こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

思い出メモ

2016年11月26日 11時37分47秒 | Weblog
裏の畑を耕していて、
ふと片隅の犬の置物に目がいった。
瀬戸物製で、もう色は剥げてしまっている。
もう10年以上前に置かれたもの。
あの時は柴犬の栗色だったっけ。

愛犬タロのお墓である。
16年間我が家の大切な家族だった。
老衰で亡くなる前に、
「キャン!」と一声。
あれはお別れだと固く信じて疑わない。
タロを偲んで、
彼にそっくりの置物を見つけて
思わず買ってきたものを
彼のお墓に祭っておいたものだ。

いくら時は経っても
思い出すタロの姿は
りりしく優しかった
あのころのものだ。
昔のメモを引っ張り出してみた。
あの日が懐かしく思い出された。

愛犬日記より


 我が家にはタロ、モモ、そして二匹の間にできた娘トトと三匹の犬がいる。タロはもう8年目、ヒゲに白いものが混じるのは、やはり年のせいか。でも、立派な一家の主人の風格を見せる。




 彼の嫁さんに迎えたモモは、思うように成長出来なかったのか、タロの半分に満たない子犬の体長のまま。「無理かな?」と思った出産で、三匹の赤ちゃんを産んだが、産後の肥立ちが悪かったか、大出血で死ぬ寸前まで行ってしまった。血塗れになったモモを懸命に抱きかかえて獣医さんに走ったのである。




 今のモモは、もう赤ちゃんを産めない。獣医さんの助言もあって、モモの避妊手術を相当悩んだ末に決めた、あの日を決して忘れない。モモのお腹の傷跡はもう消えたが、彼女が幸福か否か……考えるのはやはり辛い。




 ひ弱なモモは、自分でもそれを自覚しているのか、甘え方が一番上手だ。体をすぐにすり寄せて来る。すぐにお腹を見せる。すがるように見詰める。前足で懸命に撫でてくれとせがむ。そして、とどめは「クーン!」と何とも切ないとしかいいようのない鼻声……思わず抱いて仕舞わずにはいられない程、可愛いモモである。




 そのモモが散歩中に大きな犬に迫られたことがある。その瞬間、なんとタロが間に入り、モモを守るように「ウウー!」と威嚇した。機先を制すると言う。タロひと回りは大きい相手は、驚いたことにスゴスゴと立ち去った。




 タロはヤッパリ男だった。嫁さんを守ったあの凛々しい姿には、さすがの私も勝てない。




「大体比較すんのがおかしいの。あなたのどこが凛々しいってのよ。ちゃんちゃらおかしい。ただ優柔不断なだけ」




 妻の断言に何も反論出来ないのが悔しい!




 ところが、そのタロ、最近妙におかしい素振りを見せ始めた。避妊手術を受けたモモを無視して、娘のトトにちょっかいを出しかけたのである。無論そうはさせない。




「おい、タロ。お前、立派な男やと思っとったんに、その程度の男やったんかいな」




 皮肉を言ってみても通じない。ペロリと顔を舐められてしまって、その場はオシマイ!




 モモの三匹の子犬のうち、ふとっちょのモコモコ(当時まだ名前はなかったのだ)はカラスにさらわれて行方知れずとなってしまった。もう一匹は私の兄の家に貰われていった。タロと瓜二つだが、母のモモに似て体は小さく、やっぱり娘だった。ポコと名付けられている。




 兄の家は目と鼻の先だから、散歩中によくかちあう。トトへの接近を禁じられた(?)タロは、今度はもう一人の娘ポコにちょっかい。全く懲りないヤツである。「




「浮気すんならよそでやって来い!」




 私に叱られてタロはキョトン?




 しかし、そんなタロを尻目に、モモは今日も私にベッタリ甘えて離れない。




 その光景にトトやタロも負けじと突進して来る。こいつらの甘えはモモの淑女的なものとは雲泥の差だ。咬む(モチ余り痛くない)前足で引っ搔く、飛び乗る、体当たる、ヨダレをベタベタ!もう、いい加減にしてくれよ!




 私の本心。嬉しい、くすぐったい、可愛いやつらだ。もう幸せ気分でいっぱいなのだ。 



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