こころの文庫

日々これ新たなり。ライター気分で、今日もお邪魔します!

付加価値?

2016年10月20日 00時16分06秒 | 文芸
 弁当仕出し会社に勤めていた。調理担当に配属され、幕の内弁当を担当した。


 深夜の仕事が主で、夜中はひたすら刺身を引き、天ぷらや焼き魚、煮物などの調理だ。朝三時過ぎから料理の盛り合わせを始める。


 単価の安い幕の内弁当が最初だ。フライや天ぷら、煮物が主体で生ものは少ない。次々に単価が上がると、生ものが加わる。刺身を盛るのに、大根のケンや飾りが不可欠。造花のキクや、松葉、梅や桜と作り物を使う。四季に応じたもので、弁当は見事に変身する。


 秋が深まった頃、特注で三千円の幕の内が入った。日ごろ扱うのは千円までの格安弁当。広がる現場の戸惑い。使う食材は同じなのだ。


「こいつで千円は値打ちが上がるんや」


 上司が持ち出したのは真っ赤な紅葉。本物である。刺身に飾ると、その赤が鮮やかに映えた。確かに料理はランクアップした!


 定年になってからこっち、幕の内弁当を注文するのに、値段の高いものは避けている。
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