感動としあわせの家づくり物語

岡山県倉敷市の工務店「林建設」の大工職人「林俊文」が仕事で感じた「感動としあわせの家づくり物語」を綴っていきます。

大工職人だった祖父と父の仕事を「今」見る事で学ぶべきこと

2014-01-20 21:35:26 | 林俊文の想い
今週も一週間の始まりを向かえた朝。

現在工事進行中の総社市総社の現場は今日は「しんちゃん」、「まっちゃん」の両大工さんにお任せ。

彼らなら大切なお客さんから依頼された家づくりを安心して任せる事ができる。

其れは彼らが私と一緒に歩み続けた15年以上の月日で、確実に64年前に大工として取り組んできた私の祖父の時代から続く「はやしの家づくり」のマインドを引き継いでくれているからです。

そんな訳で今朝は岡山市大福の木造住宅で浴室、トイレの改修工事の着工に向かいます。

こちらのお宅は40数年前に父と祖父が新築工事を手がけたお客さん宅という事もあり、今は亡き祖父と現場作業は引退した父の仕事ぶりを知ることができる貴重な現場。

そんな現場は大工の「小野くん」と一緒に解体作業に取り組みます。

在来浴室という事で通常なら土台や柱が腐っていてもおかしくはない場所ですが、基礎の上に1mほど積み上げたブロックが土台や柱の腐食を防いでくれている様で躯体は全く問題なし。

外壁も通常ならモルタルの補強に入れてある「ラス網」と呼ばれる針金を碁盤目状に模した部材は錆て簡単に千切れるのですが・・・

此れもモルタルを練るときに使う砂が「海砂」の場合。「川砂」で寝られたモルタルと高い技術のある左官さんが塗ったモルタル外壁は40数年経った現在も全く当時のまま。

おかげで思った様に解体作業が進まず困っているのは笑い話。

改めて本物の材料を持ちいて本物の職人が作った「家」はこれほど頑丈なのかと知ることができるのは貴重な体験。

大型ダンプなども行き交う交通量の多い道路に面した立地条件ながら、これほど外壁がしっかりしているのは左官さんだけでなく、下地を作った大工さんの腕と材料の使い方なのだと改めて確認。

個人的な考えで思えば60数年前に戦後の復興経済対策として建てられた頃の住宅。20数年前にバブルと呼ばれた景気の良い時代に建てられた住宅。

この次から次へと仕事があった頃に作られた建物は些か職人の技術や材質などが劣る様に感じるのは解体も手がける大工さんなら感じている事かも知れません。

そして、今。

増税前のかけ込み需要などに材料が不足し、職人さんが足りない現状に何か同じ様な未来を感じるのは自分だけでしょうか?

こんな時だからこそ、平素以上に正直に真面目に家づくりに励む工務店である事。

そう思わせてくれたのは、祖父と父の仕事ぶり。

「家づくりとは決して数を追うな、昨日まで「1」だったものが、急に「2」になる訳はない。どんなに努力しても、人がひとりで出来る事などは決まっているのだから・・・」と、

現場には居る筈のない親父の小言が聞こえたような・・・・

一本の木から始まる感動としあわせの家づくり物語 林建設 林俊文

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コメント
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