以前マンションのベランダソーラー発電システムを構築しましたが、今回は車庫屋根を有効活用してソーラー発電システムを構築します。
【パネル架台について】
住宅の屋根ではなく車庫屋根にソーラーパネルにのせるため、できるだけ軽量な構造の架台にする必要性があります。 また、車庫屋根に傾斜があるため組み立てに自由度が求められます。 調べてみると以下の方法が見つかりましたが(⇒デメリット)、
- 単管パイプ ⇒重い。錆びる。
- アルミのLアングル材やコ型チャネル材 ⇒加工が面倒。
- ソーラーパネル専用架台 ⇒高価。入手が難しい。設計の自由度が限定される。
など、これらは問題があると思われ、しばらくDIYショップに通いつめてたどり着いたのが、矢崎化工の「イレクター」でした。 屋外で使用されるのが前提となっており、錆につよく、軽く、入手がしやすく、設計の自由度が高く、汎用性が高いのがいいと思いました。
ただし、「イレクター」の組み立ては専用の接着剤でパーツを接合する方法となっており、強度的には十分かもしれませんが、念のためステンレスビスで接合部を補強することにしました。(写真はビスで補強する前です) 台風などの強風にさらされることも考えられるので強度面は細心の注意を払いたいです。
横から見ると、60cm、45cmの直角三角形となっており、ひさびさに三角関数を使いましたが、4度傾斜した車庫屋根に載せたときにソーラーパネルの傾斜が33度になるようにしました。 この発電効率を最大化するための角度の計算方法はインターネットにあふれているためここでは記載しませんが、パネルの方角(車庫屋根の方角)と設置地域(緯度)から導いています。
以下、使用したイレクターパーツ(色)一覧
- パイプΦ28mm 3000mm(GG) ×3本+1本※メタルジョイント用パイプとしてカット
- パイプΦ28mm 600mm(GG) ×3本
- パイプΦ28mm 450mm(GG) ×3本+3本※すじかい
- メタルジョイントΦ28mm HJ-1(BL) ×2個
- メタルジョイントΦ28mm HJ-4(BL) ×1個
- パイプインナーキャップ J-110A(BL) ×4個※メタルジョイント用パイプ2本の両端に利用
- プラスチックジョイント コーナー J-4(GG) ×2個
- プラスチックジョイント コーナー J-5(GG) ×4個
- プラスチックジョイント 中間コーナー J-7B(GG) ×2個
- プラスチックジョイント 中間コーナー J-12B(GG) ×1個
- プラスチックジョイント すじかい※45度 J-26(GG) ×6個
- サンアロー接着剤 EY-50 ×1個
写真にある仮付した横方向のすじかいは、実際に組んでみたら強度が十分と思われ、わずかな軽量化ですが取付をやめました。
【ソーラーパネルについて】
ソーラーパネルの価格が暴落しているのかもしれませんが、中国製ではありますが、かなり格安で100Wパネルの2枚セットを入手することができました。
- ソーラーパネル 単結晶 100W 【2枚セット】 SC-TAN100W-2 (楽天市場/ダイ工機)
正直なところ初期不良とか心配でしたが、動作上まったく問題ありませんでした。 付属のコードは4sqの太さです。
パネルのコードにはMC4コネクタが付いています。 規格上はどのメーカも同じはずですが、メーカーが異なると現時点では互換性は完全ではないようです。 同メーカーのものが見つからなかったので、別メーカの類似した形状と思われるコネクタがついた延長ケーブル(10m 4sq)を別途探して、結果的にプラス側がカチッといきませんでしたが、幸い大きな問題ではなかったです。
- ソーラーケーブル10m4sq(片側コネクタ)×2本(オス・メス) (Amazon/ドリームリンク 3980円×2セット)
パネルの列毎にダイオードが入っています。 日陰対策のバイパスダイオードです。 造りはちゃんとしているようです。
【車庫屋根への施工について】
車庫屋根への固定方法は、テレビアンテナの馬脚を固定する要領としました。 屋根への固定箇所は屋根を固定するために車庫屋根から飛び出ているネジを錆取りした上で、ステンレスナットを使ってL字金具を固定し、その金具と架台をステンレスの針金で固定しています。 車庫屋根のネジと架台パイプの固定や、架台パイプとソーラーパネルの固定には、
- エスコ パイプクランプ EA947FE-17A 28.6-30.2mm ×10個 (楽天市場/ヒロチー商事 1295円)
を使用しました。
冬はこんな風(↓)に片側のパネルに日が当たらない時間がありますので、パネルを並列接続する場合は、それぞれのパネルのプラス側に直列にショットキーバリアダイオードを入れて逆流防止する必要があります。
コードやコネクタが対候性なので、コードの管路収容はせず、対候性の結束バンドを使用して架台パイプに簡単に固定しました。 架台の車庫屋根への固定方法もそうですが、施工はできるだけシンプルに車庫に穴を開けるなどしないように、あとあと撤去したときに原状回復できるように考慮しました。
【ソーラー発電システムの仮運用】
ソーラーパネル2枚に接続した延長ケーブル4本を車庫内に引き込んだら、以前ベランダ発電で使用していたMPPTチャージコントローラ(米国からの輸入物)とディープサイクルバッテリーに接続。
逆流防止のショットキーバリアダイオードは負荷分散のため各パネルから2本で並列接続しMPPTチャージコントローラに接続しました。
ショットキーバリアはシリコンに比べると電圧降下が少ないため、シリコンほど発熱しませんが、念のための並列接続です。 以下部品を追加購入。
- STB型中継用端子台 TAKACHI STB815-6P (千石電商 939円)
- ケーブル SUNCO CORP. KIV5.5sq (芯線構成70/0.32、外形5.1mm、条長1m :千石電商 赤340円+黒340円)
- Y型圧着端子 3.5Y-4 (千石電商 @15円×20)
- ショットキーバリアダイオード PANJIT社 SBM1045VSS (45V10A :秋月電子通商 @40円×4)
最終的には、夏場の車庫室温上昇を抑えるため、負荷として換気扇に接続する予定ですが、いまのところ運用テスト用負荷としてLEDライトを使用します。
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1.58A(0.79A×2)、12.48V
しばらくこれで運用上支障がないか様子を見ます。