熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

観劇チケット取得が難しくなってきた

2017年08月08日 | 生活随想・趣味
   趣味として、若い頃から、クラシック音楽やオペラを皮切りに、最近では、宗旨変えではないが、能・狂言が多くなったが、劇場に通い続けて、色々な観劇を楽しんでいる。
   海外生活も長かったので、色々な形でチケットを取得してきており、それなりに、苦労も味わってきてはいるが、まず、大過なく過ごしてきた。
   それが、最近、少しずつ、チケット取得が難しくなってきた感じがするのである。

   私の場合、必ず自分自身で、直接劇場などにオーダーを入れるので、例えば、ニューヨークやロンドンに行く時には、METやロイヤル・オペラなどのチケットオフィスに、インターネットで予約をする。
   日本から、ベルリンの壁崩壊直後のチェコのプラハのオペラハウスや、最近では、ロシアのボリショイやマリインスキーなどへも直接チケットを手配したし、ロンドンに居た時には、他のヨーロッパのオペラハウスなどはすべてインターネット経由の予約であったが、全く問題はなかった。
   海外の場合に良かったのは、(今、日本でも普及しているが)、ミラノのスカラ座でもMETでも、どこでも、「昔から、パソコンの画面に座席一覧が表示されて空席がはっきりと分かって座席指定ができることであった。

   ところで、最近だが、歳の所為や鎌倉に引っ込んでしまったこともあって、観劇機会も、随分減った。
   欧米にいた時には通い詰めていたクラシック音楽は、都響のプロムナード公演やたまの外来オペラ鑑賞くらいになってしまったが、その代わりでもないが、歌舞伎や文楽、能や狂言、落語など日本の古典芸能を楽しむ機会が主体になってきた。

   その場合、一番お世話になっているのは、国立劇場のチケットセンターで、先行予約が出来て10%の割引が適用されるので、あぜくら会と言う会員組織に入っている。
   歌舞伎や文楽は国立劇場、能や狂言は国立能楽堂、落語などは国立演芸場へ行くのだが、国立劇場主催公演の良さは、質が高くて安いことである。
   能・狂言の場合、能楽協会主催の特別な公演で、宝生や観世などの能楽堂に行くこともあるが、国立能楽堂以外は、殆ど行ったことがない。
   以前には長い間、都民劇場と言う観劇組織に入っていて、歌舞伎座をはじめ色々な分野のチケットを取得して劇場に通っていたが、多少安くても、日時や席がままならないので、止めたのである。

   さて、国立劇場のチケット取得だが、あぜくら会に入っていると、1~2日、一般販売より早くチケットが取得できる。
   勿論、一般販売用や他のチケット販売会社用のチケットは別に保持されているのであろうが、あぜくら会だと、かなり、有利に思った席のチケットを取得できることは事実のようである。

   しかし、あぜくら会に入っていても、最近では、急に、チケット取得が難しくなってきた。
   あぜくら会の会員用のチケット販売日初日の10時に、インターネットがオープンするのだが、最近では、歌舞伎の場合(1610席)でも、文楽の場合(590席)でも、最初の10~20分くらいは、インターネットが錯綜して、繋がらないのである。
    勿論、チケットが完売するのではなくて、良い席の取り合いの争奪戦と言うことであろうが、その激しさは、ぴあやイープラス並で、少し前にはなかった現象である。

   国立演芸場は、300席だが、人間国宝の小三治のチケットは、ネットオープン直後の数十秒の争奪戦で、何でも空いている席を叩かないと一瞬でも逡巡していたらダメで、先月の国立名人会をミスってしまった。 
   名人会や歌丸などスター級のチケットも足が速いのだが、定席の上席や中席は、夫々10日間続くので、結構空席がある。

   能・狂言の国立能楽堂のチケットだが、7月の公演のチケット取得は、今までになかったような現象が起こって、10時のオープン直後10分以上も、インターネットが繋がらなかった。
   勿論、観世清和宗家の能「善知鳥」、二人の人間国宝の企画公演、梅若玄祥の能「名取ノ老女」と大槻文藏の能「鵜羽」と言った大変素晴らしいプログラムが組まれていたので、人気が沸騰したのかも知れないのだが、まず、考えられないようなことが起こった。
   国立能楽堂主催の公演は、ほぼ、月に4回上演されるのだが、人気プログラムだとすぐに完売し、殆どの公演が、上演前には、満席となる。

   先に、マイケル・サンデル著「それをお金で買いますか」のブックレビューで、ホームレスを行列に並ばせてチケットを買わせて転売する、行列代行とダフ行為について書いたが、このような行為が、国立劇場のチケットでも、ネットオークションで行われていると言うのである。
   前述の7月の能楽堂の公演など、「名取ノ老女」を除いて、早々にチケットは完売していたから、ネットオークションに出たのか出なかったのかは知らないが、恰好の転売ターゲットとなろう。

   その少し前に、国立劇場チケットセンターが、次の広報を出した。
   営利目的によるチケットの転売等禁止について
   国立劇場の各館主催公演チケットがインターネットオークションに出品されるケースが度々ございますが、チケットの券面裏に明記しております通り、営利目的によるチケットの転売・インターネットオークション等への出品は、いかなる場合でも禁止しております。
 なお、転売・インターネットオークション等により購入されたチケットであった場合はご入場をお断りする場合がございます。後略
   
   最近販売された9月の国立小劇場の文楽は、【第一部】生写朝顔話【第二部】玉藻前曦袂と言う意欲的な公演で、既に、土日の休日は、完売となっている。
   文楽への補助金をたたき切った文化音痴の橋元氏の理解を越えた世界であろうが、知性と教養のある日本人には、その良さと価値が分かると言うことである。

   いずれにしろ、比較的容易に、好きな公演のチケットを、かなり楽に取れていた国立劇場の各館主催公演チケットの取得でさえも、少しずつ難しくなってきていることは事実である。
   今日も10時にパソコンを叩いて、どうにか、9月分の能狂言の、まずまずのチケットを取得したが、既に、特別公演 能「楊貴妃」/狂言「宗八」/能「烏帽子折」のあぜくら会分は、完売となっている。
   それでも、能・狂言は、たった一回限りの公演で、それも、大きいと言われている国立能楽堂でも、627席しかなく、すぐには完売するケースは少ないので、どう考えても、能・狂言ファンの人口は、多いとは思えない。
   満席にできるのは、国立劇場だけ。能・狂言でも落語でも、他の劇場では苦しいと言う。
   世界無形文化遺産といえども、悲しいかな、ひ弱な華、必死になって守り抜かなければならないのである。
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