奏光のストレイン「STEP 10 未来の記憶」

 ようやく第10話放送。長い三週間だった。他にも、年末年始特番で2回休みが入ったアニメはあったが、いい所でお預けになっていた本作が、一番待ち遠しかった。


 今回の感想としては、とりあえずミミックの中身はグロすぎ。ミミックがリーズナーの「双子の脳」だと言う事はわかっていたから、脳髄が入っているところまでは想定の範囲内だが、なぜ眼球まで付けておく必要があるのだろう。蓋を閉めてしまったら、目が付いていても意味がないのでは。エミリィの場合は人形の外見とのギャップで、余計に気持ち悪く感じた。

 続いては、ラルフの更なる虐殺。シャワーシーンが始まった時は「またサービスシーンか」と思ってしまい、それだけに、続く展開には意表を突かれた。まあ、ラルフが完全にディーグ側の人間になっているとは思っていなかったが、だからと言ってあんな行動に出るとは予測できなかった。

 そして、ついに明らかにされたエミリィの正体。話が「亜光速」から、一気に「超光速」まで飛んでしまった。人形エミリィを通じてセーラの行動が筒抜けだったのは、こんな訳だったのか。幼女の姿で、全員の間で即時通信が出来る異星人とは、凄い設定だ。エミリィ(人間体)は、特別な能力は持っていても、あくまで人間だと思っていた。ラルフの虐殺と言い、エミリィの正体と言い、いい意味で予想の斜め上を行く展開になっている。
 しかし、思考だけでなく感覚まで共有しているとなると、全員で一つの人格と考えても差し支えない訳で、こんなエミリィ星人(勝手に命名)が、どんな社会を築いているのか、非常に気になる。個々の人格はあるのだろうか。

 それにしても、ミミックの中身もグロかったが、エミリィ解剖(生体実験)シーンもえげつない描写だった。エミリィの研究スタッフが、全く罪悪感無しに心の底から楽しそうにしているので、余計に残酷に感じる。
 また、今回は作画にクセがあって、全体的にキャラの顔が「濃いめ」だったため、驚愕や悲しみの表情に迫力があった。前述のラルフによる虐殺場面でも、凄惨さが際だっている。藤田まり子のキャラデザインからは少し離れているが、今回の話にはよく合った作画だと思う。


 今回、セーラとエミリィとのリンクによって600年前の出来事が描かれて、これまで謎だった部分がかなり明らかにされたが、まだ全ては語られていないようだ。たとえば、ラルフが変わってしまった理由は、今回だけでは少し弱い気がする。本当に、幼女異星人の虐殺だけで、ああなってしまったのだろうか。それに、いつ顔の傷が付いたのかも、まだわからない。
 それらは、次回以降に描かれる事を期待しよう。と言ったところで、次はまた三週間後。またしても、いいところでお預け。予告では元気になったらしいロッティが描かれていたが、出撃してそのまま散ってしまわない事を祈りたい。何しろサブタイトルが「狂宴の幕開け」だから、何が起こるか想像しただけで恐ろしい。
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