食料安全保障に関するピウラ宣言~「食料自給原則」「食の安全・安心原則」を国際原則とすべきです

私がTPPに強く反対する理由の中に、「日本農業の自給率・自給力の著しい低下」と「GMO遺伝子組み換え食品・成長ホルモン畜産品等の流通拡大」がありますが、これらは日本だけの問題ではなく、「食料自給原則」と「食の安全・安心原則」は国際原則にすべきだと思います。

外務省のHPの、「日本と世界の食料安全保障」の項では、
「食料安全保障は、すべての人々が、いかなる時にも、活動的で健康的な生活に必要な食生活上のニーズと嗜好を満たすために、十分で安全かつ栄養ある食料を、物理的にも経済的にも入手可能であるときに達成される/all people,at all times, have physical and economic access to sufficient, safe and nutritious food」
と書かれています。

また、同じく、「日本における総合的な食料安全保障」の項では、
「国民に対して、食料の安定供給を確保することは、国の基本的な責務です」

「国内の農業生産の増大を図ることを基本とし、これと輸入及び備蓄とを適切に組み合わせ、食料の安定的な供給を確保することとしています」

「世界的な人口増加等による食料需要の増大、気候変動による生産減少など、国内外の様々な要因によって食料供給に影響を及ぼす可能性があり、食料の安定供給に対する国民の不安も高まっています」
と書かれています。

外務省HP「食料安全保障」には、2016年9月にペルーで開かれたAPEC(アジア太平洋経済協力)の第4回食料安全保障担当大臣会合で、APEC食料安全保障に関するピウラ宣言が掲載されています。

ピウラ宣言には、
「我々は/小規模農家、小規模漁業者、零細・中小企業を含む食料生産者をエコノミー内またはグローバルなフードサプライ・バリューチェーンに組み入れること/APECがこれらの課題への対処に貢献できると確信する

「我々は、エコノミー間またはその中の地域間で食品安全のためのアプローチや要求が異なる可能性があることを認識し、ヒト、動物及び植物の生命並びに健康を守る正当な目的を満たす強固な科学的根拠に基づく食品安全システム増進のための共通の土台の追求及び開発に引き続きコミットする。一方、その適用は、貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)及び衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)のような協定の下で、WTOの権利と義務に則り可能な限り最小限に貿易制限的なものとする」

「家族農業者や小規模農家は、フードシステムにおいて中心的な役割を果たし、農地や漁業の大部分を管理し、食料のかなりの部分を生産している/我々は、小規模農家の地方、地域及びグローバルな市場との連結は、貧困削減、所得増加、食料安全保障の改善及び生計手段の選択肢の拡大に関する潜在力を持つことを認識する」
等々の記述があります。

私は、TPPが漂流した今、RCEP(東アジア包括的経済連携/ASEAN+6(日中韓印豪NZ)が当面の重要経済連携ですが、多くがAPEC参加国でもあるので、このピウラ宣言に示された食料安全保障、小規模農家等への配慮、食品安全システム等が十分に反映され、「食料自給原則」「食の安全・安心原則」が今後の国際経済システムにおける国際原則となるように、日本政府は全力投球すべきだと思います。

●外務省HP「食料安全保障」「日本と世界の食料安全保障」

ピウラ宣言

 

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