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実物 昭和十二年改正雑嚢

2015-10-06 21:58:42 | 日本陸軍 雑嚢
久々の軍装品関係の更新です。実物 昭和十二年改正雑嚢になります。
陸軍被服品仕様聚には昭和12年11月15日改正とありますが、正確な改正年月日は不明です。
いわゆる昭和七年型雑嚢に同じく、「差込尾錠」という特殊な金具が特徴的です。



一説には、この雑嚢は昭和13年制式とする説もあります。
理由は昭和13年標題「陸軍服制第5條による服制並装具の制式中改正の件」中にそれらしき図があるからです。
図中の雑嚢は、嚢の正面下部に縫目があり、口の側面に大正三年型雑嚢のようなホックがありません。



この資料には主に昭和13年に制定もしくは改正された装備品が一覧として制式と共に記載されています。
また、それ以前に制定された装備品は図のみ記載されています。
同資料中には雑嚢の図はあれど、特に制式については触れられていません。
よって、昭和13年制式ではなく昭和12年説が有力となっています。
ちなみに、昭和13年の新聞記事では「大形にし内容量を現制に比し、約三分の二を増加す」とあります。
これは昭和12年型雑嚢を指していると思われます。
【神戸大学経済経営研究所 新聞記事文庫 軍事(45-020)、大阪朝日新聞 1938.4.14(昭和13)】


(1)蓋布
しっかりした防水帆布で出来ています。
汚れがひどかったですが、ちょっとづつキレイにしました。
金属部分はサビがひどく、サビを彫刻等で削り落とした後、再塗装しました。
リベットも腐食していたので、塗装で保護しました。







★蓋締紐基部
蓋締紐の縫いつけ基部は、長方形の中にバッテンです。
これは昭和七年型と同じです。



大正三年型は砂時計の様な形になっています。



いわゆる昭和十二年型改では横線になっています。







そして中田雑嚢(昭和十五年型)




(2)嚢(フクロ)
旧来の雑嚢よりも容量が増加します。正面からみて、輪郭をなぞるように縫い目が見えるのが特徴です。
中締紐は平紐になっていますが、昭和七年型ではこの部分も差込尾錠を用いています。
なお、大正三年型・昭和七年型にあるフクロの口を広げたり閉じたりするホックはありません。







★差込尾錠
尾錠はサビだらけで、全く動きませんでした。少しづつ金ヤスリでサビを削り落としました。
サビを落とすスプレーは生地に付着するとシミになるので気をつけてください。
この部分も再塗装を施しました。当然、洗う前に塗装しています。ラッカー塗料です。
以下の写真一枚目の状態で、蓋閉紐を差し込み、二枚目の状態で固定状態になります。
回転する金具にはギザギザがついており、紐をしっかり固定してくれます。紐が痛むのでやりません。





底面中央に縫い目が見えます。これは十二年型によく見られる構造だそうです。



蓋とフクロの連結部分は旧来の雑嚢より幅が広くなっています。
検定印ははっきり見えません。





背面です。この部分は、釣紐の縫いつけ基部に注目ポイントがあります。
大正三年型/昭和七年型まで長方形(四角形)だった縫い目は[×]に変更になります。
容量増加にともない、強度アップの必要性が出てきたのだと思います。
左が昭和十二年型、右が大正三年型です。







こちらが大正三年型雑嚢です。比較してみてください。




(3)釣金
この部分も「うなるほど」サビが固着しており、金ヤスリでガリガリ削り再塗装しました。
リベットも青サビが浮いていたので、塗装で保護しました。





★まとめ
以上で紹介を終わりたいと思います。まだまだ理解不十分な点が多いです。
いずれ資料を追加していくつもりです。





ではでは。


*オマケ
先日、少佐殿が元陸軍伍長のお爺さんにタイムマシーン(仮題)のテスト版をみせたそうです。
この方は、大戦末に砲兵として出征し、満州で指を三本なくしておられます。
実際の状況とは異なる点や、衣装の色が違うというご指摘をいただきました。
また、主人公に関して、「こんな弱い兵隊はいない!」とおっしゃられたそうです(笑)。
作中での号令のかけ方については問題なかったようです。
脚本の方は高評価だったようで、当時を知る方に観て頂けただけでうれしかったです。

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2 コメント

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Unknown (寛永)
2015-10-06 23:34:00
海軍の同時期の雑嚢と釣金の向きが逆なだけという印象がありましたが、ホックの有無や全体の縫製など細かい部分も違うんですね。
Unknown (うい朗)
2015-10-07 09:00:02
コメントありがとナス。

釣金の向きは、大正三年型は逆になってるのもあるみたいです。
君の海軍雑嚢は、昭和七年型に近い印象を受けました。
ホックは明治/大正三年型/昭和七年型までですね。

型紙がどうなってるのかわからないので、今調べています。陸海共通だったら面白いのになぁ、と思ったり。

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