中小企業の「うつ病」対策ー人、資金、時間、情報に余裕がない

企業の労働安全衛生、特にメンタルヘルス問題に取り組んでいます。
拙著「中小企業のうつ病対策」をお読みください。

再就労について(続編)

2014年04月07日 | 情報
再就労を含めて、精神障害者の雇用については、(独)高齢・障害者雇用支援機構が発行しているパンフレット、
「精神障害者の雇用支援策・事業主のみなさまへ」が、参考になります。
http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/237674/www.jeed.or.jp/disability_data/policy/download/enterprising.pdf

<精神障害者の雇用支援策>
精神障害者は、新しい場面や環境への適応に時間がかかる、緊張しやすく疲れやすい、作業能率に波がある等の特性があり、
こうした特性にあわせた支援策、事業主の雇用管理の負担感を軽減するための支援策が実施されています。

精神障害者の雇用管理相談
公共職業安定所(ハローワーク)、地域障害者職業センターでは、
精神障害者の特性に応じた職務の開発や職場の体制整備等、精神障害者の雇用管理に関する事項について事業主の皆様からの相談に応じています。

精神障害者の雇用支援策
求職の準備段階から就職後の職場定着、あるいは休職後の職場復帰段階まで、
精神障害者の雇用支援策には様々なものがありますが、事業主が主に活用できるものとしては次のようなものがあります。
ご利用に当たっては、最寄りのハローワーク、地域障害者職業センターまたは都道府県障害者雇用促進協会等にご相談ください。

【求職の準備段階における支援】
○職業準備支援事業(自立支援コース等)
地域障害者職業センターにおいて、就職または職場復帰をめざす精神障害者に対し、
社会生活技能訓練(SST)等の準備支援を行うことにより、職場環境への円滑な移行、適応が図られるよう支援します。
(問い合わせ先:地域障害者職業センター)

○職場適応援助者(ジョブコーチ)事業
就職前の職場実習段階や職場定着、休職後の職場復帰段階に障害者が職場に適応できるよう、
職場適応援助者(ジョブコーチ)が一定期間、事業所に出向いて直接支援を行う事業です。
障害者に対する支援だけではなく、事業主や職場の従業員に対しても障害者の職場定着に必要な助言等を行います。
(問い合わせ先:地域障害者職業センター)

【雇い入れにあたっての支援】
○障害者試行雇用事業(トライアル雇用)
事業主に障害者を短期間(3ヶ月)試行的に雇用してもらうことにより障害者雇用のきっかけづくりを積極的に推進し、
その後の一般雇用への移行を促進しようとするものです。
試行雇用期間中には、事業主に対し奨励金(1人当たり1月5万円)が支給されます。(問い合わせ先:ハローワーク)

○特定求職者雇用開発助成金
精神障害者を新規に雇い入れた場合に、雇い入れから1年6ヶ月間(短時間労働者の場合は1年間)、
精神障害者に支払った賃金の1/3(短時間労働者の場合は1/4)を助成するものです。(問い合わせ先:ハローワーク)

【雇用継続のための支援】
○職場適応援助者(ジョブコーチ)事業
【求職の準備段階における支援】をご参照ください。

○障害者雇用継続援助事業に基づく助成金
事業主が中途障害者の雇用を継続するため、職場復帰に当たっての職場適応措置等を行う場合、
これらの措置に要する費用について助成を行います。(問い合わせ先:都道府県障害者雇用促進協会等)

○ 重度障害者介助等助成金(業務遂行援助者の配置)
精神障害者の雇用に際しては、障害者の状況にあわせて作業指示等を行ったり、
障害者のことをよく理解し本人が気軽に相談することができるような担当者を配置することが良いと言われています。
そこで、新規に雇い入れた精神障害者が作業遂行する際に、必要な指導援助を行う者(業務遂行援助者)を事業所で配置した場合、
採用後3年間は障害者一人につき月3万円、4年目以降10年目まで月1万円(短時間労働者の場合はそれぞれ半額)を支給します。
(問い合わせ先:都道府県障害者雇用促進協会等)

精神障害者が適切なサポートを受けながら安定的に就労を継続するためには、周囲の理解と協力が不可欠であり、
職場において精神障害者であることをオープンにすることがポイントであるといわれていますが、
そのためには精神障害者に対する差別と偏見を解消していくことが何より重要です。

◎ 精神障害者が安定的に就労を継続するためには、周囲の理解と協力が不可欠です。
精神障害者が職場に定着または復職し、安定的に就労を継続するためには、
事業主が労働条件や職場環境について障害者の障害特性に応じた配慮を行うほか、職場の上司・同僚等の理解と協力を得ることが必要です。
そのためには、障害者本人が自らの障害を周囲にオープンにする必要がありますが、
職場に精神障害者に対する誤解や偏見があった場合、障害を自らオープンにすることは困難であるため、
職場における誤解や偏見をなくしていく努力が必要です。
厚生労働省の検討会においては、精神疾患を正しく理解するための指針として「こころのバリアフリー宣言」をとりまとめています。

<精神障害者の雇用・生活を支援する専門機関>
精神障害者の雇用管理上の悩みや医療や生活面での問題などについては、専門機関のご利用、ご相談をお勧めします。

○公共職業安定所(475カ所)
公共職業安定所では、求職申し込みをした障害者を登録して長期的な支援を行う「求職登録制度」があり、
職業相談、職業紹介、就職後のアフターケアまで一貫したサービスを提供しています。
また、一部の公共職業安定所には、精神障害者担当の職業生活相談員が配置されています。

○地域障害者職業センター(各都道府県に設置)
地域障害者職業センターでは、障害者職業カウンセラーが障害者に対する就職や職場定着、
休職後の職場復帰支援のための相談や支援を実施するとともに、事業主に対して障害者の雇用管理等に関する助言・援助等を行っています。

○ 障害者就業・生活支援センター(78カ所)
障害者の職業生活における自立を図るため、就業及びこれに伴う日常生活、または社会生活上の支援を必要とする障害者に対し、
雇用、保健、教育等の関係機関との連携を図りつつ、障害者の就業面及び生活面で一体的な支援を行っています。

○ 地域産業保健センター(347カ所)
産業医のいない事業所を対象に、健康指導や健康相談など、働く人たちに対する産業保健サービスを充実する目的で設置されています。

○ 精神保健福祉センター(61カ所)
地域精神保健福祉活動の中核となる機関として、
精神保健及び精神障害者の福祉に関する知識の普及、調査研究、複雑困難な相談事業等を行っています。
相談については、心の健康問題から、精神医療に係る相談、社会復帰相談をはじめ、アルコール、薬物、思春期、痴呆等の特定相談を含め、
精神保健福祉全般の相談を行っています。

○ 精神障害者地域生活支援センター(415カ所)
地域の精神保健、精神障害者の福祉に関する問題について、精神障害者からの相談に応じ、必要な指導・助言を行っています。




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