8:20 登り口御在所を出発しました。雪は締まっています。気持ちよく滑ったスキーの跡が一杯ついています。
このコースは登りがきついだけに、下りは快適だと思うのですが・・・
休憩ポイントの大岩に到着。大岩の下は雪が溶けて地面が見えています。
ここは、ラビットコースと言われるだけあって、ウサギの足跡を一杯見るところですが、こぼれているウサギのフンはコメツガの幼木たちの肥料になるのだと思いました。
風があって、雪面にはダケカンバの樹皮がたくさん飛ばされていました。
スキー場が閉鎖になり、旧ゲレンデには若いダケカンバがたくさん見えます。
若いダケカンバの樹皮を風がはぎ取り、肌色の新しい樹皮はツルツルしてとてもきれいです。
大きいダケカンバの幹の樹皮はゴソゴソして、なかなかむけそうにはありません。
スキーツアーコースにぶつかった所に、複数台のスノーモービルのトレースがついていました。恵比須森の方向に続くトレースは土曜か日曜日のものと思われました。
スノーモービルのトレースは大黒森の方から続いていました。
10:47 恵比須森に到着。ここから正面の茶臼岳方向はスノーモービル乗り入れ規制区域であるため、この人たちは自然公園法違反ということになります。
複数台のスノーモービルはスキーツアーコースを通り、正面に見える雪面にたくさんのトレースを残していました。この稜線の向こうが黒谷地湿原ですが、確認のため黒谷地湿原に向かうことにしました。
黒谷地湿原手前のオオシラビソは雪を落とし、身軽な姿に変わっていました。
黒谷地湿原にスノーモービルのトレースはついていませんでした。
右側に冬の指導標194番が見えています。展望台はすっぽりと雪に隠れています。
指導標211番と右側に見えるのは古い指導標で211番と読めます。手前のものは昭和30年代に取り付けられたものだそうです。
12:23 源太森(標高:1591m)に到着です。周辺の樹氷は落ち加減ですが、八幡沼や山頂方向の樹氷はまだ白く見えています。
風をよけて源太森の北側斜面で昼食を摂ると、足は自然に樹氷の八幡沼方向に向いてしまいました。
八幡沼のふちに立っています。特に予定はしていなかったのですが、沼の氷はどうなっているのかな、と気になってしまいました。
さっそくスコップで雪堀にかかります。
雪面から70㎝ほど掘ったところで氷にぶつかりました。
大沼と違うのはシャーベットの層がないことです。
ドリルはなかったのですが、スノーソーの先で突くと刃がすっと入りました。
30㎝四方に氷を切り出そうと思います。
しかし、刃は氷の層を貫通していません。刃が短かったのです。
残念。
それでもソーの切れ味は抜群で、雪の層は豆腐を切るようにスッスッと刃が食い込んで、ついつい八幡沼に記念のモニュメントができてしまいました。
八幡沼の周りはまだ見事な樹氷原、八幡平の山頂方向も樹氷はまだいいようです。
秋田側に降りたいなと思いながらも、戻りの時間なので名残惜しくはありましたが、後を振り返りながら戻っています。
風紋の跡に残るテンと思われる足跡。くっきり残る肉球の跡が吹きさらしの雪の世界に「生」を感じる、と思ったのです。
雪面に残る一つ一つの盛り上がりはウサギの足跡です。
と、ホシガラスが飛んできました。
正面に茶臼避難小屋が見えてきました。
14:51 茶臼避難小屋到着です。
右側の茶臼岳(標高:1578m)と岩手山(標高:2038m)です。
16:07 登り口の御在所に到着です。
快適と思ったスキー滑走は表面の固い雪に苦心しました。
今日から始まったアスピーテライン岩手県側の除雪が、ゲートまで終わっていました。
八幡平の「春」が本格的に始動したようです。
八幡平、茶臼岳、三ツ石山、大深岳の4コースで行われた冬山巡視は今日で終了となりました。
晴天に恵まれれば快適ですが、ラッセルと視界不良は結構厳しかったです。
あべ