中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

数字は語る②

2017年09月19日 | 情報

「数字は語る①」の続編です。
当ブログでも、再三紹介している、自殺者数の発表数字です。
警察庁の調べでは、平成28年度における自殺者は、21,897人、
そのうち6,324人(全体の28.9%)が「被雇用者・勤め人」でした。
「被雇用者・勤め人」のうち、自殺の原因が「勤務問題」であるものが、1,657人(26.2%)でした。
即ち、警察庁の調べでは、実質1,657人が「労災」が原因で、自殺したとしています。

前回のデータでは、メンタル不調による労災認定件数は、
28年度:498件、27年度:472件、26年度:497件、25年度:436件、24年度:475件、であると。
平成28年度のメンタル不調による労災認定件数は、498件、
一方で、「労災」が原因で、自殺したのは、1,657人であると。
もちろん、自殺された労働者(家族が代行)が、労災申請して認められるための手続は、
相当に難渋されるということを想定しても、双方の数字には大きな開きがあります。

このうつ病患者数と、自殺者数、労災認定数のギャップについて言及する、マスコミ、有識者は殆ど皆無です。

(再掲)6割は労災認められず
2017年06月13日

精神疾患に伴う労災申請は、年々増加しています。
新聞報道によると「6割は労災認められず」とあり、その原因は、「画一的な認定基準」にあるとしています。
確かに、認定基準に従わない裁判例もあり、部分的には、「画一的な認定基準」に原因を求めることもできますが、
大概は、そうではないのですね。
当職は、以前にもたびたびこの問題に触れています。

労災は、当事者である労働者が労基署に対して申請しなければならないのですが、
けがなどの多くの労災は、実務上、会社側が申請を代行しているのです。
会社側が代行するほうが、双方にとって、いわば「手っ取り早い」からなのです。
ところが、精神疾患は、表面上、労災か私傷病かは、俄かに判断できません。
これは、止むを得ないことなのですが、会社側は、このことを逆手に取り、
「精神疾患は、私傷病」と決めつけて処理してしまうのですね。
即ち、会社側は、労災申請の手続に、一切関与しないのです。
ところが、
・労働者には、そもそも精神疾患をり患したことが、労災ではないかという認識がない
・労働者には、労災申請のための証拠集めが難しい
  特に、ハラスメントの場合は、言った、言わない、の水掛け論になる
・労働者には、労災申請の方法が分からない
等の理由により、当該労働者が精神疾患をり患した原因が業務上ではないかと考えても、
事実上、労働者(≒従業員、社員)は、自らの努力で、労災申請しなければなりません。
しかし、労働者にとっては、労災申請のための手続きのハードルが、極めて高いのが現状なのです。
このようなことから、「6割は労災認められず」という結果になってしまうのです。

 

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