シネマ歌舞伎「京鹿子娘五人道成寺」

2018-01-24 01:45:29 | 映画感想
シネマ歌舞伎「京鹿子娘五人道成寺」「二人椀久」


ドキュメンタリーに近かったです。

舞台映像の合間に娘四人のインタビュー(千秋楽に収録したのかな?)が挟まる構成。
このまま舞台の続きが観たいのにーと思うけど、インタビューもそれぞれ内容が濃くて
ふむふむ聞き入ってるとまた舞踊の映像に戻るからテンション上がって──の繰り返し。

玉三郎さんの「これを後に遺すんだ」という気概がひしひしと感じられる作品でした。

一緒に過ごすことで伝わるものがあるというのは、道成寺の舞踊の技術だけではなくて
これまで玉三郎さんが培ってきた「芸術」すべてに関わる根本的な考えなんでしょうね。

花子に挑んだ4人が一人一人違う魅力を持っていることを改めて知ることもできました。
華やかさのある梅枝さん、実直さを感じる児太郎さん、クールビューティー七之助さん、
陽を振りまく勘九郎さん。そして、若手4人を軽く凌駕してしまう圧倒的な玉三郎さん。
五人って聞いて多いなって思ったけど、実際の舞台は玉三郎さんという軸を中心にして
ちょうど花が咲くように、最初は花びらが一枚ずつ、次第に5枚が咲き揃うような構図で
次から次へと目が楽しい。

この中で次に歌舞伎座で道成寺を踊ることを許されるのは誰なんだろう・・・

5人が同時に踊ると、玉三郎さんだけ動きに無駄がないのがよく分かる。
4人ともそれぞれ上手なのに、肩とか、袖や裾の揺れが大きいのがはっきり見てとれて
玉三郎さんの言う「花子という枠から出てはいけない」という言葉の意味の一つかなと
素人ながらに思ったり。何でしたっけ。「表面は静で、中は動」だったかな。

玉三郎さんのインタビューは冒頭と終わりのみ。
ほんの短いものだけど、一字一句文字起こししたいぐらい中身の詰まったお話でした。

前半で満足しすぎて、後半のタイトルが出たとき、あ、これもあるのかとなったことは
伏せておきたいと思います。(前月に京都で素晴らしいものを観てきたばっかだったし)

美というものを目撃できる素晴らしい作品。
シネマ歌舞伎、来年度の新作も楽しみです。


【配役】
「京鹿子娘五人道成寺」
白拍子花子:坂東玉三郎
白拍子花子:中村勘九郎
白拍子花子:中村七之助
白拍子花子:中村梅枝
白拍子花子:中村児太郎
所化 阿面坊:坂東亀三郎(現:坂東彦三郎)
所化 仙念坊:中村萬太郎
所化 妙念坊:市村橘太郎
所化 喜観坊:中村吉之丞

「二人椀久」
松山太夫:坂東玉三郎
椀屋久兵衛:中村勘九郎
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壽 初春大歌舞伎〔昼〕 1/15

2018-01-23 00:27:52 | 舞台感想
「壽 初春大歌舞伎」 1/15(月)昼の部 at歌舞伎座


年の初めに、しかも襲名披露公演とくれば、劇場にいるだけで何だか御利益がありそうな。

劇場前の門松には鶴がいたり
三代同時襲名
特別なポスターがあったり
祝幕はこんな感じで

「箱根霊験誓仇討」は初花ちゃんがあまりに気の毒でどうしたらいいのか分からなかったけど
新年だしポジティブなシンキング由来の解釈をしないといけないなと思って。
夫の足が治りますようにっていう妻の願いが叶ってよかったよね!
あ、ダメだ。無理やりすぎる。せめて初花ちゃんに優しい言葉をかけてあげてほしかった。。。

そんな複雑な思いをお弁当で胃に流し込んでからの「七福神」。
歌舞伎座で全神揃ったver.が出たのが60年ぶり?逆に何で?おめでたい感じで楽しいのに。
鴈治郎さん、マハーバーラタでは帝釈天だったけど、本来はこっち(大黒天)系ですよね。
芝翫さんと扇雀さん、先月まで貧乏長屋でギャーギャー喧嘩してたのに・・・出世。※違う

