って、すっと飲み込めちゃう。

深く愛し合う小学生の悟と真鈴は、町工場の機械に自分たちの情報を打ち込んで遊ぶ。
親の仕事の関係で離れ離れになってしまう二人が、子どもをつくる方法を機械に尋ねて
出てきた答えが【333ノ テッペンカラ トビウツレ】。
で、東京タワーの頂上から飛ぶ二人。それが冒頭のシーン。

冒頭以外もほぼほぼ突飛な展開なのに、全編を通じて全く違和感がないことがすごい。

救助ヘリに飛び移って二人は助かる、という設定は舞台では全く描かれないんだけど
描かれなくてもいいというか、膨大な原作のほんの一部で構成されているらしいのに
理解できずに置いていかれることもなく、描写不足にイライラすることもなく。
真悟に埋め込まれたブラックボックス(重大機密?)の存在とか、ロビンの詳細とか
結構端折った部分も多いみたいだけど、3時間があっという間に感じるテンポの良さ。
原作の懐が深いのか、あるいは上演台本がうまいのか。あ、両方か。

父(悟)と母(真鈴)がてっぺんから飛び移ったのをきっかけに「機械」が目覚める。
単純作業しかできないはずの機械が、自我を知り、知識を持ち、自らの意志で行動する。
両親から名前をとって「真悟」と名乗る機械を演じるのが成河さん。
機械の本体はダンサーが黒子のように操り、真悟の心情は成河さんが語って、踊る。
ひとりシルク・ド・ソレイユ。成河さんの身体能力すごすぎ。
踊らされている感が全くない振付もおもしろかったなあ。
機械としての不自由と、制御を逃れて自由意志で動く躍動感が混在する不思議な動き。

悟が伝えようとした「今も愛している」の言葉を届けるために海を渡る真悟。
真鈴が返そうとした「今でもあなたを愛しています」を届けるために戻ってくる真悟。
でも、真鈴も悟もどんどん“おとな”に羽化していってしまう。
真悟の行動を知らないまま。

おとなになることを恐怖する真鈴を演じた高畑さんの“少女の透明感”。
無力で純粋で熱いものを持っている悟を演じた門脇さんの“少年の透明感”。
この二人じゃなかったらムリだったと思う。ランドセルも似合いすぎてて逆に心配(笑)

最後の力を振り絞って父(悟)のいる海岸へやってきた真悟が、アームで文字を刻む。
「アイ」まで書いて息絶えるんだけど、それを見た悟の「ん?───何のことだ?」が
あまりにシンプルな響きで、切ない。

小学生の男の子が、残酷なほど無邪気に、1ミリの嘘もなく、何のことか分からない。
「アイシテイマス」の「アイ」なんだよ。
今はもう別の人生が始まっている真鈴からの、もう聞くことはない愛の言葉なんだよー。

母にも、父にも、一度も気付いてもらえないまま死んでいく真悟が哀れで。

AIがアイを残す。

AIにも情緒的な何かを求めてしまうのが人間ってものなんでしょうかね。

空から吊られた大きなブランコに乗った悟と真鈴の背中を押してあげる真悟。
泣きたいような、静かなラストシーンでした。

ドゥクフレさんの振付、オープンリールを使った演奏、真悟とリンクする映像、
開演前から始まる“機械”のパフォーマンス、衣裳デザイン、空間演出・・・

どれもこれもワクワクした。魅力しかなかった。(ト、イイマス。)


【キャスト】
山本真鈴:高畑充希
近藤 悟:門脇 麦
真悟:成河

ロビン:小関裕太
しずか:大原櫻子

田鍋謙一郎/奥村佳恵/斉藤 悠/宮 菜穂子/水野栄治/江戸川萬時
清家悠圭/加賀谷一肇/碓井菜央/工藤広夢/引間文佳/鈴木 竜

【ミュージシャン】
トウヤマタケオ
Open Reel Ensemble

【スタッフ】
原作:楳図かずお
演出・振付:フィリップ・ドゥクフレ
脚本:谷 賢一
音楽:トクマルシューゴ
音楽:阿部海太郎
歌詞:青葉市子
アーティスティックディレクター(美術・衣裳・振付):エリック・マルタン
映像:オリヴィエ・シモラ
映像:ローラン・ラダノヴィッチ
照明:大平智己
音響:松木哲志
衣裳:KO3UKE
ヘアメイク:鎌田直樹
振付助手:鎌田真梨
美術助手:長田佳代子
演出助手:豊田めぐみ
舞台監督:足立充章
技術監督:堀内真人
演出協力:白井 晃
ジャンル:
ウェブログ
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2 Comments

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似合いすぎてて・・・(笑) (sato)
2017-02-09 10:29:08
確かに心配(笑)

あの御二人の違和感の無さって凄いですよね。
そして成河さんの身体能力&表現力と
ドゥクフレさんの緻密でありながら解りやすい創造力。

そのどれか一つが欠けてもここまでにはならなかったと私も思います。

ちょっと今までに観たことの無い類の面白さでした(^^)

まさにまさに (hcrmt)
2017-03-24 11:16:13
satoさま
今までに観たことがない…本当にそうでしたね。
ドゥクフレさんを呼んだ人も、キャスティングを担当した人も
どうぞ胸を張ってください!という感じです(笑)
素晴らしい企画力と、あの舞台を作り上げた全員に拍手したいです。^-^

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