
短編アニメ「ハーヴィー・クランペット」でオスカーを受賞したアダム・エリオット監督の長編デビュー作となるクレイ・アニメーション。ニューヨークに住むアスペルガー症候群(自閉症)の中年男性マックスと、メルボルンで暮らす孤独な少女メアリー。彼らが20年間に渡る文通を通して強い絆を育んでいく様子を、ブラックユーモアを交えながら描く。声優陣には「リトル・ミス・サンシャイン」のトニ・コレット、「カポーティ」のフィリップ・シーモア・ホフマンら豪華キャストが揃う。
かわいいクレイアニメより、どっちかというとキモカワなクレイアニメのほうが興味あり。セピア色の画面、クレイ独特のギクシャクした動きや、登場人物も決して可愛くなくどちらかというと不気味だがよく見るとディテールにこだわって可愛く作られている小物やセット類。見ているうちに段々と可愛く思えてくるのだから不思議だ。アニメながらテーマはとても大人向けで重い。マックスの病気はなかなか治らず、感情を表情で表すことができない。涙を流すこともできない。そしてメアリーは顔にうんこ色のアザがありいじめられ、両親はメアリーのことを真剣に考えていない。そんなどちらも心に悩みを抱える二人の微妙な距離感。お互いに繊細で寂しいもの同志ではあるものの、どこまで踏み込んでいいのか、又どこまで踏み込まれたら苦手と思うのか。ハッキリしない境界線の近くで一歩踏み出すべきかどうか、行き過ぎたのではないかと後悔する二人の不器用さが切ない。
メアリーが書籍を出版するくだり。メアリーは専門的な勉強をし、彼の病気を治せるという自信のもと、悪意はなくただ彼を救いたい一心だったのだが、マックスにとっては会ったことのない人間に自分の病気を理解したかのように思われることが許せなかった。マックスにとってメアリーの行為は『私ならあなたの病気を治せるかも』というただの驕りでしかない。たとえ悩みを持っていない人間同士でも友情関係を築くのは難しい。欠点はユニーク、欠点も自分の一部。欠点は選べないが友人は選べる。マックスの素晴らしいセリフに気付けば涙がこぼれた。悩み、傷つきながら何十年と恋愛感情もなく友情を築き上げた二人に待っていたラスト。クレイアニメとは思えないドラマチックなラストに号泣。人間の絆が丁寧に描かれた大人が泣けるアニメだ。
私の評価 ★★★★











他人を許すことって出来ないものですよね。
今のところ僕の今年のベスト1ムービーです。
そうですよね。
自分の価値観を他人に押し付けて自己満足していたり、わかったようなつもりでいても、他人を理解することは本当に難しいですものね。
ベスト1ムービーですか?
確かにクレイアニメに泣かされるとは思っていなかったです。