熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

人工知能―機械といかに向き合うか (Harvard Business Review)

2017年12月07日 | 書評(ブックレビュー)・読書
   人工知能やIOTについて、本を読み始めたのだが、まず、ハーバードビジネスレビューの「人工知能」。
   ハーバードビジネスレビューの論文を纏めただけなので、整合性はないのだが、結構、興味深かった。

   まず、ウィキペディアによると、
   人工知能(じんこうちのう、英: artificial intelligence、AI)とは、人工的にコンピューター上などで人間と同様の知能を実現させようという試み、あるいはそのための一連の基礎技術を指す。
   今や、自動車はドラーバーなしで走る時代、
   私など、単純に言って、AIは、人間の能力・仕事を代替したり、拡張するもので、ある段階において、人間を凌駕するのかも知れない、といった程度の知識から、出発しているのだが、いずれにしろ、これまでに人類が経験していた産業革命とは、全く違った、人類の命運にかかわる一大変革であるような気がし始めており、良いのか悪いのか恐ろしささえ感じている。

  冒頭の論文は、「オーグメンテーション:人工知能と共存する方法」。
  オーグメンテーションとは、かって効率重視の企業が追求した自動化戦略とは対照的に、現行の人間による作業を基準として、機械処理の拡大によっていかに人間の作業が深められるかを見極めることで、知識労働者は、スマートな機会をクリエイティブな問題解決のパートナー・協力者と見做すようになる。ことだと言うのである。

   インターネットやロボット、そして、この人工知能が、人間の仕事を奪って、人間の仕事がなくなる日が来るのではないか、と言った今様ラダイット運動の危険さえ囁かれ始めているのだが、この本では、人間がAIを上手く駆使して、協創共存することに主眼を置いた論文が多いような気がする。
   しかし、そのためには、人間が相当賢くならなければならないと言うことで、それに打ち勝てるのかどうか、人類への厳しい挑戦を迫っていると言えよう。

   ところで、今日の日経に、「グーグル、AI「アルファ碁」を改良」と言う記事が掲載されてて、興味深いのは、「独学で試行錯誤し鍛錬」と言う指摘である。
   これまでのソフトは、人間が長年の歴史の中で考案した「定石」やプロ棋士の棋譜を学ぶことで強くなってきた。
   しかし、このアルファ碁は、AIに、将棋や碁やチェスのルールだけを教えて、独学で自己対戦を繰り返して、数時間で、現状の世界最強ソフトを超える強さを獲得した。
   正に、驚異的な進歩である。

   当然、ゲーム以外の分野、人間には解けない難題の解決においても、人知を超えたはるかに高度な貢献をしそうである。
   ディープマインドは難病の早期発見や新素材の開発、生命の起源解明などの応用を見込み、将来、AIが人間の知性を超える「シンギャラリティー」の実現につながる可能性がある。と言うのである。

   さて、高度なAIの議論は、ともかく、私が面白く読んだのは、「アリババの戦略はアルゴリズムに従う」と言う記事である。
   結構、アマゾンを使っており、よく開くのだが、これまでにクリックした関連情報が一挙に、ページに現れて、これでもかこれでもかと言った調子で、繰り返らされ、インターネットでも頻繁に追っかけてくる。
   結構煩いのだが、気付かなかった情報や興味深い商品の紹介もあったりして、役に立つこともある。

   これは、アマゾンに限ったわけではなく、インターネット上には、一度はクリックした関連の商品やサービスのPR記事が、変わり万古に頻繁に表れる。
   この現象は、セルフチューニング型アルゴリズムのレコメンドシステムの為せる業で、インターネットが自然に作動していると言うことで、正に、AIの世界なのである。
   変化の激しい市場で求められる機動的な経営のためには、このアルゴリズムを効果的に活用して、ビジョンを再定義し、自社のビジネスを再構築し続けてこそ、破壊的イノベーション時代の戦略策定が可能だと言うのである。

   ハッキリしていることは、ICT革命によって益々高度化する知識情報化産業社会、絶えず、クリエイティブでイノベイティブな知力と感性を養う努力を怠っては、生きて行けない世の中になりつつあると言うことでもあろう。
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