中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

休職中にやることを整理すると

2015年12月24日 | 情報

今回は、会社側にも、休職者側にも共通する、基本的な事項の確認です。
うつ病等の精神疾患をり患し、残念ながら当事者が休職に至った場合に、考えなければならないことは、
以下の3つに整理することができます。
すなわち、①治療、②生活、③社会復帰、です。

まず、はじめは治療です。当然のことなのですが、病気を治療しなければなりません。
精神疾患には、精神科やメンタルクリニック等の医療機関が対応することになります。
ところが、そう簡単には、事が進みません。
誰にも、内科や歯科には、お世話になった経験が多数あるでしょうが、
精神科やメンタルクリニック等の医療機関は、初めてという方がほとんどでしょう。
ですから、精神科やメンタルクリニック等の医療機関が何処にあるのかを探すことから始めなければなりません。
そして、どの医療機関が信頼できるのか、わたしの病気を的確に治療してくれる機関は、どこなのか、
全く手探りの状態におちいることになります。これは、致し方ないことなのです。
実際、納得のいく精神科医に巡り合えないで、いくつものクリニックを渡りあるくことは、珍しくないようです。
ですから、ここでは会社側の支援が必要になるのです。たとえば優良な医療機関の紹介などです。

次に、生活です。
大企業では、休職中でも手厚く支援する制度が整っている場合もありますが、中小の場合は、そうはいきません。
もちろん、労災認定されれば公的な支援は万全ですが、ほとんどの場合は、私傷病扱いですから、休職すれば無休になります。
そこで、最初に登場するのは、健康保険に規定されている傷病手当金です。
傷病手当金は、1年と6か月間、収入の約6割が保障されるという公的支援制度です。
しかし、その後はどうなるのか。それが、厚生年金保険制度にある、障害厚生年金の受給ということになります。
実際には、傷病手当金までは、会社側が、当然に関与するのですが、
障害厚生年金の受給手続きまでは、どういうわけか、会社側が支援しないことが多いのですね。
受給手続きは、当事者にとっては初めて尽くしですから、会社側の支援を期待したいと考えます。
これらの公的な支援で、最低限の生活レベルを確保することになります。

最後が、社会復帰です。休職中であれば、「復職」、在職していた企業を退職した場合は、「再就職」ということです。
「復職」の場合は、在職する企業の就業規則等に従って、職場に戻ることになります。
復職前のリワークですとか、企業側が関与する職場復帰支援策などが相まって、復職にこぎつけることが可能になります。
また、「再就職」の場合は、ハローワーク等の公的機関の支援に基づき、新たな就労先を探すことになります。
ここで強調したいことがあります。精神疾患をり患した方々が強く望むことは、
公的な支援を受ける立場から、就労を果たし社会貢献できる立場に転換することなのです。
たとえ、障害者枠での雇用でも良いのです。
180度立場が変わるわけですから、再就労を希望する方々の立場、思い入れ、心境を理解してあげてください。
ところが、企業側のみなさんは、このことを意外と理解していない様子が窺えます。

以上のことを、意外と整理できていないことが、会社側にも、休職者側にも共通して受ける印象です。
以上のように整理してみると、ごく当たり前のことばかりなのですが、今回、あえて簡単に整理してみました。

 

 

 

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