続平成太平記

アジアの中の日本

 韓国がいつまでも「先進国」になれぬ理由

2017-04-19 10:51:08 | 日記
大前研一氏指摘 韓国がいつまでも「先進国」になれぬ理由

2017.04.17 16:00

SAPIO2017年5月号

韓国経済はかつて、「日本を追い抜く」「世界を牽引する」と喧伝された。

それが今、苦境に喘いでいる。なぜ韓国は、経済の面で先進国になりきれないのか? 大前研一氏が解説する。

 * * *

 一般的に1人あたりGDPが2万ドルを超えると中進国、3万ドルを超えると先進国とされる。

だが、3万ドル経済に向かおうとする中進国は、しばしば為替や労働コストが高くなって競争力を失い、3万ドルに近づくと落ちるという動きを繰り返す。

これが「中進国のジレンマ」だ。

 韓国経済も、調子が良くなるとウォンや労働コストが高くなり、そのたびに競争力を失って落ちるという悪循環に陥っている。

 なぜ韓国は「中進国のジレンマ」から抜け出せないのか? 

最大の理由は、イノベーションがないことだ。

日本は素材を中心とした広範な分野のイノベーションと生産性向上によって、為替や労働コストの上昇を乗り越えた。

スイス、イタリア、フランス、ドイツなどはブランド、マーケティング、デザイン力による高級化・高価格化というかたちでイノベーションに成功した。

韓国は、そのどちらもできていないのだ。

 詳しく説明しよう。日本型のイノベーションも、スイスやイタリアのようなイノベーションも、多額の投資が必要である。

たとえば、日本企業はR&D(研究開発)とマーケティングにそれぞれ売上高の7%くらいを使うのが普通である。

創薬型の製薬会社の場合はR&Dに売上高の10~20%を投じるのが当たり前だ。

 また、「パテック・フィリップ」「フランク・ミュラー」「ウブロ」といったスイスの高級機械式時計メーカーのようなハイエンドの商品は、マーケティングに売上高の3割を投入することも珍しくない。

トヨタ自動車の「レクサス」もアメリカ市場でブランドを確立するために巨額を投じ、デポ(拠点)を増やして修理時や車検時の代車などできめ細かいサービスを展開して成功した。

そうした投資をしてイノベーションを生まない限り、日本や欧米先進国を超えていくことはできないわけだが、韓国企業にそのような発想はない。

多くの韓国企業と仕事をしたことがある私の経験では、R&Dやマーケティングには、せいぜい売上高の2~3%しか投資しない。

R&Dやマーケティングにカネと時間をかけるより、日本や欧米の技術やデザインをパクってスピードと規模で勝負すればよい、という発想なのである。

 だから大半の韓国企業はブランドを確立できず、かといって生産性を向上して大きくコストを下げることもできないため、価格がハイエンドとローエンドに二極化した今の時代の中で、消えつつあるミドルレンジ(中間価格帯)に取り残されているのだ。

 その上、韓国は産業の“厚み”がなく、中小企業(SME*)に日本のような技術力がない。

多数の韓国の中小企業の人たちと話したことがあるが、彼らは一様に「大企業の単なる外注・下請けでしかない」と嘆いていた。

【*Small and Medium Enterpriseの略】

 日本の場合、大企業は傘下の中小企業が新製品の開発やコストダウンなどについて何か良いアイデアを出したら、それによってもたらされた利益を折半するというようなインセンティブ制度が珍しくない。

だから日本の中小企業は技術レベルが非常に高く、層が厚いのである。

 一方、韓国の場合は財閥系の大企業が目先の利益だけにこだわっているため、傘下の中小企業がイノベーションや生産性向上の提案をしたとしても全部搾取されるだけで、日本のように大企業が中小企業を育てて産業の裾野を広げるという土壌がないのである。

かてて加えて、韓国は産業構造の転換もできていない。

『日経ヴェリタス』による2016年の世界の企業の時価総額ランキングでは、首位から12位まで、ずらりとアメリカ企業が並んでいるが、上位に入っているのは、1位のアップル、2位のアルファベット(グーグルの持ち株会社)、3位のマイクロソフト、6位のアマゾン・ドット・コム、7位のフェイスブックという昔はなかったICT(情報通信技術)企業である。

 ところが、韓国ではアメリカのような21世紀型の新しい産業、新しい業種がほとんど生まれていない。

財閥系の大企業が「従来の延長線上でいっそう努力する」というアナログ思考のやり方なので、産業構造が20世紀のままになっているのだ。

 以上のような問題があるため、韓国は大きく飛躍することができず、いつまでたっても「中進国のジレンマ」から抜け出せないのである。
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