そして、ようやく襲名関連で菅原伝授。
「車引」の梅王丸と桜丸がよかったです。
勘九郎さんと七之助さんは、似てる!と思うときと、全く持ち味が異なる!と思うときと
演目によってさまざまなんだけど、そういう部分が車引によく合ってたんじゃないかなと。
荒々しい梅王丸と、柔らかさのある桜丸。
ここに新幸四郎さんが加わって、こんな三つ子がいたら最高だなと思ったり。
ただ、松王丸としては声がそんなに太くないですよね。それがちょっと惜しいような・・・

で、「寺子屋」はもうベテラン勢の見本市。
梅玉さんの源蔵と新白鸚さんの松王丸は、“苦悩”の表現法がまるで違うように見えました。
それが面白いというよりも、最後まで違う方法論でやってますという感じがしてしまって。。。
その隙間?に魁春さんの千代と雀右衛門さんの戸浪がちょうどいてくれたというか。
いつも松王丸の「笑いましたか」で泣けるんだけど、今回は源蔵の「にっこりと笑うて」で
ぶわーっときました。源蔵の伝え方に松王丸と千代を思いやる気持ちが溢れてて、もう。

襲名の口上は一切ないけど、菅原伝授手習鑑のおかげで満足度の高い昼の部。

朝焼けさんとそのお友達さん、ありがとうございました。


【配役】
「箱根霊験誓仇討」
飯沼勝五郎:勘九郎
滝口上野/奴筆助:愛之助
女房初花:七之助
刎川久馬:吉之丞
母早蕨:秀太郎

「七福神」
恵比寿:又五郎
弁財天:扇雀
寿老人:彌十郎
福禄寿:門之助
布袋:高麗蔵
毘沙門:芝翫
大黒天:鴈治郎

「菅原伝授手習鑑」
<車引>
松王丸:染五郎改め幸四郎
梅王丸:勘九郎
桜丸:七之助
杉王丸:廣太郎
金棒引藤内:亀鶴
藤原時平:彌十郎

<寺子屋>
松王丸:幸四郎改め白鸚
武部源蔵:梅玉
千代:魁春
戸浪:雀右衛門
涎くり与太郎:猿之助
百姓 良作:由次郎
同 田右衛門:桂三
同 鍬助:寿猿
同 米八:橘三郎
同 麦六:松之助
同 仙兵衛:寿治郎
同 八百吉:吉之丞
百姓 吾作:東蔵
春藤玄蕃:左團次
園生の前:藤十郎
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欲望という名の電車 12/26

2018-01-19 19:44:34 | 舞台感想
「欲望という名の電車」 12/26(火)夜の部 atシアターコクーン


たまたま2017年の観劇納めになったこの作品。ずしんと重たい世界に行ってきました。
休憩ありの3時間20分。一人の女がもがきながら堕ちていく様を観るのは体力が要るわ。

杉村春子さんがずっと離さなかった役というイメージが先行するブランチ・デュボア。
舞台女優が演じる役として最高峰の一つだと言われる理由がちょっと分かりました。
名家の出身という居丈高な面と、その後の没落による不安定さを共存させるのって
すごく難しいことだと思う。大竹ブランチはその辺、気の毒さが勝っていたような・・・

あらすじはWikiに端的にまとめられているのでそちらを。

どうしてもスタンリーがやり過ぎに思えてしまうのは、私が女性だからなんですかね。
スタンリーの‘報復’によってブランチの過去や地元での醜聞が明らかになってくると
それ以上はやめてあげてと思ってしまう。スタンリーによる過剰な攻撃に映るというか。。。

ブランチが男性に異常なほど依存するのは、育った環境によるものか、時代のせいなのか、
夫の自殺が影響しているのか、あるいは彼女がもともと持っていた性質なんだろうか。

