葉山町インサイダー

のどかでゆったりとした毎日が過ぎてゆく。All has gone. 葉山の人のぬくもりが感じられる今日この頃です。

ごみ裁判 高裁審理は4月16日。控訴反対した葉山町議会。この請求額をどう見るか?

2012年02月08日 | 注目の裁判

ごみ裁判の東京高裁での開始通知書が葉山町にきた。これである。

期日呼び出し状、なる怖い文言である。慣れていない我々にはビックリする文書だ。

いわずと知れた横浜地裁での横須賀市・三浦市に葉山町は「395万円賠償金を払え」との判決に不服とした横須賀・三浦側からの控訴審である。

葉山町は議会の反対で控訴しなかった。控訴しなかったということは、判決を受け入れたということである。相手が控訴したから、受けて立つ、というスタンスだ。

●控訴審

・4月16日午後3時30分

・東京高裁第20民事部817号法廷。

     控訴の趣旨<横須賀市の分>

     原判決中控訴人敗訴部分を取り消す

     被控訴人は控訴人に対して更に103,165、969円及びこれに対する平成21210日から支払い済まで年5分の割合による金員を払え。

     三浦市は40,781,344円支払え、そのほかは横須賀市と同じ。

 

ここで一番注目すべきは、もう弁護士は当然のこととして言わないが、そのほかの大部分の人が気づいていない、それは請求金額だ。

原裁判     請求額     判決額     今回請求額

・横須賀市   106,465,965   3,300.000            103,165,969

・三浦市    41,431,344          650,000               40,781,344

原判決で賠償金として支払えとした金額が、もう確定数字として、今回の請求金額から差し引かれているのである。

葉山町がその判決を受け入れ控訴しないと決めたので、最低でも横須賀・三浦は395万円ゲットできるので、それを差し引いた金額で、高裁では争うという意味である。

控訴審では審理は「不服申立ての限度においてのみ」なされる(民訴304条)、

横須賀市・三浦市のみが控訴した場合は、両市に不利になるような判決を変更することはできない、民事訴訟法上の大原則 である不利益変更の禁止が適用される。

葉山町も自分に有利な判断をしてもらいたいというのであれば自らも控訴しておくべきだった。

附帯控訴(民訴293条)という後出しジャンケンの方法があるが、これは明らかに不利なのである。

議会が1回控訴するな、と決めたのだから、付帯控訴の目はもうない、とみるべきだ。

 

葉山町の議会の浅はかさが、具体的にこうして数字で明らかにされてくる。

220日開かれた葉山町臨時議会で、葉山議会は、ごみ裁判一審判決に不服とした「控訴」議案を否決した

 ●控訴賛成(3):窪田美樹、鈴木道子、守屋亘弘。


 ●控訴反対(8):田中孝男、中村文彦、荒井直彦、

          笠原俊一、土佐洋子、横山すみ子。

 

葉山町は14789万円の賠償請求金額を僅か395万円に押さえ込んだのだから、民事裁判ではこれは実質的には葉山町の勝訴だったのである。弁護士たちはこぞってそう見ているのである。

しかしマスコミは葉山町敗訴と報じた。どこに軸足を置いた報道だったのか、疑問である。

それに影響されたか、顧問弁護士の真意を聞かないで、表面的な民事法知識だけの意見を鵜呑みにしてか、葉山議会はもうその金を払えといい、控訴するな、と議決した。万一の場合は付帯控訴という手もあると。

 森町長は張本人だから、控訴するつもりだったが、議会がOKしない限り金が出ない。

だから、彼は断念した。

 

控訴に反対した議員たちは最初の葉山町答弁書を読んでいない、と推察できる。

そこにはこう書いてある

=========

本件はまさに前代見聞の訴訟である。

 憲法92条地方自治の本旨に反する。地方公共団体の施策は住民の意思に基づきおこなう という住民自治の原則は、その組織及び運営に関する基本原則であり、将来にわたって継続する施策でも、それは社会情勢の変動で変更されることがあることも当然である。地方公共団体間の共同事業は、相互の意思を尊重し、民意による変更おも想定し、これを尊重するのが原則である。首長の交代、施策変更、有権者の意思、について国家や他の地方公共団体が損害賠償を求めて、それを拘束することは原則的にできない、とするのが憲法92条の地方自治の本旨の帰結である。

 本件のような不当な請求が認容されれば、およそ地方公共団体間の共同事業は、不可能になってしまう。この訴訟の結論は、民主主義社会の根幹を揺るがしかねないきわめて重要なものなのである。

=======

憲法違反だと明言しているのである。

葉山町がこう主張しているであれば、金銭の問題は2次的な問題として、この首長の交代による共同事業からの脱退の是非、を最後まで問わなければいけない。

憲法違反だとする主張は、もう地方裁判所レベルでの問題ではない。最高裁レベルでの最終判断を待つべき問題である。

葉山町議会の上記反対した議員はそこのところを忘れて、アンチ森町長で本筋を見あやまっているとしか思えない言動をした。

葉山町民の代表である議員が、最も後世に残るであろう画期的な判断が期待される裁判を、近隣との協調を旗頭にもう裁判はやめた、とみずから途中下車したのである。

 地方自治の担い手である議員が民意の動向で政策を変えうるかという、その根本を問われていることすら気づかない情けない人たちの集団であることを、私はどうとらえていいか解らない。

残念でしかたがないのである。

 

 

 

==========

ゴミ裁判 葉山町395万円支払え。

 2市1町ごみ処理広域化協議会から森英二葉山町長が町長選挙時の公約を実行するために、脱退したのは遺憾だとして、横須賀市、三浦市が総額1億4788万円の損害賠償を求めた裁判で横浜地裁の鶴岡裁判長は12月8日判決を下した。

     葉山町の突然の脱退は「信義則」に違反する。

     1部事務組合設立の「覚書」は法的拘束力がある。

     協議会経費の3分の1に相当する金額、横須賀市の330万円、三浦市に65万円を

葉山町は支払え。

     人件費はすべて否認する。

これが地裁判決の骨子である。

ジャンル:
社会
キーワード
地方公共団体 地方自治の本旨 法的拘束力 顧問弁護士 民事訴訟法 不服申立て
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