経済情報誌にしては珍しく、因果関係に言及している記事ですね。
 
と言うことで、足りない点を追加します。


南朝鮮の不動産賃貸は大きく、チョンセとウォルセがあります。
 
チョンセは多額の補償金を大家さんに"預け"退去時に返済を受けるもの。
 
ウォルセはチョンセよりは少ないが安くはない補償金を預け、月々リーズナブル(?)な家賃を払う、チョンセ+日本式賃貸のような形態のものがあります。

ところが、不景気の煽りを受けて、不動産市場は低迷。
 
不動産価格は下降基調なんですね。そうなるとチョンセの大家さんはキャピタルゲイン狙いの投機ができなくなり、少しでも利子などによる利益を確保するために、

・売買価比チョンセ金を上昇

・インカムゲイン(賃貸収入)に転換 = ウォルセ

のどちらかを選択することになるんですね。
 
で、売買価比チョンセ金は今世紀初頭は50%程度だったのが80%という物件も出現し、そして人気のなかったウォルセも徐々に浸透して現在は55%に達するまでになったのです。

ということで、南朝鮮では不動産価格が低下したのに、チョンセ金が上昇という面白い状況になったんですね。

で、チョンセ金が戻ってきたらどうするか、なんです。
 
次の大家が借金で飛んでしまう(破綻するって意味なんですが関東でも使います?)可能性も低くない現状で、多額のチョンセ金が戻ってこないリスクを考えると、購入してしまったた方が良いんじゃないか。
 
不動産価格も安いし、お金も借りやすくなったし。何より戻ってくるチョンセ金では同じ条件の物件が借りられないし。

ついでに、借金が支払えなくなったら不動産を売ればいいし、というお花畑状態になっているんですね。
 
という事もあり、住宅購入に向かったワケなんです。

ところが、元々チョンセ自体も借りている人が多く、不動産はこれからも下降基調は変わらない。
 
そして住宅保有率が高い事もあり、中古物件の流動率も高い方ではない。
 
そうなると、借金返済が滞ったからといってそう簡単に買い手が見つからない。
 
と言うことで確かに「時限爆弾」を抱えるようなものなんですね。


ここでようやくウォルセの話しです。
実はウォルセはチョンセと違って上昇していないんですね。
 
横ばいかもしくは下降基調。
 
それは、今まで賃料を払うという考えがなかったので、やはり抵抗があるんですね。
 
それなので、ウォルセは下降圧力が働くからです。

持ち家信仰、というのが私たちには強く、日本人以上に"自分の城"という意識が強かったんですね。
 
ところが、給与も上がらない、子育てにはお金がかかる、そして何より親が借金まみれの姿を見続けていることもあり、若い世代を中心に支払いが安く済むウォルセに移行しているんですね。
 
あきらめ族の1~2歩手前の状況。

このウォルセ族は多額の消費をしようとはしないので、景気にはプラスにならない。
 
そして不動産購入した人は収入に対する支払い比率が高いので、消費が低調。
 
昨年の景気てこ入れは失敗に終わり、正直、日本なら不動産購入をためらう状況。
 
それなら個人負債を管理しよう、というのは解決のない政策転換。

本当はね、個人負債が160%なら、それ以上負債を作らないようにさせるんですよ。
 
ですが、借金を膨らませてでも消費させないと見かけ上の経済成長がない。
 
お嬢様の残り3年だけでも数字を積み上げたいのでしょうが、もう詰んでいる状況にあるんですよ。南朝鮮は。