この舞台、美術がとても面白かったんですよ。
ホリゾントを外して舞台奥までオープンにした状態で、中央に部屋のセットが置かれている。
幕間には四方の壁部分が箱の蓋のように天井から降りてセットを覆うという形。※伝われ
休憩の間、家の壁面に大きな蛾の影が映って、飛び回る羽音が響いてたのが印象的でした。
開いた窓から飛び立つこともできるのに、窓が分からないのか、出たくない理由があるのか
ずっと家の中を飛び回っている。そのくせ飛ぶのはやめないから羽音がうるさい───
まさにブランチそのもの。

その点、ブランチの妹ステラは「蝶」なのかもしれない。
スタンリーと結婚して、ニューオリンズの汗と喧噪に満ちた生活にも馴染んだ明るい女性。
姉と夫の確執の間でイライラを募らせながらも二人への愛情はなくさない。
このステラ役も若手女優の役としては登るのが大変な山だと思う。鈴木さんうまかった。

ほかの演出を知らないので何とも言えないけど、最後のブランチの発狂の引き金としては
スタンリーによるレイプより(はっきりとは描かれなかったし)、夫が自殺した夜の記憶と
ブランチに想いを寄せていたミッチとの別れのほうが重大に描かれていたような気がする。

で、とうとう精神病院に入れられることになったラスト。
ここのブランチとステラが素晴らしかった。
後悔から泣き叫ぶステラと、紳士的に応じる医師の手をとって淑女として歩きだすブランチ。
客席を通ってゆっくり去っていく大竹ブランチの表情は言葉で表せない。堂々として圧倒的。

不器用だけどその純情がブランチを救ったかもしれないミッチの藤岡さんがよかった!
机に突っ伏して大声で泣いてるミッチを見てたら涙が出てきたよ。
近隣の住人を演じた粟野史浩さん、西尾まりさんも個性が光ってた。

テネシー・ウィリアムズ、思っていたより入り込めました。

終演後はぐったりだったけど。

公式サイト


【スタッフ】
作:テネシー・ウィリアムズ
翻訳:小田島恒志
演出:フィリップ・ブリーン
美術:マックス・ジョーンズ
照明:勝柴次朗
音響:長野朋美
衣裳:黒須はな子
ヘアメイク:佐藤裕子
美術助手:ルース・ホール/原田 愛
演出助手:渡邉さつき
通訳:時田曜子
舞台監督:幸光順平

【キャスト】
ブランチ・デュボア:大竹しのぶ
スタンリー・コワルスキー:北村一輝
ステラ・コワルスキー:鈴木 杏
ハロルド・ミッチェル[ミッチ]:藤岡正明
少路勇介/粟野史浩/明星真由美/上原奈美/深見由真/石賀和輝/真那胡敬二/西尾まり
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今様三番三・隅田春妓女容性 12/24

2018-01-19 01:11:02 | 舞台感想
国立劇場「今様三番三/隅田春妓女容性」 12/24(日)


吉右衛門さんと歌六さんがバチバチなってるのを観るだけでも私的には満足でしたけど
でも、やっぱり、なんか、ちょっと納得いかない。なぜそうなる。

揉み合ううちに誤って殺してしまうとか、忠義という名目でうっかり犠牲になるとか
歌舞伎ではよくある話だけど、それにしたって長吉が浮かばれないよ・・・
長吉のために力を尽くしたお君ちゃんも気の毒すぎる・・・
そして源兵衛との直接対決に移って、長吉殺しが割と曖昧に片付いちゃう感。
そこ、回収しないんですねっていう。

梅の由兵衛、かっこいいけどね。
吉右衛門さんがやるから余計にかっこいいけどね。
御主のため奔走する由兵衛の男気、かっこいいけどね。じゃあいいか。←

小梅と長吉の二役を務めた菊之助さんもよかったし、悪い歌六さんも素敵だし。
又五郎さんのどび六に至っては顔の汚しから何から堂に入ってて素晴らしかった(笑)

