超兵器磯辺2号

幻の超兵器2号。。。
磯辺氏の文才を惜しむ声に応えてコンパクトに再登場。
ウルトラな日々がまたここに綴られる。

うちなーの「食」とおみやげ

2014-09-05 23:11:21 | 食べ物
あまり食事のメニューなどをレポートするのは得意でないのだが・・・夏休みの課題シリーズ「うちなー編」は「海・空」「建物」ときたら「食」についても書かなければなるまい。全日程の中で朝はすべて和洋バイキング形式の似たようなスタイルであり、ランチは遊びや観光を優先するために割り切ることにしたので、ディナーだけは「うちなー」ならではメニューにしようということになっていた。前半訪れた浜比嘉島には施設が一つしかなく、あらかじめディナーは申し込んであった。レストランが郷土料理とフレンチがあり、どちらも地産地消をモットーにその地方の食材を使ったコースになっている。我々は初日は郷土料理、2日目をフレンチにした。到着日はバタバタと世界遺産を巡ってきたから、オーシャンビューの展望風呂で汗を流し、さっそく「ぬくい処ムルク」に向かった。

「帰ってきたウルトラマン」に登場する怪獣名に似たその店は、はっきり言ってただの居酒屋で大家族がわいわい食事を楽しむような雰囲気だった。しかしその地方らしい食材をふんだんに使用し、かなりのボリュームと意外に繊細な味がした。南国なので味はアバウト、ごってり系かと思っていたら、ゲテモノ天国のグンマとは比較にならないあっさりした味付けだ。BGMにはいかにもな沖縄ミュージックが流れていたが、知っている曲もたくさんありどれも明るい気分にさせてくれた。このコースは「くわっちー」という名前らしく「うちなー」ではごちそうという意味らしい。そういえば響きから何となく想像できる。

サーブするおじさんがとても気さくで和やかに話をしてくれた。南国の魚って「海と空」編でも写真をとったが青とか赤とかドギつくカラフルで見るのは楽しいが刺身で食べるのは「ちょっとねー」というイメージがあったのだが、マグロと並んで盛ってあった魚は素晴らしく美味しかった。おじさん曰く「白身なのに『アカマチ』って言うんです」。。。沖縄では有名な高級魚で、かなり大きくもなる魚らしい。喉が渇いていたので最初の1杯は大ジョッキを頼んだが、次はオキナワで有名な「泡盛」を勧められた。正直、私も妻もあの独特な風味と後味が苦手だったのだが、「本州からの客はそういう人が多いから」と飲みやすく蒸留されたボトルを持ってきてくれた。「島旨」というラベルから見ると冗談のような銘柄だが、ふわーっと爽やかで実に飲み易く驚いてグラスを傾けていた。そして何よりもアカマチ、そしてその周囲にある有名な「ウミブドウ」と相性が最高に良く、泡盛を勧められた理由がよく分かった。

      

基本大皿で出てくるのだが、お馴染みゴーヤチャンプルーは苦味の効いた酒のすすむ味、島のエビを使った柚子胡椒サラダは妻に気づかれないように、一緒に和えてあった嫌いなセロリ(ちなみにこちらは「好き嫌い」のレベルであって漬物のように「食べられない」レベルと違う。)を除けながらつまんだ。野菜天ぷらはゴーヤや紅イモなどとボリュームのある島の野菜を使っていたようだ。最後に黒毛和牛とごはんとアーサ汁が出てきたときにはかなりな満腹感になっていた。アーサ汁というのは島の豆腐とあおさの味噌汁で口にするとふわーっと磯の香りがして海の食べ物だなーと感じる。ボリュームはあるがどれもギトギトしていないあっさり風味でどれも島旨とばっちりの相性だ。キリンビールのようにラベルに製造店のネームが入っているこの泡盛は浜比嘉でしかお目にかからなかったが、以降この地で部屋飲みする時は泡盛にウミブドウというスタイルになるのである。

             

