北大路機関

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【京都発幕間旅情】大垣城,桜花満開の大垣公園城郭遺構と水都彩る映画“聲の形”の舞台訪問

2017-04-19 20:12:32 | 旅行記
■歴史と水都大垣観桜の散策
 大垣へ行ってまいりました。映画“聲の形”の舞台として有名となりました水路の美しい岐阜県大垣市、京阪神と近江を関ヶ原を越えて至り中京を結ぶ東海道の要衝です。

 大垣城、関ヶ原の戦いの兵力集結地であり前哨陣地となった城郭の遺構、麋城や巨鹿城の別名でも知られます。第二次世界大戦までは1620年建築の複合式層塔型三重四階の天守閣が残りましたが、1945年に米軍の空襲で全損しました連郭輪郭複合式平城の遺構です。

 大垣、東海道本線夜行快速ムーンライトながら号定期運行時代にはその始発駅であり終点駅として、東京へ展開する際の要衝として幾度も利用し、所縁のある街です。この大垣は水の街として知られ、市街地を数多の水路が巡る美しい街でして、水都とも呼ばれている。

 映画“聲の形”、京都アニメーションが昨年制作した劇場版アニメーションで、深い題材を日常的に有り得る視点から描いた苦い青春像の明るい未来という原作を京都アニメーションの写実性をもって劇場映画化したアニメーション作品で、岐阜県の大垣市が舞台です。

 大垣城と満開の桜花、今回は大垣へ桜花観桜へ歩を進めた訳ではなく、“聲の形”の作中に大垣城を含む大垣公園の情景が多く描かれ、この舞台訪問、所謂聖地巡礼として巡りました。大垣城は歴史の分岐点に幾度も記される城郭ですが、戦災の全損後は公園となります。

 大垣公園として、城郭遺構は整備されており市民の憩いの場となっています。実はこの大垣公園は1873年に岐阜県初の都市公園として大垣城址を公園化しました、大垣城は岐阜連隊区にあり陸軍進駐による城郭破壊を免れた形で、この公園の一角が大垣城である訳です。

 歴史を紐解けば、この城郭は1500年に竹腰尚綱がこの地の防備を固めるべく城塞を構築、しかし1544年に守護大名織田信秀が攻略したものの、竹腰氏が仕えた美濃の斎藤氏が奪還、1559年に織田信長配下の桑原直元が大垣城の堀や土塁等を整備、近代城郭となりました。

 豊臣秀吉治世下、後の姫路城主池田輝政が城主となり、1586年11月29日に発生した日本史上最大の内陸地震である天正地震により天守閣は倒壊し大垣の街と共に全焼した。豊臣秀吉の全国平定後に小田原北条氏攻略に勲功を挙げた伊藤盛景が新しい城主となりました。

 関ヶ原の戦いという日本史を大きく転換させた決戦に際し、伊藤盛景は西軍に属し最大兵力集結地となりましたが、東軍が三河地方から長良川を渡河し岐阜城を攻略、西軍の策源地大坂城へ向かう徴候を見せた為、留守隊長福原長堯を残し主力を関ヶ原へ転進させます。

 西軍は大兵力を率いていたものの総指揮官石田三成の部隊掌握が不充分であり、決戦体制下での指揮系統不明瞭のまま戦闘序列を組み関ヶ原へ野戦陣地を構築、この為、戦闘中に東軍徳川家康への支持を急遽表明する離反者が続発し戦線が崩壊、西軍は潰走しました。

 江戸時代に入り、譜代大名石川康通を城主として城郭は維持されましたが、1635年に戸田氏鉄が城主となり、以後江戸時代を戸田氏の居城として永く維持され、戸田氏は領域整備へ水路開発を積極的に行い石高を増やし、今日の大垣市が形成されてゆく事となります。

 大垣公園の美しい水路は、この遺構が今日も活用されている表れであり、“聲の形”ではその情景が京都アニメーションらしく描かれていました。桜花と水路の情景は作中主人公石田将也と先天性聴覚障害と共に生きる西宮硝子とが心の交流と和解に至った舞台のひとつ。

 君に生きるのを手伝ってほしい、という表題と共に描かれた作品は第40回日本アカデミー賞優秀アニメーション作品賞を受賞、同じく岐阜県が舞台の“君の名は”、と並び2016年の日本映画界に標を残し、大垣市散策は其の世界観を共有する事ができるかもしれません。

北大路機関:はるな くらま
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