中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

発達障害の理解が足りないと

2017年08月08日 | 情報

最近では、うつ病等の気分障害に加えて、ADHD(注意欠如多動性障害)や
以前アスペルガー症候群(AS)と言われたASD(自閉症スペクトラム)等に代表される発達障害が、
経営上、人事労務管理上の問題になっています。

小職は、うつ病等の気分障害については、にわか知識がありますが、発達障害は現在、にわか勉強中です。
しかし、中小規模の企業においては、もっと知識がないと考えられます。
格好の例題として、日本電気事件(東地判H27.7.29 )(労判1124号5頁)をあげます。
当事件の発端は、平成22年ですから、まだ「発達障害って、なに?」という状況だったでしょう。
結果として、解雇が正当とされてしまいました。(現在、原告が控訴中の事案です。)

しかし、企業にアスペルガー症候群(AS)に対する理解があれば、まったく異なる対応ができたとことでしょう。
発達障害の方には、ある特定分野で特異な才能を発揮するとされいます。
小職も、ある事例を承知しています。
企業・事業所で、毎日のように遅刻を繰り返す従業員は、社内秩序を乱しますし、
就業規則に則っても解雇の対象になります。
しかし、当従業員は、OA分野で高度な才能があり、中小規模の企業においては、貴重な人材でありました。
経営者は、助言を得て、解雇せずに、貴重な才能を生かした職に就かせることとしました。
相変わらず、遅刻する癖はなおりませんが、会社側は「それをよし」として、現在も有用な従業員として就労しています。
みなさまは、中小規模の企業にとって、
毎日定時出社する従業員と、得難い才能を有する従業員のどちらを重用すべきと考えますか?

平成29年の現時点であれば、日本電気ほどの大企業ですから、当然に対応は異なっていたでしょう。
しかし、多くの中小規模の企業では、今でも当事件と同じような対応をしてしまうのではないでしょうか。
採用時点で、発達障害であることを見抜くのは、とても難しいといわれています。
さらに、採用試験の時点では、とても優秀な結果を残しますし、優秀な印象を与えます。
御社では、どのような対応を考えていらっしゃいますか?

 

 

 

 


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