墓場鬼太郎 #10「ブリガドーン」感想

・墓場鬼太郎 第10話「ブリガドーン」
(脚本/堤 泰之、絵コンテ/佐藤順一、演出/羽多野浩平、作画監督/袴田裕二・窪 秀巳)


 原作は「ボクは新入生」。「ゲゲゲの鬼太郎」の「朧車」の原型となった作品だ。

 「ゲゲゲ」アニメ版では、第3作の劇場版「激突!!異次元妖怪の大反乱」が最も有名だろう。カロリーヌちゃんとねずみ男の物語は感動的だったが、後から原作のカロリーヌちゃんを見て、感動よりもっと大きな衝撃を受けてしまった。
 その点、本話のカロリーヌちゃんはきちんと原作に忠実なデザインで登場しているので、初見の人もそんなショックを受ける心配は無さそうだ。


 さて、今回は漫画家「水木しげる」先生とその一家の描写に特に注目していたのだが、こちらは正直なところ、それほどパッとしなかった印象だ。原作は、(登場人物の)水木先生が主役と言っていい物語だが、今回のアニメ版ではあくまで登場人物の一人として扱われている感じだった。
 それでも、「人だまプロパン」「お化けタイムス」の勧誘など、原作で好きなネタは入っていたのは嬉しかった。できれば、「まるでアルキメデスのような人だなア」も入れて欲しかった。水木先生役は島田敏だったが、気弱そうな感じがなかなかよかった。

 そして、今回一番印象的だったのは、怪気象=ブリガドーンの描写だった。
 怪しげな雲、それをとりまく周囲の状況、そして雲の中のいわゆる「白日夢の世界」と呼ばれるお化けの町など全てが実に念入りに描かれており、日常が変質して現れた異世界の不気味さを味わう事が出来た。アニメ「鬼太郎」で、ここまで原作寄りの「ブリガドーン」の描写にこだわったのは初めてではないだろうか。さすがに、サブタイトルに「ブリガドーン」を持ってきているだけの事はある。

 ブリガドーンを調べるために呼ばれた千里眼の僧は、トムポ。うーむ、馴染んだ名前と違うので、違和感がある。やはり、テレビアニメで人名に「チンポ」はまずいのか。こうなったら、ディレクターズカット版となるDVDに期待するか。できれば、「チンポ」「トムポ」両バージョンの収録を希望する。
 なお、トムポは京極夏彦が演じると聞いていたので、「言霊使いの罠!」の一刻堂のイメージで想像していたのだが、それとはがらっと違い、重々しい感じの発声でちゃんと高僧らしく聞こえており、感心した。他にトムポ関連では、雲の内部を解説するだけで去っていく役立たずっぷりが、去った後の一同の「ぽかーん」とした場面で強調されていて面白かった。

 今回も、尺の関係からか色々と省略された部分はあったが、ブリガドーンの描写は見応えがあったし、他にも原作の面白い部分がいくつも映像化されており、楽しめた。「ゲゲゲ」第4作以来、久々に佐藤順一が「鬼太郎」に参加した点も嬉しい。今度は、「ゲゲゲ」の方にも登場して欲しいものだ。


 とうとう、次回は最終回。これまで東海テレビはフジテレビ、関西テレビに続く三番手で放映してきたが、関西テレビは3月25日の放映が休止なので、最終話のみ東海テレビが二番手になる。どっちにしても、フジテレビではもう最終話まで放映が終わっているのだが。
 なお、後番組「図書館戦争」でも、東海テレビが二番手を維持する予定になっている。
コメント ( 5 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
名前の変更 (火炎太鼓)
2010-04-16 23:02:45
チンポの件はコードの問題だと思いますが、
「ゲゲゲの女房」で水木先生の本名が「村井」だとか、
奥さまの名前が「布美枝(ふみえ)」になっているのは、
「武良」や「布枝(ぬのえ)」じゃ言いづらいからだろうかと個人的に感じているのですが。
 
 
 
Re:名前の変更 (おおはた)
2010-04-22 23:04:49
>「武良」や「布枝(ぬのえ)」じゃ言いづらいから

 それもあるのでしょうけど、基本的にドラマでは本名はそのまま出さない方針なのかな、と思います。
 気になるのは、今後話が進んで貸本雑誌や週刊少年誌の名前はどうなるのかと言う事です。NHKは以前「まんが道」のドラマでも雑誌名を変えた事がありますが、今回「少年マガジン」や「ガロ」の名前が変えられたら、かなり違和感があるでしょうから。
 
 
 
結局 (火炎太鼓)
2010-07-23 06:20:51
結局ドラマでは、出版社や実在の編集者、雑誌の名前は変えられましたね。
鬼太郎の映像化の話でも、東映や渡辺亮徳の名前が出せなかったし。
(池上遼一が国田になっているのも、池上氏がビッグになってしまったゆえか)

ゼタ(ガロ)のために執筆をするシーンで、水木作品のメガネキャラ(山田)が、「戌井さん(桜井昌一)によう似とるのお」という水木先生の台詞で、桜井氏をモデルにしていることを連想させたのはよかったのですが。
 
 
 
訂正 (火炎太鼓)
2010-07-23 06:29:47
池上遼一をモデルにしたキャラは「倉田」ですね。
国田と間違えてすみません。
 
 
 
やはり (おおはた)
2010-07-27 21:56:48
 やっぱり、変えられてしまいましたね。「ゼタ」の下半分をかくすとネタ元の「ガロ」になると言うのは面白い仕掛けです。
 戌井氏については、もうちょっと「山田」のモデルであることを強調してもよかったんじゃないかと思いました。
 
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