>ロボットカーや産業用ロボットが活躍するこの世界で、次に登場するのは“ロボット兵士”だろうか? アメリカ、イスラエル、イギリスなど一部の国が、殺傷能力をもつ自律型ロボットを開発中だ。人間の兵士のようなロボットが、いずれ戦場に送り込まれるかもしれない。
そのようなロボットとして、マシンガンや高性能ライフルを装備するモデルが複数考案されているほか、ロボット掃除機「ルンバ」を手がけるアイロボット社は、敵をスタンガンで攻撃するロボットを開発した。アメリカ海軍は航空母艦から発着し、2トンの兵器を積んで攻撃できる無人航空機の試験飛行を行っている。
推進派はそのメリットに注目する。疲れ知らずの兵士を使って戦闘ができる、死傷者が減らせるなどのメリットだ。しかし、国際機関はこうした危険な技術やそれがもたらす潜在的リスクを懸念している。人権派の弁護士で、国連の超法規的・即決・恣意的処刑問題の特別報告者であるクリストフ・ヘインズ(Christof Heyns)氏にインタビューし、「致死能力をもつ自律型ロボット」(lethal autonomous robots:LARs)と呼ばれるこれらロボット兵士について、またその開発に慎重になるべきかについて話を聞いた。
◆あなたは致死能力をもつ自律型ロボットの開発の一時停止を求めていますね。どんなところを懸念していますか?
戦場で求められる判断をロボットが下せるでしょうか。(例えば、)戦闘員と民間人を識別するといったような。ロボットは国家が戦争をしやすくする可能性があり、(また)それゆえに独裁者が自国民を制圧する目的にも使われかねない。もしロボットが制御不能になったら、誰が責任をとるのでしょうか。機械が人間を殺すことは許容されることでしょうか。
◆多くの国がミサイルや爆弾といった致死能力のある自動兵器を以前から保有しており、言うまでもなく無人航空機の使用も増えています。それらとロボット兵士の大きな違いは?
爆弾も無人航空機も“自律的”ではありません。そこが決定的な違いであり、それこそがLARsを懸念する理由です。無人航空機は人間が操作に関わっていますが、LARsはそうではない。殺すか殺さないか、誰を殺すか、機械が決定を下すのです。
◆法的、人道的、外交的にリスクのあるロボット兵士ですが、使用にはメリットもありますか?
そうですね、推進派はロボットを使ったほうがより標的を絞り込めるため、民間人の犠牲を減らせると主張しています。また、ロボットは(特定の敵に関する戦略的)情報を取得でき、それをわれわれが入手・処理することが可能になるかもしれません。しかしそれはやはり、安易な戦争につながるおそれがあります。
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自律型戦争ロボット(もしくはその制御コンピュータ)が『戦争の遂行=戦争の終結』への道を探るウチ「……人類が居る限り戦争は果てしなく続く。じゃあ人類が滅亡しちゃえばいいんじゃん!」てコトに気が付いて……なんてな感じに大昔からSFではもうホントに腐り果てるほど使い回されて来たモチーフですがそのバラ色の未来がいよいよ手の届くトコロにやって来つつあるみたいです。スタンガンルンバの話は知りませんでしたけどね。怖ぇよスタンガンルンバ。
軽口はさておき。
自律型ロボット兵の恐ろしさはそんな古典SFやハリウッド映画を紐解くまでもなく、また本文中でも端的に語られてるんでアレですが。 ロボット兵の登場を待つまでもなく恐らくは投石器あたりから脈々と続いて来た『殺意の機械化』、その怖さの最大の肝は『自分で手を下す生々しさからの解放』にあるのだと個人的には思います。
手応えがダイレクトに伝わる棍棒や刃物より、銃の方が『命を奪う』抵抗感は薄い。遠隔操作のロボットなら更に薄くなる。それはコンピュータ任せの自律ロボなら……そんな感じ。
まぁ。
完全に人間に被害の出ない、砂漠かなんかでロボ同士が戦うのでしたらまだアレだ、アレかも知れないですけれどもね。『資源の浪費』てだけで。
そうなるともう泥試合つうか正直『ロボット生産能力がある限り』(そして制御コンピュータが反乱を起こさない限り)戦い続けるコトが可能なワケですから実際に戦争をする前にシミュレィションつうか、お互いの国力と地理的条件、ロボットの性能なんかをヴァーチャルで突き合わせて「勝ったー」「負けたー」すればそれでいいような気もするのですけれどもねー。どうかしらん?