高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

開会挨拶「東アジア地球市民村・自然共生型社会in上海」

2014-03-10 01:32:18 | いろいろシゴト

今日は朝9時から夜7時までのの長丁場のワールドカフェとテーマ別分科会。討論の連続。環境・自然教育、農業、主婦の団体、まちづくり系NGO, 出版社、旅行会社など100名の参加でした。とても深い話ができ、つながりを作れた一日でした。

以下、昨日のフォーラム開催主催者の挨拶として、一般社団法人アクト・ビヨンド・トラストの理事長、星川淳氏による開会の挨拶文の転載です。

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一般社団法人アクト・ビヨンド・トラスト(以下、abt)理事長の星川です。「東アジア地球市民村2014 in 上海」に中国から約200名以上、台湾から4名、残念ながら韓国の協力者はだれも都合がつかなかったものの、日本からも15名以上と、本当に大勢の方々に集まっていただき、ありがとうございます。 

このプロジェクトは、私が2010年末に市民活動を支援する独立した民間基金としてabtを設立したとき、いまなお冷戦構造が残る東アジアに持続可能な市民同士の交流と協働(コラボレーション)の輪を広げたいと、3本の柱の一つに据えました。他の2本の柱は、強い神経毒性によって昆虫や鳥ばかりでなく人間を含む生物多様性全体に悪影響を及ぼすネオニコチノイド系農薬の問題、そして2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島原発事故を経験した日本人としてめざすべき脱原発・エネルギーシフトという課題です。 

東アジア環境交流プロジェクトではこれまで、雲南州奥地の三江併流世界自然遺産地域と、同じ世界自然遺産登録地である屋久島をつなぐエコツーリズムのガイドラインづくりや、自然共生型の地域づくりを学び合う相互視察を進めてきました。3年目の節目として、日中だけでなく台湾と韓国にも輪を広げながら、助成金に頼らなくても交流と協働が続いていくような種を蒔こうと考えたのが、この東アジア地球市民村です。abtの助成は文字どおりシードマネーの役割を果たかもしれませんが、その何倍も人やお金を集め、このような素晴らしい場を実現できたのは、abtがパートナーとした日中市民社会ネットワークの李妍焱代表、そして総合コーディネーターとして大活躍の朱惠雯事務局長をはじめ、熱い気持ちで関わってくださったみなさんのおかげです。

 今回はまだまだ種蒔きということで「準備ゼロ回」と名づけました。できれば来年は本格的な第1回、さらにその翌年は第2回と、東アジアの各地を回り持ちで恒例化していくことが夢です。それについては、ワークショップの中で、また最終日のまとめの中で意見交換したいと思います。「地球市民村」という名前は、国つまり政府とそこに暮らす人びととはイコールではないこと、そして自然生態系にも環境問題にも国境がないように、私たち市民は同じ地球に生きる生命同士であり、もっと深い眼で見れば人と他の生きものとも基本的に対等であることを意味しています。

 私たち東アジアの民と血のつながる南北アメリカ大陸先住民は、すべての生命が等しく尊いことを、世界のだれよりも価値観の中心に置いてきました。モノやお金が自然も文化も押し潰し始めた20世紀後半、「母なる地球」という見方を現代人に思い出させてくれたのもアメリカ先住民でした。東アジア地域にも、こうした先住民的な知恵はしっかり根づいていて、少し掘り起こせば新しい形で蘇らせることができるはずです。

 最後にもう一度繰り返すと、いまなお冷戦構造を引きずり、政府間がギクシャクしがちな東アジアで、市民同士が自然共生をテーマに交流と協働の輪を広げることは死活的に重要です。東アジア地球市民村が、それぞれの地域に根ざした持続可能な社会づくりの知恵と体験を学び合う場になるよう、そして互いを支え、力づけ合う新たなスタート台になるよう――アメリカ合州国建国のとき北米土着の民主主義を教えたと言われる先住民イロコイ連邦に倣い、七世代後のすべての生命(いのち)のために最善を尽くすことを呼びかけて、開会のごあいさつとします!

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