あと、由兵衛に弄ばれる久庵さんね。
私が観た日の由兵衛ムチャぶり劇場はクリスマス仕様。
由「あそこにいるのは、ありゃカラスだな」
久「カー!」
由「いや、トンビかな」
久「ピーーーーーヒョロロロロ」
由「違う。トナカイだ」
久「ぇ、ぁ、ぇ…真っ赤なお鼻の(小声) うわーーーー!」
吉之丞さんに幸多かれー(笑)
このときの吉右衛門さんが劇中で一番楽しそうでした(笑)

悪党をとっちめて、奪われた家宝も取り返して、恋人たちも結ばれて、まず今日はこれぎり。
でも、観終わって残るのは、長吉とお君の哀れだったり。

前後するけど、「今様三番三」は雀右衛門さん大奮闘でした。
両手であの一反木綿みたいな白旗を振り続けるのってものすごい筋力が必要だよね。※喩え

当代の雀右衛門さんって、どことなく応援したくなるか弱さがあるというか。私だけですかね。
男に尽くしたり、裏切られたり、女一人でがんばってたりするお役が多いせいもあるかもだけど
出てくると無条件に味方につきたくなる。白旗!取り返した!歌種から逃げて!って。

舞踊と芝居、順番が逆でもまた面白かったかもしれない。

あ、そうだ。ロビーにこの方がいました。会えてラッキー。

クリスマスイブなのにサンタコスしないところに伝統芸能畑の意気地を感じる。

と思ったら名刺は思いっきりメリークリスマスだった件。

かわいいよ。くろごちゃん。

公式サイト


【配役】
「今様三番三」
曽我二の宮 実は如月姫:中村雀右衛門
佐々木小太郎行氏:中村歌昇
結城三郎貞光:中村種之助

「隅田春妓女容性 ─御存梅の由兵衛─」
梅の由兵衛:中村吉右衛門
源兵衛堀の源兵衛:中村歌六
土手のどび六 実は十平次:中村又五郎
由兵衛女房小梅/丁稚長吉:尾上菊之助
延紙長五郎:中村歌昇
芸者小糸:中村種之助
米屋娘お君:中村米吉
医者三里久庵:中村吉之丞
米屋佐次兵衛:嵐 橘三郎
曽根伴五郎:大谷桂三
金谷金五郎:中村錦之助
額の小三:中村雀右衛門
信楽勘十郎:中村東蔵
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おでんは英語でOden

2018-01-18 10:33:01 | だって私は涼風真世が好き
今井さんのおでん、絶対美味しい。分かる。絶対美味しい。

というわけで、橋の宣伝で涼風様が大阪のテレビ番組に出まくってるみたいです。
アメリカの片田舎の主婦の役なのにフランス人形みたいな格好だけど大丈夫ですか。

関テレ「よーいドン」1月17日の放送で、
涼風真世イチ推し絶品グルメとして紹介されたのが、こちらの3品。

■日進ワールドデリカテッセン「シェーンドルフ ロルシンケン」
東京都港区東麻布2-34-2
オンラインショップ(取り寄せ可)

■べーかりーかふぇ伊勢屋「食パン」
大阪市北区中崎西4-1-1

■道頓堀 今井本店「おでん」
大阪市中央区道頓堀1-7-22
オンラインショップ(取り寄せ可)

ハムは生のままパクつくのがオススメ。
食パンもそのままパクつくのがオススメ。
おでんはみんなでつつくのがオススメ。だそうです。ざっくりとした情報。

伊勢屋さんは梅芸から近いみたいですね。
靴を脱いであがる民家カフェとのこと。食パン1本400円って安すぎないか?

で!今井ね!

話題をクロスさせて申し訳ないのですが。
去年の夏、今井さんの機関誌「道頓堀ラプソディ」に仁左衛門さんのインタビューが
載っていると聞いて、お店にお願いして送っていただいたことがあったんですよ。
無料で送付してくださったので、お礼にと思ってうどんすきを取り寄せたんだけど
これがまあ美味しくて!おだし本気で旨し!

たぶん、おでんも相当美味しいはず。想像つく。

我が家も取り寄せちゃおうかな。

おでパーやるわ。
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