あしおとがきこえる?

おどり場は劇場から路上まで
おどるなつこの散文誌

おどるなつこの散文誌

2005年開設。振付動画を撮ることが戒められていた時代に、タップクラスおさらいの動画共有のために始めたブログです。
近ごろは、おどる日々から浮かびあがることばを書きとめています。
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世界をつくっているのはひとりひとりの意識

2016-07-28 | あしおとがつぶやく
相模原でいたましい事件が起き、ことばを失ったまま、報道の深追いはせずに数日すぎた。かなしいのとあきらめと、わずかな希望。


私は6年ほど、毎月100人の”障害者と呼ばれる”人々と踊っている。
みな素敵な人たちで、だからこんなふうな人の区別が、そもそもおかしなことであると思う。個性豊かな人としてのありのままを、マイペースに守りながらも、周りの提案を受け入れてむしろ社会に合わせて暮らしている。

例えば、超音波が聞こえる人がいて、周りの鈍感な人々には聞こえないとする。超音波が聞こえる人の方が能力が優れているのに、その人口が少なければ、超音波への反応は問題行動とされ、薬を投与されたりするのだろう。何かがたりない変わりに何かの能力が突出している状態かもしれない、と考えたら全ての人に当てはまることだが、今の社会に理解されない能力は障害とされているだけかもしれない。さまざまな機会が奪われないで欲しいと思う。いっしょに踊っているとき、彼らはとても繊細にやりとりしていて、すべてに敏感である。

また、ある日突然、障害をおうことがある。誰にでもある。これまでとちがう行き方を選択させられる時。でも、医療や福祉の補助を得られれば、誰でものぞむ生活ができる。それが現憲法で保証されている生存の権利。いろいろな人が生きやすいようにしておくことは、いろいろないのちを育む可能性を生む。
むかし、私はある後遺症で数日間言語障害に陥ったことがある。考えていることと、口から出る言葉がまるでちがうのだ。脳が回復するまで、このまま意思が伝えられないままだったらどうしようとこわかった。

そして、知る機会がないかもしれないけれど、日本の軍事協力や利益優先の経済活動が、遠く離れた国で健康に生まれた子ども達に障害をもたらしている面もある。私が「あしおとでつながろう!プロジェクト」を始めたのは、小泉政権下の日本がテロ撲滅の名目で米軍に資金協力したイラク、アフガン攻撃で、結果足や鼻を失った、中東のこどもたちと踊ったのがきっかけである。

つまり、「障害者」とひとくくりにしようとすることそのものが、本当はお門違い。どんな人々も社会の様々な場所でお互いに尊重し、補いあいながら暮らせたらいいだけなのだ。

けれど、まだそうなっていないから、ご家族が自らコミュニティを生み出したりしている。身寄りのなくなった時の為に、大きな入所施設を選ばれるのもわかる。
私のクラスに来られる方はなぜか昔から福祉系の方が多いので、大きな入所施設の職員さんがどんなに緊張の中で夜勤をつとめているのかも、想像できる。


そういうことをすっとばして、殺害行動に及んだのは若者だった。
どんなに、いじめられないように気をつけてきた人なんだろう、とまず思った。認められたい!その気持ちを出したらこうなったのか。


弱いものいじめは、数年来のこの日本そのものの空気である。
困っている人を助けていたらお金がかかる、と切り捨てていく。震災で被災された方の避難住宅の終了、福島の放射能汚染地域への帰還政策、渋谷の路上生活者の閉め出し、憲法改正案に至っては福祉を家庭の責任にすり替えようとしている。反して、無意味なようにみえる除染作業、住民の意見を反映せずに進められる津波沿岸部の盛り土埋め立て、リニア、大企業だけが儲かる仕組み。
強いものだけが生きやすいシステム。これは生命としては滅びに向っているとおもうのだけれど、強いものたちは気がつかない。恐竜みたいなものかもね。

そういうなかで、育って来た若者たちは、権力に寄り添う意識を育ててきたのか。いじめられないように、決して弱者にならないように、上に認められるように。反骨すべきエネルギーを弱いものに向けて。
この社会が育てた次世代は、ありのままではいられなかったからこそ、そうなってしまったのか。
他人の落ち度をいくらあげつらって叩いても、しかたがない。



世界中のひとりひとりが意識を変えて、のぞむ世界を想像するしかないのだと思う。
小さい範囲からしかモノゴトは動かない。まず、今いる”私”のまわりをよく観察して、いやだな、と思うことを、いいな!とおもえるように変えてみる。誰かがやってくれるってことはない。ひとりひとりがすること。

意識が変われば、目の前の世界はちゃんと変わるのだから。




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おどるなつこの Movie Links

きみのところににじはでますか(7:12 min)
voix de ville まちのうた(20:31 min)
タップで文学Ⅱ嵐が丘/Wuthering Heights (17:26 min)
The Rebirth Chosen as the Requiem (20:00 min) directed by NIL

おどるなつこの Tap Class

身体を整え、心地よい音を出す基礎を身につけます。 あしおとを聞きあい、各々の表現へとつなげましょう!
◎大船class [変則日程 土日祝/18:30~20:00 月火/19:40~21:10] 会場:NPOセンター大船B1/JR大船駅より徒歩4分
◎町田class [月2回土曜日/15:40~17:00] スタジオ: la caseta/小田急町田北口より徒歩7分 初回はお問合せの上ご来場下さい。
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