どこまでも続く独り言

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夢の欠片を運んできたはやぶさ

2010年06月15日 16時17分19秒 | 時事ネタ
小惑星探査機はやぶさが6月13日の夜、母なる故郷の空をみつつ帰還、消滅しました。

7年間に及んだはやぶさプロジェクトはここにいったん幕を下ろします。

既に様々な記事に記載されているので、私の気持ちのみをここに記していきたいと思います。

宇宙の謎を解き明かした後にビジネスになるでしょうか?
一昔前なら戦争と称して領土拡大などを自分の利権に変えていったりしたことでしょう。

今回のはやぶさの目的はなんだったのか、もちろん細かな目標はJAXAからも発表されています。ですが、今この研究が私たちに直接富をもたらすわけではありません。
何度もここにも書いてきたと思うのですけど、目の前の利権だけで様々な事を運営してはいけないんですよ。生きるためには「今」「未来」なんです、過去は過去なんですよ。

はやぶさが残した軌跡と奇跡は私たちの次の世代にしっかりと受け継がれるべき現代の遺産です。くだらない権力争いや汚職、道徳観無視の法制度等、あなた達は今その瞬間に何をしてるんですか?

それぞれにそれぞれの意見があることでしょう。価値観も違えば生き方も違う、ですが国家に所属する以上何かの集合体の中で生きていることに変わりはないんです。

戦争が終わり60年過ぎ、過去の生き証人たちが消えていく中で新しい枠組みを作るべき方々が何やってんです。

JAXAはアメリカやロシアが膨大に費用をかけて宇宙研究をしている中、一握りの予算で世界的規模の偉業をやってのけました。この方々は日本人です、日本の国家の為に動いた彼らの遺産を今後誰が引き継ぐのでしょうか。ほかならぬ日本人ではないのでしょうか?このまま予算を削り、貴重な技術遺産が海外に流れていくのを国家は黙って見過ごすのでしょうか。

はやぶさの技術制作担当企業にはNEC、三菱重工、古河電工など和製企業の名前がズラリと並びます。はやぶさは日本企業の技術の結晶なんです。
平和な時代が長く続き、国家という言葉の垣根が薄れてきているとも思えますが、歴史は途切れることなく続きます。社会主義が崩壊し、資本主義になりましたがその資本主義も決して盤石ではないでしょう。

日本という国は技術大国と呼ばれてきました、ですが今はかなり平凡な国になってしまっています。これは世界的に技術力が向上していることももちろんありますが、安定期に入ってからの日本が成長を止めてしまった事にも大きな原因があると私は考えます。
新しい事への挑戦、ライト兄弟やノーベル、様々な出来るわけない、を覆してきた技術者の未来をここで消してはいけません、国家の損失になります。

はやぶさと他の事柄を比較するつもりはありません、ですが、見習うべき部分はかなりあるでしょう。川口教授もおっしゃっています、「あきらめないこと」ここはすべての可能性ある事に向けての目標の言葉にもなるでしょう。

私は宇宙が好きです、生きている間に行けないでしょうけど、空を見上げて考えることは大人になってもなんら変わることはありません。今回のはやぶさの7年越しの帰還は私の人生の中でもう体験できることではないかもしれません。はやぶさ2の計画があるようです、仮に15年までに打ち上げられて10年越しに戻ってきたとしたら、また感動を味わえるかもしれませんね。そのとき私は50歳を超えてしまっています。

次の世代の人たちが今の技術を引き継ぎさらに大きな目標に向かって羽ばたいていく、はやぶさの大気圏突入の焔(ほむら)はまさに不死鳥(フェニックス)と言えると私は思います。私の瞼にやきついて今も離れません。

一つの歴史が終わり、新たな歴史がすでに始まっています。何が重要で何が不要なのか、もう一度国家レベルで考えてみませんか?

はやぶさが残した最後の地球の写真、まさに目を閉じようとしているようで機械とはいえ、心が灯るのかと普段ではありえない感傷を持ちましたよ。

おつかれさまでしたとともに、夢の欠片を運んでくれてありがとう。

次に繋げていきます。











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