はずれの映画辞典

映画とは生きものの記録です、この世に生きる者が、こうして生きようじゃないかと訴えます。惚れた映画を毎日連載します。

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少年と戦争ー「出口のない海」

2007-06-12 08:35:17 | Weblog

出口のない海 2007年2月 DVD(ポニーキャニオン)

       原作・監督 佐々部清 脚本 山田洋二

          出演 市川海老蔵、伊勢谷友介、上野樹里、塩谷瞬、<

解説

 以前にも映画化されたが、太平洋戦争末期の海の特別攻撃兵器と呼ばれた人間魚雷”回天”に乗り込んだ若者たちの姿をとうして、生きることの意味を問いかけるドラマ。
 原作と監督は「半落ち」の横山秀夫と佐々部清、脚本が山田洋二と富川元文、これって、日本映画を担う超一流のスタッフ、更にNHKの大河ドラマ「宮本武蔵」でお馴染みの、市川海老臓が映画初出演という映画である。

  見どころは、何のために生きて、何のために死に行くのか、を問い続けた若者たちの姿が痛々しい。
 彼らの死を決意する理由は、「軍神」と言われて家族に名誉を残すこと、また、この映画の主人公並木は、回転に乗って死ぬ事によりそういう歴史があった事を後世に伝えるため。と答えて死んでゆく。
 命の尊さを考えない死に急ぐ今の若者たちに是非とも見てもらいたい映画である。

 物語
 
 1945年、敵の戦艦の攻撃を避けながら海中を進む潜水艦、敵の戦艦を見つけて一時的に退避するⅠ槽の日本の戦艦がいる、船室の中は40度にも達して蒸し暑い、その中に4人の若者がいる、彼らは人間魚雷回転に乗って敵の戦艦に突撃する任務を帯びている。
 そんな中に、甲子園の優勝投手だった並木浩二(市川海老臓)がいた、暑さの中で戦争に行くと親に告げた日のことや、許婚の事などを思い出す、そして浩二の甲子園球場での姿を知る後輩もいた、

感想

 07年6月3日、六大学野球で早稲田が慶応を破り優勝した、これは昨夏の高校野球の決勝戦で次の日までの延長戦でやっと勝った早実の投手の斉藤祐樹、試合中にハンケチで汗をふく姿がすがすがしくて人呼んで”ハンケチ王子”が投げたおかげで快勝したものだった。

  もし、時代が時代なら、この映画の主人公並木浩二ももしかしたらそうなったかもしれない、平和の有難さを身近に感じ入る次第.

この映画は、「男たちの大和」のように、軍隊そのものを登場させる事なく、戦争をやらせる国そのものを見つめさせて、親や兄弟、恋人を登場させて、これらの愛する人と、何故に一諸に幸せな生活が出来ないのかをこれでもかこれでもかと見せて、志願して兵隊に行く浩二はいう、「これから回転で突っ込んで沈んで行くかもしれない敵の軍艦にも多くの兵隊とその家族が居るんだ、それまでして何故に人殺しをしに行くのか」という問いかけがある。

 ”君死にたもう事なかれ”と思うこの映画の観客に、死を選ばざるを得ない事情というものを明確に見せて、俺は、死んで「軍神」とよばれ家族に恥を描かせたくない、並木浩二は、俺が死ぬ事によって、回転という武器で死んで行くという事があったのだということを後世の人に伝えるために死に行くのだ、と明白に死ぬことの意義を話している。
 これはこれまでの戦争映画にはない、”死”の決意を曖昧にしないで死んでゆく若者の遺言ともとれるものである。
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