熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

経済や経営の本は翻訳本ばかり読むと言われるのだが

2016年10月17日 | 書評(ブックレビュー)・読書
   このブログのブックレビューでもそうだが、私の場合、経済や経営の本では、翻訳本が多いと言われる。
   要するに、この方面の専門書は、主に、英米の著者の本が、大半を占めていると言うことである。
   アメリカのビジネス・スクールで勉強していた頃やヨーロッパで仕事をしていた時には、原書を抵抗なく読んでいたので、何も、翻訳本を選ぶ必要もないのだが、そんな習慣から離れて随分経つと、レイジーになって、訳書で済ますことが多くなってしまったのである。
   尤も、訳書だと、結構、誤りとは言えなくても、意味不明であったり、辻褄が合わないことがあったりなどするので、そんな時、大切な本の場合には、原書を当たることにはしている。

   何故、日本の学者や経営者が著した専門書を読まないかと言うことだが、特に理由があるわけでもないのだが、やはり、外国人の著者の発想なり論点が、大きく違っていて、啓発されたり教えられることが、はるかに多いと考えているからだと思う。
   昔、若かりし頃は、日本経済が上り調子で、Japan as No.1の時代であったから、日本経済を理解するためには、日本の学者の本を読む必要があって、文句なく、坂本二郎、下村治や篠原三代平などの本にお世話になった。
   勿論、日本の経済や特定の日本企業の経営について読む時には、日本人の著者の本だが、しかし、ソニーやトヨタなどになると、外人著作の本の方が多い。
   いずれにしろ、それ以降すぐに、欧米に出てしまった所為もあって、洋書が主体となった。

   それに、ウォートン・スクールで学び始めて、アメリカの経済学や経営学の学問に触れると、如何に、日本の学問水準が低いか、早い話が、大学ないし大学院の授業内容などは、雲泥の差で、この分野での、日本の遅れを痛いほど感じたのである。
   これは、1970年初頭のことだが、その後、1980年代から90年代にかけて欧米に居て、日本経済が破竹の勢いで躍進していたにも拘わらず、それをフォローする立派な専門書が、日本では中々現れずに、むしろ、外国の学者の研究の方が進むと言う逆転現象が起こり、学問水準の落差は埋まる気配がなかったように思う。

   時代の潮流の流れが激しくて、経済学も経営学も、どんどん、主義主張なり、その根底となる哲学や思想、科学的手法などが、変わって行って、正に、中国の春秋戦国時代の諸子百家乱立の様相を呈して、混沌とした状態となった。
   特に、経営学など、エクセレント・カンパニーの台頭と凋落に象徴されるように、いくら、新しくて立派な学説が生まれ出ても、数年で陳腐化すると言う生き馬の目を抜くような変化で、時代の潮流の激しさに飲まれてしまう状態となっている。
   こうなれば、欧米の学者に、日本の学者は、オリジナリティと言う意味でも、ついて行けない。

   勿論、私も、幅広く勉強できるわけでもないので、フォローする分野も限られているのだが、経営学については、現役時代から遠ざかってくると、興味を持って読んでいた経営戦略論やイノベーション論など実業に近い分野から離れて行き、経済学の分野でも同じことが言えるのだが、文化や歴史、思想哲学と言った性格を帯びたゼネラルな方面に、関心が移り出してきたような気がしている。

   余談だが、先日、知人に、本を送ろうとして、パッキングを始めたのだが、その人は、普通の読書家なので、経済や経営に興味がなく、一般的な本をと思ったものの、半分以上が、経済や経営の専門書に近い本ばかりなので、愕然としてしまった。
   学問の進化を学び知的満足を味わえること、それが、私自身の読書目的でもあるのだが、しかし、要するに、面白くも可笑しくもない本ばかり読んでいて、何が楽しいのか、と言うことでもある。

   尤も、シェイクスピア、能・狂言、歌舞伎・文楽、歴史、美術などと言った分野においては、収集癖も加わって、かなりの蔵書があるのだが、これは、もうしばらく手元に置いておこうと思っての話ではあるが。
   いずれにしろ、外出すれば、書店を巡るのが楽しみであり、書斎にいる時には、大半の時間を、読書三昧に明け暮れていて、何冊も同時に並行読みして、気がついたら、あっちこっちから、毛色の変わった本を引っ張り出して、積み上げているのであるから、世話がないのかも知れないと思っている。
   
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