中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

(参考)ABCDE理論

2017年03月30日 | 情報

当職の勉強のために、アップしました。
参考までに申し上げると、当ブログの目的のひとつは、当職の勉強と資料保存のためにあると考えています。
言わずもがなですが、当ブログをご覧いただいている皆さまも、ご自分のブログを立ち上げることをお勧めします。

日経Gooday 30+
気付けばネガティブ思考 脱却に役立つABCDE理論って 
後ろ向き思考のクセを直したい(前編)

上司に注意を受けるとひどく落ち込み、自分が嫌われているせいだと思ってしまうあなた。
どうすればそんな「後ろ向き思考」の癖を改め、物事を前向きに考えられるようになるのでしょうか。
帝京平成大学現代ライフ学部教授の渡部卓さんに伺いました。

人にはそれぞれ、物事の考え方や受け止め方にその人なりの傾向や癖があります。
そうした思考の癖は、その人の育ってきた家庭や職場環境、受けた教育や人間関係、成功・失敗の経験などから
形成された価値観などに左右され、十人十色です。ただそれを将来に向けて変えていくことは可能です。
特に、物事の悪い面にばかり着目しがちな人は、「ABCDE理論」と呼ばれる手法を身につけることで、
徐々に物事を多面的に捉えられるようになります。

■「悪い思考の癖」を自問自答で修正していく
ABCDE理論は、臨床心理の権威である米国のアルバート・エリス博士が提唱した認知療法の一つです。
ABCDEは、それぞれ次のような意味を示します。

ABCDE理論
A=Activating Event(出来事や外部からの刺激)
B=Belief(受け止め方、認知、解釈)
 RB=Rational Belief(合理的な良い思考)
 IB=Irrational Belief(非合理的な悪い思考)
C=Consequence(結果)
D=Dispute(反論、または「Dialogue」として自問自答)
E=Effect(効果や影響)

Aの出来事は現実に起きた事実で、変えることのできないものです。この事実をどう捉えるかは、Bの受け止め方次第です。
Bの受け止め方には、合理的な思考(Rational Belief=RB)と非合理的な思考(Irrational Belief=IB)があります。
合理的な思考はストレスを生みにくい「良い思考」、非合理的な思考はストレスを生みやすい「悪い思考」といえます。
このBの受け止め方は、自分で変えることができます。
つまり、事実を変えることはできないものの、受け止め方=認知は変えられるのです。
認知のしかた(B)によって、Cの結果は良い方向にも悪い方向にも変わります。
そして、自分の思考をストレスを生みにくい良い思考へと切り替えていくために、DとEのプロセスがあります。
DはオリジナルではDispute(反論)と定義されていますが、日本人にはきつく感じる印象があるため、
私はこのDをDialogueのD、つまり自分との対話、自問自答と置き換えています。Dによって、Eの効果や影響が生まれます。
つまり、出来事(A)に対して、悪い受け止め方(B/IB)をしたことによって、
不安やストレス、怒りや不満といったネガティブな感情を持ったときに(C)、自分の受け止め方を自問自答して(D)、
多面的に捉えて良い受け止め方(B/RB)に修正すると、適切な感情や行動が生まれる(E)…というのがABCDE理論の一連の流れです。ABCDE理論の過程は、その人の性格やその場の状況に応じても変わってきますが、分かりやすい例を挙げてみましょう。

「ABCDE理論」による考え方の例
A(出来事)
上司に提出した報告書のミスを指摘された。
  ↓
B(受け止め方)/ IB
上司は些細なミスでもすぐに指摘する。これくらいのミスは誰にでもあることなのに、私ばかり注意を受けているような気がする。
  ↓
C(結果)
自分ばかり注意する上司に対して怒りを覚え、「私を嫌っているのではないか」と不安にもなる。
  ↓
D(反論、自問自答)
上司は本当に私のミスばかり指摘しているだろうか。ミスがあれば、ほかの人でも同じように指摘しているのではないか。
私がミスを指摘されるのは、それだけ不注意なミスが多いせいかもしれない。
  ↓
E(効果や影響)
上司からミスについての注意は受けるが、私の仕事の能力や人格そのものを否定されるような叱り方はされていない。
まずは不注意によるミスをなくすように努力してみよう。

ABCDE理論は時折、ネガティブなことをすべてポジティブに反転していくものだと思われることがありますが、
決してそうではありません。どのように捉えてみてもポジティブになれないときは、
前向きにあきらめるように受けとめる場合もあるでしょう。
ABCDE理論はあくまでも、事実を客観的に俯瞰(ふかん)し、それまで一面的だった受け止め方を、
多面的に捉えていくための手法なのです。
ABCDE理論を活用して物事を多面的に捉えるようになるために、読者の皆さんにお勧めしたいのは、日記をつけることです。
私も「メンタフダイアリー」というABCDE理論を応用した日記のフォーマットを考案していますので、
後編では、そのフォーマットに沿って日記の書き方を紹介しましょう。

