高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

これからの漁業支援

2012-03-12 16:46:52 | 震災支援・脱原発・環境問題

昨年5月・・まだまったく片付けに手が付いていなかった根浜海岸の集落。車が通れる道路だけが開いていた。 大槌湾の鵜住居の小湾の津波は、よく映像で流れる強靭な黒い塊が家屋や車をもろとも流す、押し寄せるような津波ではなかった、と命からがら逃げた被災者が証言する。3匹とも5匹とも証言される黒い巨大な龍が暴れ回っていたという。

幾重もの渦と岸にぶつかり砕ける10mはゆうに超える大波、荒れ狂う海は、湾全体を猛烈・甚大・創造を越える破壊力で街を撹拌した。対岸の大槌市街は火災が起き、爆発音と共に無数の火の手が上がった。まさに地獄図だったとKKさんもIAさんも私に話し、ISさんは映画のCGの世界を現実で見たと言った。

その大自然の猛威に破壊された家屋、鉄骨、車、様々な生活用品、漁具が散乱する中に、ブルーシートが見えた。近づくと、漁師さんが一人いた。流れ着いた工事現場の鉄パイプを集め小屋掛けをしていた。Mさんだった。

「今、誰かがやらんと、漁師が帰ってこんですよ!」
「漁師は、海がすきなんですよ」 とMさんが言った。

それからだった。散乱する破壊されたモノ達を片付ける作業・・俗に言われる瓦礫撤去、泥出しをねおすのボランティアチームが始めたのは。 手作業で少しずつ片付け作業場を広げていった。漁具を集め、すぐそばの神社も散乱物を集め、打ち上げられた砂を掘って鳥居や階段を現わした。

北海道寿都町の漁師が提供した船外機も一番に届けた。そのつながりから、ワカメ養殖の復旧のために万単位に必要とされる1体50Kg近い砂利袋(養殖筏のアンカー)をたくさんのボランティアの手を借りて帰ってきた漁師さんと作った。

その間引きワカメをつい先日ごちそうになった。芯は太くシャッキとしているが、すぐ噛みきれる歯ごたえ。うまかった。そして、初出荷は今月下旬。

港湾復旧はまったく手がつけらていない。地盤沈下した岸壁の大潮時は船がつけられない。
根浜の復旧の青写真はやっと提示されたが、土地所有者との交渉はこれからだ。それが年内かかると言われている。港の復旧工事開始は1年後になると言われている。

その中で漁師達は漁業の再開をめざしている。 春から養殖筏を今の何倍にもする。筏づくりは今年も続く。Kさんから蠣養殖の再開を始め出したことの説明を受けた。

その果てしない困難の中で人々は立ちあがろうとしている。
人間力の底力を感じる。 人間って凄い!

大勢のボランティアが期待されている。それが、私達が通う被災地の現実だ。 
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