次のディナーは「浜比嘉キュイジーヌ」と称されるフレンチだった。前日のどっかりした郷土料理とは対照的に「ここが離島?」と思えるような洗練された「ゴージャスなコースだった。オーシャンビューの広々としたレストランの眼下には夕暮れの時間に従って色を変える絶景が広がる。ドリンクメニューに「泡盛」がなかったので、白ワインを注文したが、アミューズのミミガーの入ったテリーヌっぽいものや濃厚なエビのムース(ではなくてフロマージュというらしい)などを食すうちに「こりゃー、かなり本格的なフレンチだねー。さすがに島旨じゃ、合わねえな・・・」こちらも温野菜、スープそれぞれ食材を活かした味になっており、市場より届いたという魚(これもアカマチの一種らしい)の皮が何とも香ばしかった。このコースは「キムタカ」というネームだが、もう一つ「アマワリ」というものがあり、何のことか調べたら「肝高の阿麻和利(きむたかのあまわり)」という沖縄の伝統芸能「組踊をミュージカル化したものからとったらしい。阿麻和利とは先に訪れた勝連城の按司である。

          

以前、「秘密のケンミンSHOW」でこの地のケンミンは居酒屋などでたらふく飲んだ後「ラーメンの代わりにステーキでしめる」習慣があるため、深夜までステーキハウスが賑わうというカミングアウトを見たことがある。あの番組はグンマの「タルタルソースかつ丼」の例からして「火のないところに煙をたてる」ようなところが多いから、半分都市伝説だと思っていたが、米軍基地も多くあるし確かにステーキハウスは多く見られる。飲み屋の後は無理だが、一度本場?のステーキを食ってみようと、現地ではいくつかチェーンを構える人気ステーキハウスを予約した。アメリカンのがっつりステーキにワインを飲みたいのでホテルまでの送迎をお願いしたのだが、夕食の時間になるとあっという間に店内は一杯になった。スープとサラダバーがつく「ステーキ・ガスト」の高級版という感じで、ボリュームも味も満足だが、びっくりするくらいワインが高い。。。泡盛はあるが、さすがにステーキにはちょっと・・・周囲を見渡しても、ゆっくり酒でも飲みながらステーキを楽しんでいるテーブルは少ない。ちょっとすっぽ抜けたような気分で1時間足らずで店を後にした。

    

旅行も終盤に差し掛かり、名物沖縄そばを含む郷土料理でダメ押ししておこうということになった。いくつか口コミやガイドブックを調べて、ダイヤモンドビーチから最終滞在地那覇に向かう途中にある、沖縄そばの店にはいる。この店の一番人気は「ソーキ。三枚肉、てびち」の3種の名物豚肉料理を一度に楽しめるいかにも私好みの「うまんちゅそば」、妻は地元のおばさんのおすすめで野菜たっぷりの沖縄そばを注文した。うどんとラーメンのあいのこのような麺に豚と鰹でだしをとったスープがあっさりまったり深みをもって実に美味いものだった。最後の晩はこの旅行に相応しい沖縄のディープな郷土料理を堪能することにした。妻が食べたいと言っていた「島らっきょう」ピーナツの香が不思議な「ジーマミ豆腐」、オキナワで俄然ファンとなった「ウミブドウ」、島近海で捕れた魚の刺身、またそれらの魚のアラ煮」、もずくの天ぷらなどをずらりと並べ、「海人」を片手にうちなーをどっぷり浸かったのだった。

    

          

    

さて旅行といえばつきものの「おみやげ」である。普段あまり自分用のみやげなど欲しがらない妻が珍しく国際通りで「行きたい」と言っていた店が国際通り近くにあった。アニバーサリージュエリーを扱う店のようだ。そう言えば記念旅行でもあったから何か思い出に残るものがあってもいいな、普段は興味も持たないのだが一緒になって見ていた。5つと4つのマス目を並べる沖縄伝統のミンサーという模様がペンダントに描かれている。チェッカーフラッグのような模様だが、「5(いつ)の4(世)までも共に・・・」という意味を持つらしい。なるほど、それでアニバーサリージュエリーなのか。素材やミンサー柄の色、デザインなどを紐と組み合わせて選び、サービスで「20thAnniversary」と3人の名前を刻印してもらえた。これは中々私には思い付かなかったクールな記念になりそうだ。

