うきは拾遺集

・ 福岡・うきはの里の筑後川ほとり。野鳥の声に目覚め流水を眺め暮らす。都鄙の風聞、日々の想念、楽興の時 ・

神社の不思議~南相馬・山田神社の再建に思う

2016年10月15日 14時25分45秒 | 随想
 山田神社は東日本大震災の大津波で失われた多くの神社の一つです。その再建神事の様子が過日のテレビニュースで放映されていました。明治から昭和にかけて開発された干拓地の守護神として建立されましたが46人の氏子の命とともに津波に奪われてしまい、支援者の協力を得て高台に移して再建したという内容だったと記憶しています。

 被災地域では同じような思いで神社の再建、新たな願いや祈りの営みが行われているのでしょう。とりわけ印象に残ったのは、地域そのものが人の住めない危険区域となり、誰もいなくなったふるさとの高台に神社だけはという思いで再建され、自分たちは住めないけれどもここに留まってふるさとを見守り、ふるさとの記憶を伝えてほしいという祈りの〝核心〟でした。毎年の縁日にはここに集まってお祭りを続けていくのだそうです。かくも人々の祈りの対象となり、心の絆となり得るのは何だろうと、つくずく考えさせられました。

 神道と総称される日本の神社信仰。自然への畏れや恵みへの感謝、つまり「畏敬」が崇拝の究極にある信仰の古層がそっくり、しかも広範に保存されている精神世界は日本独特の珍しい存在なのでしょう。<Religion>の訳語である「宗教」の概念とは違う祈り、キリスト教やアラブ世界のイスラム教、もちろん仏教とも違う、教義も聖書もコーランも経典もない真っ白なすがすがしさ、他者に価値観を押し付けをしないところが多様な価値に生きる今日の世界に存在意義ががあるのではないか、と勝手に解釈したりしています。

 

 これも過日のことですが、福岡・筥崎宮にほど近い、博多湾に面した一角に新装なった福岡県神社庁で新年の御札の頒布式があり、地域の神社の氏子を代表して参列しました。県神社庁は宗教法人としての県内の3300の神社を傘下に収めます。お札を地域に持ち帰り氏子の皆さまの神棚にお祭りしてもらうわけですが、最盛期には県内で32万柱の要請があったのに最近では28万柱を下回っていると庁長のご報告がありました。神社や祭りの衰退は地域社会の衰退にほかなりません。長期低落の傾向に歯止めをかける方法の模索はこれからも続くことになるのでしょう。
 
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