◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「お宝が大発見」って?

2016-10-09 09:31:33 | 言葉についてあれこれ
                                麻の実を発見

 「お宝が大発見」「敵が一斉に恐れおののいたという兜」「古来より」は「林修の歴史お宝ミステリー」(3月放送)で聞いたナレーション、「遅れをとる」はテロップです。「お宝を大発見」「敵が皆恐れおののいたという兜」「古来」「後れを取る(とる)」でしょ! 「林先生が驚く 初耳学!」でも「土蔵が採用」というテロップを見たのですが、このパターン、どうにかなりませんかね?
 「お宝が」「土蔵が」に続くのは「発見された」「採用された」で、それを「大発見」「採用」とするのは気持ち悪いですよ。「発見した」「採用した」なら「発見」「採用」としてもいいわけで、「お宝を大発見」「土蔵を採用」と言えます。もっと言えば、「お宝を発見!」もしくは「お宝 大発見!」のほうがしっくり来ますけどね。
 「林修の今でしょ!講座」で「(オクラを)より細かく刻んであげる」「(枝豆を)蒸し煮してあげる」「(枝豆を焼くときは)火加減を調節してあげる」「(ニンニクは)切ってすぐオイルでコーティングしてあげる」と言った岸村康代。この人はずっと以前から「あげる」依存症を発症していますが、林さん、気持ち悪くないのかなぁ? 自分の冠番組なのだから、「あげる」連発はやめてくれと言えばいいのに、無理?
 これも「林修の今でしょ!講座」ですが、講師が「(榊原政岑は)越後高田という所へてんぷうさせられて」と言ったとき、作業者には「てんぷ」と聞こえたようで、テロップは「越後高田という所に転府させられて」でした。私は「させられて」が引っ掛かってメモしたのですが、はっきり「てんぷう」と聞こえたわけではなく、「転府」という文字が目に入ったので「てんぷ」と入力して変換、そうしたら、「転府」が候補にないのです。
 そもそも「転府」なんてあるのかと疑問に思い、「てんぷう」だったような気もして、録画してあったのでもう一度見たら「てんぷう」と言っていました。それで、「てんぷう」で変換したら「天風 てんぷう テンプウ」しかないのです。「てんぷう」って何? ひょっとして「てんぽう」かと思い、しばし「転封」でネット検索。その結果、「転封」は「てんぽう」ですが、「てんぷう」もちらほら。ちなみに、「転府」は問題外のようで。
 さて、その「転封」ですが、幕府の命令で大名が別の領地へ移ること、幕府は榊原政岑に姫路から越後高田へ移るよう命じた、それって左遷ですかね。そうそう、「左遷」で思い出したのですが、実は、この講師、磯田道史(歴史学者)、「左遷させられた」を広めたのはこの人ではないかと私は考えています。「左遷する」「左遷される」と同様、「転封する」は他動詞ですから「越後高田という所へ転封させられて」は誤りで、「転封されて」が正しいわけです。
 「国語の先生の今でしょ!講座」なのですから、ナレーションやテロップがいいかげんというのは困ります。「水耕栽培させたブロッコリーの新芽」というナレーションが聞こえたとき、テロップも同じでしたが、「水耕栽培したブロッコリーの新芽」でしょ! ゲスト講師に駄目出しをできないのなら、せめてそこはきちんとしてほしいと思うのですが、それも無理( ̄д ̄)?

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