  

その後国際通りを歩き回って土産を物色していた。息子甘辛を預かってくれた母親には島旨を飲んだ時に「これいいよねえ」と手にしていたグラスのそっくりの琉球グラスを探した。また息子甘辛には「思いっきり派手なシーサーの置物を買ってきてやるからな」と宣言していたが、むろんそんな修学旅行みたいなイージーミスをするはずがない。実は来春、甘辛は修学旅行でオキナワを訪れるので、若者で賑わっていたふざけたオリジナルTシャツ店で背中に「俺はまだ本気出してないだけ」とか「性格に爆弾抱えてます」と書かれたヤツを面白半分に購入し、家に帰って思い切り後悔するのはその時でいいだろう。(「健康の為なら死んでもいい」というフレーズTシャツはつい自分で買いそうになってしまった)私は沖縄オリジナルの「かりゆしウェア」にしようと色々探したのだが、かなりいい値段がするし高校生にはおっさん臭い。。。男子高校生への旅行土産など難しいものだ。

  

結局これと言ったものが決まらずにご当地オリジナルお菓子とか名物の三枚肉などを買い込んだ。ビーチでもディナーを食べながらも我々は甘辛の小さい頃の話ばかりしていたが「これじゃー、『現金がいい』と言われるかもなー」と苦笑いしていた最後のチャンス、空港の土産コーナーを物色していたら妻が「これ、いいかも」と指差したものがあった。スマートフォンのイヤホンジャックアクセサリーである。「ちゅら玉」という小さなガラス玉の中に蓄光物質が入っていて暗いところで星空のようにほんのり光る、というアクセサリーがついている。結構土産としては有名なものらしいが、この手の小細工ものが大好きな私は迷わずこれにしようと決めた。誕生月ごとにガラスの色があるから、甘辛の生まれた月の色を一つ、もう一つ同じものを違う色から選んだ。「彼女ができたらプレゼントしてお揃いで持て」ということにしたのだ。ついでに母親の誕生月のネックレスも購入した。旅先で自分用の土産を求めない私は結局今回も何も買わなかったが、最後のちゅら玉だけは買っとけば良かったと思っている。場所と種類を指定し来年甘辛が修学旅行に行ったときに買ってきてもらうことにしたのである。

   


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2 コメント

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Unknown (KICKPOP)
2014-09-09 23:32:02
どの沖縄ご飯もとっても美味しそうです。あ、海ぶどう、私も大好きです~!そして・・・師匠もセロリが苦手でいらっしゃるのですね(Me too・笑!)。苦手だけど、小さい頃から無理矢理食べさせられたから、身体にいいから一応食べる野菜、です。

アニバーサリーネックレスもとっても素敵です~。甘辛君のTシャツもNice!ですね。私も欲しくなっちゃいました。

子供抜きで出かけても結局子供の話ばかりしちゃいますよね。高校生になってから学校とソフトボールが忙しいので、夫婦2人で過ごす時間が増えたんですが、いつもブブのことばかり話しています。
Unknown (磯辺太郎)
2014-09-10 06:19:37
KICKPOP様

どれもすごく美味しかったです~(ゲテモノじゃないです)
師匠は海ぶどうご存知でしたか。恥ずかしながら私は初めての不思議な食感でした・・・ははは、師匠もセロリ嫌いですか?漬物とは次元が異なりますが、食べられはします。

アニバーサリーネックレス、デザインはよく分かりませんが、言われは中々いいな、と思いましたが実は妻も講話しいことは知らなかったようです。

そうそう、今回の旅行は子供抜きでは一番長かったんですが、いつも甘辛の話ばっかりでした。それも「亦、楽しからずや・・・」ですね。

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