一流のものを見ているときは、共通した「何か」を感じる。その「何か」というのは決して言葉では言い表せないものだが、二流、三流の作品で感じることはできないものである。いろいろ一流のものに触れて、その「何か」を自分のものにしたときに、自分も一流の仲間入りを出来るのではないかと思う。
私は以前述べた理由で、同じ展覧会には何度も行くが、今日も国立西洋美術館のラファエロ展に行って来た。ゴールデンウィークのせいもあるのか、混雑していた。人が多かったのであまりじっくり見られなかったが、同じ絵でも、見るたびに新鮮な感動を与えてくれる。私は絵を見るときは、あまり解説を読まずに、先入観なしに見ることを心がけている。画家にはそれぞれ「色」があって、その「色」は画家によってすべて異なる。自分の好きな絵を見ているときは、作品の内容の濃さから染み出てくるものが、自分の心の内に入ってくるのを感じる。それが、見る人の内面を充実させてくれるのかもしれない。絵というのは、見れば見るほど新たな発見があって、面白くなってくるものだ。