◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「混入させる」と「混入する」。

2014-03-02 09:46:37 | 気になる言葉、具体例
                               ハムやん移動する

 ちょっと前に2002年6月15日放送のドラマの再放送を見たのですが、「ワインに毒を混入させた」というセリフがありました。やはり以前は「混入させた」が優勢だったのでしょうか。2008年に農薬餃子事件が起き、連日の報道を聞いて「混入させる」と「混入する」について考え、記事にしましたが、まず、そのときに書いたことを要約します。
 「混入」は、自動詞・他動詞、両方だが、「故意」なら「混入させる」でないと「入れた」という意味がいま一つはっきりしない。「何者かが故意に混入させたのか、誤って混入したのか」と区別したほうが分かりやすい。それは、毎日の報道を聞いていて、「混入する」を他動詞であると思う人より自動詞であると思う人のほうが優勢だと感じるからだ。
 というわけですが、もう5年以上たつのですね。しかし、あの後もいろいろ事件が起きました。中国製の粉ミルクに何か入っていたというニュースを見たときは「またか?!」と思いました。それで気づいたのですが、ペットフードにメラミンを入れるとか、食品に変なものを混ぜるとか、類似の事件がけっこう起きている、つまり、よからぬ考えでもって明確に意図して入れることが現実にはよくあるのですね。
 アクリフーズ群馬工場で起きた冷凍食品への農薬混入問題では、「原因は特定できておらず、何者かが人為的に混入した疑いも残る」(読売新聞)、ほかに、「冷凍食品にマラチオン。何者かが意図的に混入させた疑いがある」「昨年10月、4回にわたり、同工場で製造された冷凍食品に農薬を混入し」という記述も見ました。つまり、「させる」「する」両方あり、ですが、どれもそんなに変だとは思いませんでした。
 「情報7daysニュースキャスター」の安住アナと「ニュースウオッチ9」の井上アナは「混入させた」と言いましたが、「混入した」もよく聞こえてきて、むしろ「混入した」のほうが多かったような気がします。それから、「農薬を混入させた(中略)どのように混入されたのか」というナレーションも聞きました。「混入された」の元の形は他動詞「混入する」ですから、一人の人間の言葉でも「させる」「する」両方あり、です。
 例えば「実現」「移動」「混入」「流入」「流出」「拡大」、これらは自動詞・他動詞、両方の意味があります。自動詞は、「夢が実現する」「車が移動する」「異物が混入する」「海水が流入する」「情報が流出する」「範囲が拡大する」、これはいいですよね。では、他動詞、「夢を実現する」「車を移動する」「異物を混入する」「海水を流入する」「情報を流出する」「範囲を拡大する」、これはどうですか。
 他動詞のときは、「夢を実現させる」「車を移動させる」「異物を混入させる」「海水を流入させる」「情報を流出させる」「範囲を拡大させる」のように「~させる」と言う人が多いような気がするのですが、どうですか? 日常の会話では「夢をかなえる」「車を動かす、車を移す」「異物を混ぜる」「海水を入れる」「情報を流す、情報をもらす」「範囲を広げる」で、「させる」か「する」か、考えたことはないかもしれませんね。
 「夢を実現する」と「夢を実現させる」、はっきりどちらだとは言えないような、でも、「海水を流入する」「情報を流出する」には違和感があり、「流入させる」「流出させる」が自然に聞こえます。「混入する」は自動詞だと思う人が優勢・・・ではなくなり、「○○を混入する」に私もだいぶ慣れてきました。「○○が混入する」と「○○を混入する」の間に「○○を混入させる」があり、「何らかの原因で○○が混入する」「誤って○○を混入させる」「故意に○○を混入する」というように感じます。
 例えば、「上昇する」→「上昇させる」、自動詞のみの意味を持つサ変動詞の「する」を「させる」にすると他動詞の意味になり、「代用する」→「代用させる」、他動詞のみの意味を持つサ変動詞の「する」を「させる」にすると使役の意味になります。自他両方に使えるサ変動詞の「する」を「させる」にするのは気持ちの問題ですね。
 「○○が混入する」は、たまたま入った、「○○を混入させる」は、混入を防止できなかった、誤って入れた、ふと(魔が差して)入れてしまった、という状況を想像します。単なるイメージですよ。それでいくと、真相が明らかになっていない段階では「○○が混入した」あるいは「○○を混入させた」で、明確に意図して入れた「犯行」なら「○○を混入した」でしょうか。
 そうなると、「が」と「を」とでは大違い、事故か事件か分かれますが、これを書いている最中にも「補欠として○○が現在加えております」なんて耳に入ってきて、日本人の助詞の使い方がかなり怪しくなっていますよね、「が」と「を」の区別すらできない人が大勢いるのですから誤解が生まれないわけがない( ̄_ ̄)。
 ところで、前回、Adobe Photoshop Elements 10が起動しなくなり、再インストールして何とか使えるように・・・と書きましたが、なぜか、アンインストールする前に変更した「Photoshop Elements Editorのみを起動」という設定がそのまま残っていて、スタートアップスクリーンが表示されないのです。しかも、一度使って閉じ、その後また使おうとすると起動しない、という変なことになりました。
 PCを再起動またはシャットダウンした後は使えます。つまり、「一日一回!」みたいなことで(^^;。それで、ふと思いついて、タスクマネージャーでプロセスタブからAdobe Photoshop Elements 10(32ビット)を選んで終了してみたところ、再び起動したのですよ。Adobe Photoshop Elements 10.0(component)(32ビット)というのもありましたが、そっちは終了してもだめで、起動しませんでした。
 ちなみに、Adobeのサイトに載っている解決法は、それをやること自体が私には難しすぎてできません。Elements 10のサポートはすでに終了しているので手助けをしてもらうこともできないしぃ~(T_T)。もう一つ、「Photoshop Elements Editorのみを起動」という設定を「スタートアップスクリーンの表示のみ」に変更する方法が載っていたので、それをやってみました。でも、やはりだめで、手順どおりに進めても、途中から、説明にあるような画面にはならず、ちょっと違った結果になりました。
 まぁ、ね、タスクマネージャーで・・・という一手間をかければ使えるから( ̄~ ̄)とあきらめたのですが、次の日、もう一回トライしました。一度使って閉じ、また起動するかやってみたらやはりだめで、タスクマネージャーを見たらAdobe Photoshop Elements 10.0(component)(32ビット)がありませんでした。なんでぇ~? と思いつつ、Adobe Photoshop Elements 10(32ビット)を選んで終了し、改めて起動、そして、前日やってみた設定変更をまたやってみました。
 そうしたら、前日とは違い、説明どおりの画面になって目的を果たせました。でも、閉じてその後また起動、というのはだめでした。それで、アンインストール・再インストールの前に「管理者として実行」という解決法を試してみたことを思い出し、スタート画面でAdobe Photoshop Elements 10のタイルを右クリックしてアプリバーの「管理者として実行」をクリックしました。すると、なんということでしょぉ~~~、起動しましたよ~~~、「一日何度でも!」になりましたよ~~~、あ~しんど(*´з`)。
 さて、皆さんお気づきですか? 「起動する」は自動詞ですが、「Photoshop Elements Editorのみを起動」の「起動」は他動詞ですね。コンピューター時代になり、「コンピューターを起動する」と言うのが普通のことになりました。他動詞の「起動する」が生まれ、定着したのです。これはまさに「変化」ですね(⌒・⌒)。

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