■この人に聞きました
渡部 卓(わたなべ たかし)さん
帝京平成大学現代ライフ学部教授、ライフバランスマネジメント研究所代表、産業カウンセラー、エグゼクティブ・コーチ。
1979年早稲田大学卒業。米コーネル大学で人事組織論を学び、米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院でMBAを取得。
複数の企業勤務を経て、2003年会社設立。職場のメンタルヘルス対策、ワークライフコーチングの第一人者として活動する。
著書に「折れない心をつくる シンプルな習慣」(日本経済新聞社)など。

マイナス思考からの脱却に 効果的な「日記習慣」 
後ろ向き思考のクセを直したい(後編)

何かあるとすぐに後ろ向きに考えたり、悪いほうに捉えてしまったりする癖を、どうすれば改め、
物事を前向きに考えられるようになるでしょう。帝京平成大学現代ライフ学部教授の渡部卓さんに話を伺いました。
今回は、前編「気付けばネガティブ思考 脱却に役立つABCDE理論って」で紹介したABCDE理論を
活用して物事を多面的に捉えるようになるために役立つ、日記の書き方を紹介しましょう。

■「日記」の習慣で自分を見つめる

ABCDE理論を活用して物事を多面的に捉えるようになるために、読者の皆さんにお勧めしたいのは、日記をつけることです。
以前「抱え込みがちな仕事や不安 上手に手放すには?」の記事で、不安を手放す方法として「コラム法」をご紹介しましたが、
コラム法の多くはABCDE理論に基づいています。
私も「メンタフダイアリー」というABCDE理論を応用した日記のフォーマットを考案していますので、
活用していただければ、心の状態を客観視できるとともに、自分の思考の癖が見えてくるので、
悪い思考の修正を図るのに役立ちます(ちなみに「メンタフ」というのは「メンタルタフネス=ストレス耐性」を意味する造語です)。
メンタフダイアリーは次の9項目に従って記入していきます。各項目のポイントと、前編で紹介した例での書き方を紹介しておきましょう。

1. 気になった出来事
「悲しかった」「ショックだった」「なんとなくモヤモヤした」など、心にひっかかる出来事があったときに、
いつ、どんな状況で、どんなことがあったのか。誰にどんなことを言われたのかなど、出来事の内容を具体的に書き出します。
その際、主観や想像は交えず、客観的な事実だけを書くようにします。
2. そのときの気分
[1]の出来事について、自分がどんなふうに感じたかを書きます。
例えば、「怒り」「嫌悪」「悲しみ」「驚き」「恐怖」「落ち込み・不安」といった感情に照らしてみるといいでしょう。
3. その気分の強さ
最悪の気分の限界を100%として、どのくらいの不快だったかを指数化して書きます。
「怒り85%」や、「怒り70%、悲しみ30%」など感情を組み合わせても構いません。
4. そのとき頭に浮かんだこと
そのとき頭に浮かんだこと、とっさに感じたことを書きます。
5. なぜそう考えたのか
なぜ[4]のように考えたのか、その理由を思い起こして書きます。
6. もう1人の自分ならどう思うか
[5]での自分の考えを客観的に見直します。これは、ABCDE理論でいえば、自分の認知(Belief)に反論
あるいは自問自答する(Dispute, Dialogue)ステップです。
7. 現実的な着地点
現実的な心の落としどころを書きます。
8. 気分の強さの変化
[3]で書いた気分の強さが、今はどう変わったか。変化を点数であらためて記入します。
9. 自分の考えはどう偏っていたか
[1]の出来事について、自分の受け止め方がどう偏っていたかを書きます。

これを実際にメンタフダイアリーとして書き込んでみたのが、次ページで紹介する例です。
メンタフダイアリーは2007年に書籍として出版されていますが、
近年ではストレス対策への関心が高まっている中国でも出版されました。
認知療法を解説した書籍は中国では珍しいようで、多くの読者から役立ったという感想が寄せられています。
「メンタフダイアリー」の記入例
ストレスを感じたことなどを記録し、その原因や背景を考え、自分の捉え方を客観的に見直し、
思考の癖や歪みを認知療法のステップを活用して修正していく方法は、欧米では「セルフヘルプカウンセリング」と呼ばれています。
近年では、インターネット上やスマートフォンのアプリケーションで認知療法によるセルフヘルプカウンセリングが
可能なアプリケーションの開発も進んでいます。
プライバシーに十分配慮されていれば、このようなサイトで蓄積された心理プロセスでのデータベースは
貴重な情報データベースとなります。
そしてこれを将来はAI(人工知能)を組み合わせながら、安価で汎用性をもったセルフヘルププログラムの開発が
産学官の連携により実現することを私は期待しています。
メンタフダイアリーの構造はシンプルなので、手持ちのノートなどに記してみてもいいですし、
パソコンやスマートフォンなどでフォームを作って記録してみてもいいでしょう。
すぐに実践できるセルフヘルププログラムのツールとして、活用してみてください。

【まとめ】
・考え方や受け止め方にはその人なりの傾向や癖があるが、変えていくことはできる
・「ABCDE理論」の実践で、 一面的な考え方を、多面的な捉え方に変えていくことができる
・自分の考え方の癖を修正するには「日記」も有効。「メンタフダイアリー」のように
  自分を客観視できるよう構造化された日記を活用してみよう

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