缶詰blog

世界中の缶詰を食べまくるぞ!

イギリス缶詰事情

2016-07-24 11:58:54 | 取材もの 缶詰の現場から

ロンドン市内にある老舗缶詰企業の社屋。残念ながら取材は出来ず

 

読者諸賢よ!

まさかのEU離脱で世界中を驚かせたイギリスは、実は缶詰発祥の国でもある。

食べものを容器に入れて密封&加熱殺菌という基礎原理はフランスで考案されたが(1804年)、そのとき使われた容器はガラス瓶だった。

きっと、手頃で丈夫なものがそれしかなかったのでありましょう。

それから6年後の1810年になって、イギリスでブリキを使った容器が発明された。これが今の缶詰の原型だ。

1812年には、ロンドンで世界初の缶詰工場が稼働している。何となれば、イギリスは缶詰発祥の国といえるんであります。

そんなロンドンでは、はたしてどんな種類の缶詰が作られ、売られているのか。

市井ではどんな風に食べられているのか。

それを取材に行ってきましたゾ。

 

まず向かったのはセインズベリーというスーパー。

高級店ではないが量販店でもないという位置付けらしく、日本でいえば東急ストアなど電鉄系のスーパーに近いクラスだと思う。

 

 

どーんと現れたのがベイクドビーンズのコーナー。

ベイクドビーンズは、直訳すれば「焼き豆」になるが、実際はトマトソースで柔らかく煮たもの。豆の種類はいんげん豆であります。

ベーシックな味付けは、トマトソース、塩、香辛料のほかに砂糖が加えてあるから、ちょっと甘い。

 

彼の地では、ベイクドビーンズをこんな風にして、おもに朝食に食べる。

バターをたっぷり塗ったトーストに目玉焼きを添え、熱々にあたためたベイクドビーンズをかけるのだ。

ここにソーセージなどを添えることも多く、家族でも食べるし、独身者も作って食べる。お店でも提供されている。

 

そんなベイクドビーンズにも様々なバリエーションがあった。

手前はソーセージ入り。左側のはチョリソー入りだそうな。ほかに有機栽培で育てられた豆を使ったものもあった。

 

こちらはハーヴェイ・ニコルズという百貨店で見つけた高級品。800g入りで5ポンド20ペンスである。

(1ポンド139円で計算すると約723円)

さっきのソーセージ入りは約半量の390g入りで75ペンス。セインズベリーのPB商品も420g入りで35ペンスである。

ハーヴェイ・ニコルズのものはそれらの3倍〜7倍という価格であります。

まあ、日本でいえばサバ缶も100円台から700円台まであるから、同じことかも知れない。

 

再びセインズベリーに戻って...これはパスタ缶コーナー。

パスタソース缶ではない。スパゲッティにマカロニ、ラビオリなど、ちゃんと味付けをして調理されたパスタが入っている缶詰である。

これだけ様々な味付けで大量に展開しているのだから、売れているということでありましょう。

でも、僕は知っている。この缶の中に入ったパスタはすっかりふやけ、ふにゃふにゃ食感なのだ。

 

昼食を摂るためにぶらぶらと歩いていくと、工場跡地があった。

いつ閉鎖されたのかは知らぬが、今ではアーティストたちが住み着き、ギャラリーや工房として活用されている。

 

木戸や窓枠は塗り直してきれいにしてある。広場には屋台も出ていて、近所の人が寛ぐスペースにもなっている。

夜になればライブも行われるようだ。

こうして自然と人が集まり、時間を掛けて作り上げられたものには文化がある。

こんなスペースでいつか、缶詰イベントをやりたいと思った。

 

続く!